長ネギのもつ栄養の特徴と使い方【長ネギの調理の仕方】

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長ネギの栄養や調理法などについて紹介!

長ネギは、香り成分で食欲増進をもたらす、栄養豊富な野菜です。スーパーの袋に収まらず、持ち帰る時は不便ですが、食卓には、なくてはならない存在です。
何気に使われている長ネギですが、長ねぎのもつ栄養効果や働きについて知ることで、体調管理に役立ちます
一読いただき、参考になれば幸いです。

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※紹介している「長ネギ」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。

長ネギのもつ栄養と使い方

長ネギの白い部分には、ビタミンCが多く含まれていますが、それに加えて最も注目したい成分は、硫化アリルと呼ばれる香りのもと、アリシンです。
アリシンには、疲労回復効果のあるビタミンB1の吸収を助ける作用があります。また、血行をよくして体を温めてくれることから冷え性の予防や食欲増進・消化促進にも有効といわれています。

【長ネギの緑色部分の栄養】

長ネギの緑色の葉の部分には、β-カロテンカリウムカルシウムなどがたっぷりです。
つい切り落としてしまいがちですが、細かく刻んで汁の実や炒め物などに利用して、無駄なく使いきりましょう。

【長ネギの主な効果】

  • 血行促進
  • 冷え性予防
  • 食欲増進
  • 便秘解消

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長ネギの旬と選び方・保存方法

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長ネギは、基本的には通年市場に流通していますが、もっともネギが甘く美味しくなるのは、晩秋11月頃から春先2月頃になります。

選び方

長ネギは、白い部分に弾力があり、巻きがしっかりしているものを選んでください。
葉の部分が肉厚で、まっすぐ伸びているものが良品です。

保存方法

長ネギは、泥付きのものは新聞紙に包み、日の当たらない涼しい場所で保存してください。
カットしたものはポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れてください。

長ネギの調理・使い方

長ネギの香り成分の効能を生かすなら、豚肉と一緒に調理するのがおすすめ!

豚肉やうなぎ、鶏レバーなどのビタミンB1が豊富な食材と合わせて調理することで、香り成分のアリシンがそのパワーを発揮します。鴨鍋などは理にかなった食べ方です。

≪画像参考-レシピ≫
【クックパッド】
鴨汁うどん・焼きネギ

≪画像参考-レシピ≫
【クックパッド】
イカの下足のアスパラと長ネギ炒め

naganegi-resipi

≪画像参考-レシピ≫
長ネギの柚子胡椒照り焼き
ヤマサ醤油のレシピサイト

長ネギのみじん切り

みじん切りは、フードプロセッサーを使う方法もありますが、それでは、ネギの繊維が、潰れてしまって風味が飛んでしまう上に長持ちしません。
美味しく頂くためにも包丁で切るのがベストです。すぐに上手に切ることは難しいと思いますが、練習してみてはいかがでしょうか。

参考動画:【ネギの簡単な切り方と保存方法】

参考動画:【ネギのみじん切り】

長ネギの栄養成分(可食部100gあたり)

長ネギの総カロリー=34Kcal(100ℊあたり)

【長ネギに含まれる三大栄養素】

長ネギに含まれるタンパク質=1.4g(100gあたり)

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚など、体の組織のほぼ全てをつくる主要な成分であり、また、エネルギー源としても、1gあたり約4Kcalを生み出します。酸素・ホルモン・免疫抗体の材料、栄養運搬物質などとしての役割を担う重要な栄養素です。

長ネギに含まれる脂質=0.1g(100gあたり)

脂質は、1gあたり9Kcalと、三大栄養素の中で最も高いエネルギーを生み出す栄養素です。細胞膜や神経の構成成分で、脂溶性(しようせい)ビタミンの吸収を助ける働きや皮膚、粘膜の健康を保つ働きなどもしています。ただし、摂り過ぎると脂肪として蓄えられるので、注意が必要です。

