センリョウの育て方と花言葉【半日陰に植える常緑低木のガーデニング】

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半日陰で育つ常緑低木センリョウの育て方

センリョウは、初夏に緑色の花を付ける常緑低木ですが、観賞の対象になるのは冬に付ける鮮やかな赤い実です。この、赤い実や名前から縁起物とされ、お正月の花材として欠かせない植物です。

センリョウは、その昔『千蓼(センリョウ)の字が当てられていましたが、似たような赤い実を付ける『万両(マンリョウ)との対比で『千両(センリョウ)と表記されるようになったようです。万両は下向きに実を付け、千両は上向きに実を付けるので、万両より軽いという意味で名づけられたという説もあります。

【半日陰とは】

草花の栽培条件として『半日陰』という表現がありますが、『半日陰』のはっきりとした定義はなく、日照条件もいろいろな表現がされています。しかし一般的な『半日陰』の日照条件としては、午前中の3~4時間ほど日が当たる明るい場所か、日中に木漏れ日が当たっている状態 としているようです。

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センリョウの特徴と育て方

センリョウは、日本(主に関東より南~沖縄)、朝鮮半島、中国、インドなど広い範囲に分布する常緑性の低木で、常緑樹林下のような一年を通して直射日光の当たらない、半日陰の場所に自生していることが多いです

センリョウは、もともと暖かい地方の植物なので、寒さに弱い面があります。庭植えにする場合は、東北南部より南の地方が適しています。寒さの厳しい地方では鉢植えで育てて冬は霜や寒風の避けられる場所に移動させます。

【センリョウ】

  • 性 質:常緑低木
  • 分 類:センリョウ科 センリョウ属
  • 樹 高:50㎝~100㎝
  • 花 色:花は黄緑色/実は赤色
  • 原産地:日本・朝鮮半島・中国・台湾・インド・マレーシア
  • 開花期:花は7月~8月/実は11月~1月

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センリョウの栽培方法

【育て方ポイント】

センリョウは、地際からたくさんの枝を出す「株立ち」になりますが、ほとんど枝分かれせずまっすぐ伸びていくので、放任しておいても姿形が乱れることは少なく剪定の必要はさほどありません。ただし、3年以上経った古い枝や細い枝は、茶色く変色し、花や実がつきにくくなるので、地際から剪定してください。

senryou-4画像出典:花木庭木の苗通販:園芸ネット

栽培場所

センリョウは、強い直射日光や西日が非常に苦手です。日射しが強いと葉が黄色っぽくなり生育が衰えたり枝枯れを起こすことがあるので、一年を通して半日陰の場所が適しています。
しかし、あまりに暗い日陰の場合、生長はしますが、実付きは極端に悪くなります。

センリョウは、寒さに弱いので、霜や寒風が強いと日射し同様、枝枯れの原因となります。
寒い地域の場合、鉢植えにして春と秋は半日陰、夏は直射日光が当たらない日陰、冬は寒風が当たらない場所に移動するなどして管理してください。また、花の時期に雨に当てないようにすると、冬に実が付きやすくなります。

用土・肥料

【用 土】

庭植えの場合、土壌は極端に乾燥しない、腐植質に富んだ、水はけがよいものが適しています。
鉢植えの場合、水もちと水はけを考え、用土は赤玉土3と腐葉土1の配合土がよいでしょう。

【肥 料】

肥料は、年に1回、2月頃に化成肥料や油かすと骨粉を等量混ぜたものを株の周りに少量施します。センリョウに与える肥料は、少ない方が株も寸がつまった感じでバランスよく育ち、実付きも良くなります。
センリョウは肥料が多いと、枝葉ばかり伸びて茂って実付きが悪くなります。特に窒素分の肥料が多いと顕著にその症状が出るので気をつけてください。


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水やり

庭植えの場合、植え付けからしばらくの間は、土が乾いたら水を与えますが、その後は、ほとんど必要ありません。

鉢植えの場合、極端に乾燥させないように、土の表面が乾いたら水を与えます。

植え付け

センリョウの植え替え、植え付けの適期は4月~5月です。

センリョウを鉢植えにした場合、2年に1回を目安に、一回り大きな鉢に植え替えます。
地下茎から盛んに芽を出して株が大きくなるので、鉢を大きくしたくないときには、ハサミで地下茎を2~3つに切り分け、元と同じ大きさの鉢に植えつけます。

※鉢植えの場合、新芽が地面から伸びてこなくなったら鉢の中がいっぱいになっている可能性が高いので、植え替えをしてください。

ふやし方

【さし木】

3月~4月に、新芽が伸びる前にさし木します。2~3節の長さで、さし穂をとり、1時間ほど吸水させてから、さし木用土にさし、風が当たらない日陰で水を切らさないように管理します。約3か月で発根します。

【タネ蒔き】

タネ蒔きでふやす場合は、秋~冬に熟した果実を採取し、果肉を水洗いして完全に取り除き、タネだけにします。タネは乾燥させると発芽能力が失われるので、赤玉土などにすぐ蒔きます。戸外に置き、乾かさないように管理すれば、春に発芽します。
タネ蒔き後、順調に育って3年も経つと実をつける株に成長します。

発生しやすい病害虫

センリョウにつく病害虫は、ほとんど見られませんが、根や茎が黒変し腐って枯死する『立枯病』に侵されることがあります。
土壌を伝って感染する病気なので、株を抜いて廃棄し、病気が発生した場所には植えないようにしてください。

実が付かない原因

初夏に花が咲いたのに実が付かなかった場合は、極端な日照不足や水切れなどが考えられます。また天候的な要因として、開花時期に長雨で花粉が洗い流されてしまい、しっかりと受粉できずに実が付かないこともあります。

センリョウの花言葉

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センリョウの花言葉=『富貴』『裕福』

『千両(センリョウ)は、花名も花言葉も、お正月の縁起物に相応しい常緑の低木です。
ちなみに、江戸時代中期の千両というお金を現在のお金に換算すると、1億円ぐらいだそうです。(現在の金相場からすると2千万円~3千万)となると、欲をかいて『万両(マンリョウ)を、植えたくなりますよね。
マンリョウは『サクラソウ科 /ヤブコウジ属』で、センリョウとは全く違う種類になりますが、栽培方法も姿形も似ているので、どちらも植えてみてはいかがでしょうか。
夢は大きく、センリョウ・マンリョウを育てて、宝くじを購入してみてください。もしかしたら・・・当たるかも・・・はずれたら御免なさい!

(キミノセンリョウ)

センリョウの育て方と花言葉
【半日陰に植える常緑低木のガーデニング】のまとめ

センリョウは、樹高が80cmほどになりますが、地下茎から毎年新しい茎が出て株が広がるので、切り花で楽しむこともできます。また、センリョウの品種には、黄色の実をつけるキミノセンリョウや斑入りの品種があります。

センリョウは、日本の暖地に自生するので栽培は容易で、極端な乾燥に注意すれば、実もよくつきます。

※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。

※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。

参考=ヤサシイエンゲイ:センリョウの育て方

参考=みんなの趣味の園芸:センリョウ

参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉


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