チューリップ球根で翌春のガーデニング準備!
チューリップは鮮やかな花色と独特の花形で、【秋植え春咲き】の球根の中でも、最も広く親しまれています。
鉢やコンテナ、水栽培に花壇、切り花と用途が広く、色々な育て方で楽しめます。花色が豊富なため 一斉にたくさんの株が花開いたチューリップ畑や花壇は本当に見事なものです。
目次
チューリップの特徴と育て方
チューリップは花も葉もシンプルで美しく、世界中で人気のある球根植物です。
これまでに数えられないほどの品種が誕生し、現在の品種リストには5000を超える品種が登録され、およそ1000品種が世界中で育てられています。
品種は、開花期の早生、中生、晩生そして原種の4つに大別され、さらに来歴、花形と草姿などによって15系統に分類されています。
【チューリップ】
性 質:球根植物/多年草
分 類:ユリ科チューリップ属
花 色:赤・白・黄・桃・複色など
別 名:鬱金香(うこんこう)
原産地:中央アジア・地中海沿岸
チューリップの主な系統・品種
チューリップは開花期、草丈、花形などにより、いくつかの系統に分けられ、それぞれに数多くの品種がありますが、典型的な花形は『トライアンフ系』や『ダーウィン・ハイブリッド系』です。その他、よりデコラティブな『八重咲き系』・花弁の縁に細かい切れ込みが入る『フリンジド系』・フリル状に波打つ『パーロット系』・弁先のとがった『ユリ咲き系』などがあります。また、最近では、『小型の原種系』も盛んに栽培されているようです。
参考動画:チューリップの種類 咲き方別
チューリップ栽培方法
【チューリップ栽培のポイント】
チューリップの植え付け時期は10月下旬~11月です。
チューリップの花色にこだわるのはもちろんですが、系統によって開花期が異なるので、寄せ植えにする場合は注意してください。
球根は、大きくて充実した健全なものを選び、表面に傷のないもの、発根部がきれいであることを確かめてください。また、根が出ている球根は絶対に選んではいけません。
高生種は庭植えや大型プランターに植えます。
やや草丈の低い系統は、標準サイズのプランターに植え、矮性種は密に群植することで魅力が出ます。八重咲き系やユリ咲き系などの品種も、まとめて植え込むと、変化に富んだ仕上がりが楽しめます。
栽培置き場所
チューリップは、日当たりのよい場所で育てますが、ほとんどの秋植え球根は、冬の寒さを感じないと花芽が伸びないので、植えつけ後は屋外の寒さに当てて育ててください。
庭植えの場合、水はけのよいところで育てますが、連作はできるだけ避けてください。
用土・肥料
【用 土】
チューリップの庭植えの場合、植えつけの2~3週間前に、1㎡当たり堆肥1kgと苦土石灰100gをよくすき込んでおきます。
チューリップの鉢植えの場合 水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。市販の草花用培養土7、腐葉土2、牛ふん堆肥1の割合で配合したものか、市販の「球根の土」でもよいでしょう。
【肥 料】
チューリップに与える肥料は、用土にはあらかじめ緩効性化成肥料(※三要素等量)を元肥として混ぜておきます。12月中旬くらいに再度、緩効性化成肥料を追肥します。
※お礼肥は新しい球根が腐りやすくなるため施しません。
※肥料三要素=N窒素(葉肥)・Pリン酸(花、実肥)・Kカリ(根肥)
※お礼肥=花が咲いた後に、開花や結実で消耗したエネルギーを回復し、株を再び元気にするための肥料
水やり
チューリップの球根植えつけ時に水やりをした後は、庭植えの場合、雨にまかせます。
鉢植えの場合は、鉢土の表面がよく乾いたときにたっぷりと水やりします。
次年も咲かせたい場合は、花後も葉が枯れるまでは、土が乾かないように水やりを続けます
チューリップの球根は、植え付けてから芽が出るまでは結構時間が掛かりますが、土の中では根が張りめぐらされているので、土を乾かし過ぎないように注意してください。
球根の植え付け
チューリップ球根の植え付けは、冬の寒さが本格的にくる前の10月下旬~11月上旬が適しています。あまり遅いと充分に根が張れず生育に支障が出ます。