長ネギに含まれる炭水化物=8.3g(100gあたり)

炭水化物は、体や脳を動かし、生命を維持するエネルギー源として利用される栄養素で、1gあたり約4Kcalを生み出します。糖質と食物繊維を合わせて、炭水化物といいます。

長ネギに含まれる主なミネラル

カリウム=200㎎(100gあたり)

カリウムは、細胞内液に多く、細胞外液に多いナトリウム(主に塩分)と互いに作用しながら細胞の機能を正常に保っています。また、ナトリウムの排出を促し、血圧を下げる作用があるので、高血圧予防に効果的です

【カリウム摂取のコツ】

カリウムは、茹でたり煮たりすると流れ出てしまうので、フルーツのように生で食べられる食品のほうが効率よく摂取できます。

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カルシウム=36㎎(100gあたり)

カルシウムは、体内のミネラルの中で、もっとも多く含まれており、その内99%が骨や歯に存在しています。残りの1%は血液や体液中に含まれています。血液中のカルシウム濃度は一定量に保たれていますが、濃度が下がると骨から溶けだします。

【カルシウム摂取のコツ】

ビタミンDは、カルシウムが骨に吸収されるのを促す働きがあるため、いっしょに摂取すると効果があります。

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マグネシウム=13㎎(100gあたり)

マグネシウムは、体内ではカルシウムと共に約60%が骨に存在していて、残りは筋肉や血液などに含まれており、「カルシウムが骨を形成するのを助ける」「筋肉の収縮を調整」「血圧の上昇を抑える」など、様々な働きをしています。

【マグネシウム摂取のコツ】

玄米や胚芽精米のごはんで、多く摂取することができます。


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鉄=0.3㎎(100gあたり)

体内にある鉄のうち、約70%は血液中に存在し、赤血球のヘモグロビンを構成しています。(ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあります)残りの約30%の鉄は、肝臓・骨髄などに貯蔵されていて、血液中の鉄が不足したときに血液中に出て補給される仕組みになっています。

【鉄 摂取のコツ】

ビタミンCは、鉄の吸収を促すので、いっしょに食べると吸収がよくなります。また、タンパク質も鉄の吸収をよくする成分なので、合わせて食べるとよいです。

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銅=0.04㎎(100gあたり)

体内の銅の約半分は、骨や筋肉、血液中にあります。残りは肝臓などに存在しています。銅は、鉄がヘモグロビンを合成する際に必要なので、不足するとヘモグロビンが作れず、貧血を起こしてしまいます。また、多くの酵素の構成成分でもあります。

【銅 摂取のコツ】

鉄が足りていても、銅が不足していると、ヘモグロビンがうまく合成できません。どちらもしっかりと摂取することが大切です。

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長ネギに含まれる主なビタミン

ビタミンA(β-カロテン当量)=83㎍(100gあたり)

β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれる※カロテノイドの一種で、強力な抗酸化力を持つ栄養素です。体内では必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を発揮します。人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持するために必要不可欠な成分です。

※カロテノイドは、動植物が持つ、自然界に存在する黄色や赤色の色素の総称で、600種類以上存在するといわれています。特徴として強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力に優れています。また、眼病や生活習慣病などをはじめとする疾病の予防に効果的な栄養素として知られています。

【β-カロテン摂取のコツ】

植物性食品に含まれるカロテン類は、油に溶けることで吸収率がアップします。油で炒めたりドレッシングをかけたりするとよいです。

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ビタミンE(α-トコフェロール)=0.2㎎(100gあたり)

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種で、強い抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を抑制し、細胞の老化を防ぎます。毛細血管に働きかけて血行をよくしたり、新陳代謝を促したりする働きもあります。

【ビタミンE摂取のコツ】

ビタミンA・Cを含む食品といっしょに摂取すると、抗酸化作用がさらにアップします。

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ビタミンB10.05㎎(100gあたり)

