心の病・うつ病で処方される薬(医薬品)【病院でもらう薬の解説】

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心の病・ストレスの薬 《8種の医薬品の解説》

憂うつな気分や意欲・集中力の低下、倦怠感などの身体症状がみられる『うつ症状』など心の病に処方されるをわかりやすく解説してみました。心の病は、適切な治療を受けることで、治すことが可能な病気です。十分に休養を取りながら、医師の指示を守って治療を続けることが大切です。

※当サイトで紹介している薬の解説文は、あくまで参考としてください。必ず、医師または薬剤師の指導の下、服用するようお願いします。

心の病・ストレスの薬 8種の医薬品

現在では、治療方法などを患者さんに、また、そのご家族に納得いくまで説明し、同意を得るという考え方『インフォームド・コンセント』が、医療の現場に本格的に導入されています。薬については、患者さんが必要とする情報をできる限り説明するように薬剤師は努めており、患者さんも質問しやすい環境が整っています。
よりよい治療を受けるためには、患者さんはもとより、ご家族も薬について正しい知識を身につけることが大切ではないでしょうか。

※当サイトで紹介している薬の解説文は、あくまで参考としてください。必ず、医師または薬剤師の指導の下、服用するようお願いします。


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デパス

depasu

【 田辺三菱製薬】

不安感をやわらげ、うつ病や心身症を改善

デパスは、おだやかに作用して、不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる「チエノジアゼピン系」と呼ばれる種類の緩和精神安定剤です。【抗不安薬】や【心身安定剤】とも呼ばれます。作用的には「ベンゾジアゼピン系」というタイプと似ています。安全性が高く、依存しづらいのも特徴です。神経症やうつ病など精神的な不具合のほか、心身症のような体の不調が全面に出る病気にも使われます。

心身症は、精神的な要因や自律神経の乱れが体の不具合をもたらします。『ストレスで血圧が上がる』『胃腸の調子が悪くなる』『心臓がドキドキする』『月経不順』などの症状例があります。

デパスは、筋肉をほぐす作用があるので『緊張型頭痛』『頸椎症』『腰痛症』『肩こり』『けいれん症』の病気などにも使われています。これらの幅広い病気に対応できるのは、副作用が少なく安全性が高いとされる薬だからです。しかし、普通の生活で感じるイライラや軽いストレスの解消だけを目的に、安易に飲むべきではありません。心身症の治療を目的にするなど、医師の指示の下で使うようにしてください。

参考:QLife【デパス錠0.5㎎】効果と副作用

リーゼ

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【田辺三菱製薬】

作用がおだやかで、高齢者にも安心

リーゼは、心身症(消化器疾患・循環器疾患)における「不安」「緊張」「抑うつ」「睡眠障害」などの改善、また、自律神経失調症における「めまい」「肩こり」「食不振」の改善に使われる薬です。その他、手術前の過剰な緊張をやわらげるためにも用いられています。

リーゼは、「チエノジアゼピン系抗不安薬」という種類に分類される薬です。特徴は、おだやかに作用し、持続時間が短いことです。「めまい」や「ふらつき」といった副作用が出にくいため、高齢者にも向いています。また、神経症やうつ病など、精神的な要因で体に不調の出る心身症にも使われます。

※筋肉をほぐす作用から、『緊張型頭痛』『腰痛症』『肩こり』などに応用されることもあります。

リーゼは、急に服用をやめると『反跳性不眠』が起きることがあります。この症状は、眠れなくなったり、眠りが浅くなったりして、熟睡感が得られない状態になります。これを避けるためには、医師の指示通り、ゆっくり薬の量を減らすことが大切です。自己判断で薬を飲むことを止めたり、量を減らすことは避けましょう。

参考:QLife【リーゼ錠0.5㎎】効果と副作用

セルシン

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【武田薬品工業】

作用時間が長い『ベンゾジアゼピン系抗不安薬』

セルシンは、リーゼと同じく、ベンゾジアゼピン系の抗不安剤です。ベンゾジアゼピン系の薬は複数ありますが、体内での作用は基本的に同じで、「抗不安作用」「睡眠作用」「筋弛緩作用」「抗けいれん作用」などがあります。

※セルシンとリーゼとの違いは、セルシンの方が作用時間が長く、24時間以上の作用があります。

セルシンは、『筋緊張緩和作用』『抗けいれん作用』が強く、「肩こり」「頭痛」「熱性けいれん」の予防にも使われます。また、薬効の高さから、精神科だけではなく、内科や整形外科などでも広く処方されています。