浅く植えすぎると根が下に伸びていく力で球根が持ち上がり、地上にでてしまうことがあるので注意しましょう。
【球根 庭植え】
チューリップ球根を「庭植え」する場合、球根の頭から地表まで球根2つ分程度の深さになるように植えます。間隔は大きな球根の場合は2個分をあけ、小さな球根の場合は1個分をあけて植えつけます。
【球根 鉢植え】
チューリップ球根を「鉢植え」する場合、球根の頭から地表まで2cmくらいの深さに来るように植えます。また、プランター植えの場合、ある程度詰めて(球根と球根の間のすき間がないくらい)植えた方が一斉に咲いたときにかなりゴージャスです。
※密植した場合、来年の球根が取れない場合があります。
チューリップの増やし方
翌年も球根を使いたい場合、花びらが散ったら花の部分(子房)を折り取ると、球根を大きくすることができます。子房はそのまま付けておくとタネができ、余分な栄養がとられてしまいます。葉と花茎は球根に栄養を貯えるためにとても大切な部分なので自然に枯れてくるまで決して切り落とさないように気をつけましょう。
【花後の処理】
チューリップの花が終わり、葉が枯れた後に掘りあげると小球が数個できています。それを1つずつばらして植えますが、大きいものから小さいものまで、たくさんの球根ができます。
親球と同じくらいの大きさに達しているものなら来年にも花が咲く可能性は大きいですが、小さいものなら花が咲くまで数年かかります。
掘り上げた球根はネットに入れて風通しの良い日陰で貯蔵します。
※関東地方以南の地域では、花後に急速に気温が高くなり、球根が充実しないうちに葉が枯れてしまうので、球根を太らせることが難しいです。できれば、毎年球根を購入することを、お薦めします。
発生しやす病害虫
【かいよう病】
チューリップの「かいよう病」は、発芽直後に葉に灰白色の小さな斑点が現れ、やがて葉の表面が縮れます。発病した株は抜き取ります。
参考サイト:タキイの花:チューリップ かいよう病
【褐色斑点病(かっしょくはんてんびょう)】
チューリップの「褐色斑点病」は、葉に黄色の小さな斑点が現れて大きくなり、ひどくなると葉が枯れます。花には白色から褐色の斑点が現れます。雨が多いときに発生しやすく、発病した株は抜き取ります。
参考サイト:タキイの花:チューリップの褐色斑点病
【モザイク病】
チューリップの「モザイク病」は、葉に淡い黄緑色のモザイクが現れます。赤い花弁には白い筋が入ります。
参考サイト:タキイの花:チューリップ モザイク病
【アブラムシ】
チューリップの蕾や花にアブラムシがつくことがあるので、発見したら、早めに殺虫剤などで駆除してください。
参考動画:球根の植え付け方法 チューリップ
チューリップの花言葉
【チューリップ花色別の花言葉】
チューリップ全般:思いやり |
赤 色:愛の告白 |
白 色:失われた愛 |
紫 色:不滅の愛 |
黄 色:名声 |
チューリップ花言葉の由来
オランダに伝わる物語によると、3人の騎士に同時に愛を告げられた少女が、困ったあげく、花の女神フローラに、自らの姿をチューリップに変えてもらったといわれています。
『思いやり』『愛の告白』『失われた愛』の花言葉は、その時の3人の騎士の気持ちを表現したもの、或いはチューリップに変わるまでの少女の心の変化ともいわれています。
チューリップ の育て方と花言葉
【春に咲く秋植え球根ガーデニング草花】のまとめ
チューリップといえば、オランダが有名ですが、発祥はトルコです。その花の名も、トルコの人が頭に巻いたターバンに花姿が似ていることからつけられました。トルコからヨーロッパにチューリップが渡ったのは16世紀中頃で、これがヨーロッパに園芸が広まるきかっけとなり、17世紀のオランダでは、チューリップは投機の対象となりました。当時の価値で、1800ドル近い値が付く球根もあったといわれています。
17世紀のオランダ人に、是非とも現在のチューリップを見てもらいたいものです。チョットいやらしい話ですが、現在のチューリップが、17世紀のヨーロッパで、いったい、どれくらいの値がつくのか、興味ありますね。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