ビタミンB1は、炭水化物がエネルギーに変わるときに必要な水溶性ビタミンです。不足すると代謝がうまくいかず、乳酸などの疲労物質が蓄積されて、疲労や筋肉痛の原因になります。脳の神経や手足の末梢神経の働きにもかかわってきます。

【ビタミンB1摂取のコツ】

ビタミンB1は、「ニンニク」「ネギ」「タマネギ」「ごぼう」と、いっしょに摂取すると吸収がよくなります。

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葉酸=72㎍(100gあたり)

葉酸は、ビタミンB群の一種で、赤血球の生成を助け造血を促すビタミンです。胎児の細胞を作り出す際にも必要なため、妊娠の前後は多くの葉酸が必要です。

【葉酸 摂取のコツ】

葉酸は光や熱に弱いので、放っておくと酸化してしまいます。新鮮なうちに食べることが一番です。

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ビタミンC=14㎎(100gあたり)

ビタミンCは、コラーゲンというタンパク質を合成する際に関わる、水溶性ビタミンです。コラーゲンは皮膚や骨を強化する働きがあります。また、強い抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えたり、生活習慣病の予防に役立つ働きをしたりします。

【ビタミンC 摂取のコツ】

ビタミンCは、水につけたり茹でたりすると、どんどん失われてしまいます。洗ったり茹でたりは短めにします。ビタミンCは体内に蓄積されないので、毎日補給したい栄養素です。

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関連記事:栄養素ビタミンの働き-主要13種類の特徴-

長ネギの食物繊維

長ネギに含まれる食物繊維=2.5g(100gあたり)

水溶性食物繊維:0.3g
不溶性食物繊維:2.2g

食物繊維は、腸内環境をよくし、生活習慣病を予防します。不足すると便秘になりやすくなります。また、腸内環境が悪化することで血糖値やコレステロール値の上昇などが生じることがあります。

【食物繊維 摂取のコツ】

生のままでは食べきれない量の野菜でも、加熱するとかさが減って食べやすくなります。『※水溶性食物繊維』『※不溶性食物繊維』それぞれの役割があるので、いろいろな食品から摂取するとよいです。

※(水溶性食物繊維の特徴)

  • 人体に有害な物質の吸収を妨げ、便として排出させる。
  • ブドウ糖の吸収速度を遅くし、食後の急激な血糖の上昇を防ぐため、糖尿病の予防効果があります。また、コレステロールの吸収を抑制するため、動脈硬化の予防。ナトリウムを排除して血圧を下げるため、高血圧の予防効果があります。
  • 野菜、芋、豆等に多く含まれます。

※(不溶性食物繊維の特徴)

  • 水に溶けず、水分を吸収してふくれ、腸壁を刺激して便の排泄を促進させるため、便秘の予防になります。
  • 不溶性食物繊維の多い食品はよく噛む必要があるため、食べすぎを防ぎ、歯茎や顎を強くします。
  • 豆類に多く含まれます。

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長ネギのもつ栄養の特徴と使い方
【長ネギの調理の仕方】のまとめ

野菜、果物などに含まれる栄養素で代表的なのが、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらの栄養素は、微量でも他の栄養素を手助けしたり、体の機能を正常に保ったりなど体にとって重要な働きをしています。しかし、体内で合成することができない栄養素は、食品から摂取しなくてはなりません。その食品の中でも野菜、果物が生活習慣病の予防に役立つことは、研究により明らかになっています。いろいろな食品と組み合わせて、体に必要な栄養素をまんべんなく摂取することが大事です。

【野菜の摂取目標】

生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに『野菜類を一日350g以上食べましょう』があります。しかし、厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、野菜類平均摂取量は、『成人男性で約290g』『成人女性で約270g』です。
あと一皿多く野菜を食べることを心がけ、野菜摂取不足を解消させましょう。

≪参考資料≫


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