参考:10mgセルシン錠の基本情報

パキシル

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【グラクソ・スミスクライン】


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うつや不安をおさえて気分を楽にする

パキシルは、セロトニンの量を調節している「セロトニントランスポーター」の働きを邪魔します。これにより、セロトニンが増えて神経の伝達が改善され、その結果、うつ状態が良化し、気分が楽になると考えられます。

※セロトニンは、人の感情に影響を与える脳内の神経伝達物質で、足りなくなると不安を感じるようになったり、うつの症状が出たりします。

パキシルは、従来の抗うつ薬に多い、口の渇きや便秘などの副作用が少ないのが特徴で、現在、うつ病の主要薬として広く処方されています。

参考:QLife【パキシル錠10㎎】効果と副作用

ワイパックス

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【ファイザー】

おだやかな作用の中間型抗不安薬

ワイパックスは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、作用時間は中間型の約12~24時間となっています。肝障害のある人や高齢の人にも使いやすい薬です。また、不安を取り除く以外にも、「筋肉の緊張をほぐす作用」「けいれんをおさえる作用」も認められています。

※アルコールとの併用は悪影響を与えるため避けてください

ワイパックスは、効果を実感しやすいですが、薬に頼り過ぎないように注意が必要です。また、人によっては眠気が強く出ることがありますので、医師・薬剤師に相談の上、使用してください。他の抗不安薬同様、何となく使うことは避けて、薬を減らしていくことを目標にしてください。

※抗不安薬と睡眠薬は、全く異なる薬というわけではなく、ベンゾジアゼピン系とそれに似た化合物となっており、薬が効く仕組みの点からは同じ薬といえます。これらのうち、抗不安効果の高い薬を『抗不安薬』、催眠効果の強い薬を『睡眠薬』と呼んでいます。

参考:QLife【ワイパックス錠0.5】効果と副作用

ジェイゾロフト

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【ファイザー】

脳神経に働きかけて、うつ状態を改善させる

ジェイゾロフトは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる種類に分類され、うつ病やうつ状態、パニック障害に処方される薬です。脳内の神経を伝達するセロトニンという物質の濃度を高めることによって、不安な気持ちや緊張状態を緩和させます。24時間、効果が持続するタイプの薬で、かつ副作用が出にくいのが特徴です。

うつ病から立ち直っても再び、うつ病に陥ってしまう症状を『再燃』と呼びますが、ジェイゾロフトは、その『再燃』を抑制する効果が認められた、日本初の抗うつ薬です。

ジェイゾロフトは、薬の効果が実感できるまで2~3週間かかることがありますが、症状により、徐々に服用量を増量していきます。自己判断で服用を急に中止すると副作用が出ることがあるので、用量・用法は厳守しなければなりません。また、うつ症状のある場合、服用開始時や服用量が変更された際は、体調や気分の変化に注意し、医師や薬剤師と連絡を密にするよう心がけてください。

参考:QLife【ジェイゾロフト錠25㎎】効果と副作用

レクサプロ

rekusapuro

【持田製薬】

神経伝達をスムーズにして憂うつな気分を緩和させる

レクサプロは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる種類に分類され、憂うつな気分や不安を和らげる薬です。神経に情報を伝達する働きを持つ、脳内物質の濃度を高め、神経の伝達をスムーズにさせることで、うつ病やうつ状態に作用します。また、従来の抗うつ剤による眠気や口の渇きといった、副作用が起きにくい薬といわれています。

レクサプロの効果が発現するようになるのは、服用を開始してから2~3週間ほど経過してからです。そこから、症状によって服用量が徐々に増量されていきます。

参考:QLife【レクサプロ錠10㎎】効果と副作用

トレドミン

toredomin【旭化成ファーマ】

2つの神経伝達物質を増加させ、うつ状態を改善

トレドミンは、落ち込んだ気分を高揚させ、不安を和らげる効果を発揮する薬です。有効成分のミルナシプランが働きかけるのは、脳内で神経伝達を担うセロトニンとノルアドレナリンという2つの物質です。この2つの物質濃度を高めることで、うつ病やうつ状態を改善させます。

『セロトニンは気分を楽にする作用』・『ノルアドレナリンは意欲を高める作用』があるといわれ、これらの濃度を高める薬は、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といわれています。

参考:QLife【トレドミン錠25mg】効果と副作用

注意事項

当サイトで紹介している薬の解説文は、あくまで参考としてください。必ず、医師または薬剤師の指導の下、服用するようお願いします。

参考:薬の教科書/発行所:株式会社 宝島社


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