有機100%配合肥料の特徴と使い方【肥料の上手な施し方】

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使いやすい有機100%の配合肥料!

有機100%の配合肥料は、複数の肥料成分がバランスよく施せるように、数種類の有機質肥料や有機物を配合した使いやすい肥料です。基本的に緩効性の肥料として、各社からさまざまな種類が販売されています。

有機100%の配合肥料の特徴

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商品参考画像=株式会社 東商

有機100%の配合肥料は、いくつかの有機質肥料を混ぜたもの発酵させたもの発酵済みと未発酵の有機質肥料を混ぜたもなど、つくり方が一様ではありません。形状も『粉末』『ペレット状』『粒状』などさまざまで、なかには100%有機物を原料としながら、化学的な加工によって粒状にした化成肥料もあります。


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有機100%の配合肥料の成分

有機100%の配合肥料は、三要素の成分比が製品ごとに異なります。なかには窒素とリン酸だけで、カリを含まないものもあります。製品によって性質は異なりますが、有機物を原料としているため、いずれも土づくりに効果があり、微量要素を含んでいることは共通しています。

※植物の必須要素の一つで、以下に記したものを微量要素といいます。

鉄(Fe)・銅(Cu)・マンガン(Mn)・亜鉛(Zn)・ホウ素(B)・モリブデン(Mo)・塩素(CI)・ニッケル(Ni)

有機100%の配合肥料の使い方

有機100%の配合肥料は、製品ごとに効果も使い方も異なるので、パッケージをよく見て選ぶようにしてください。

有機質肥料は(主に窒素分)は、土壌微生物によって分解されることで、根から吸収できるようになります。土と触れる面積が多くなるように、施したあとは、土とよく混ぜることがポイントです。特に、追肥で使う場合は、分解を早めるために、しっかり混ぜてください。

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肥料の上手な施し方

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画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培

元肥と追肥に分けて施す!

栽培期間中に必要とする肥料の量(全必要量)は、作物ごとに決まっています。これを一度に施すと、肥焼けによって根が傷むうえに、吸収できなかった分が無駄になり、地下水など環境中に流れ出してしまいます。そのため、肥料は元肥追肥に分けて施します。ただし、コマツナやホウレンソウなどの軟弱野菜は、栽培期間が短く、必要とする肥料の量もさほど多くないので、元肥だけで育てるのが一般的です。

元肥の施し方!

元肥は作付前に畑に施します。石灰資材の投入から一週間間をあけ、化学肥料の場合は作付の4~5日前、有機質肥料の場合は1~3週間前に施します。

肥料の施し方には、作物の下に施す『溝施肥』と、畝全体に混ぜ込む『全面施肥』があります。それぞれ向いている作物があるので、使い分けてください。


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単肥の使い方!

三要素(窒素・リン酸・カリ)のうち、窒素とカリは全必要量の半分を元肥で施します。リン酸は、土の中を移動しにくく、追肥で土の表面に施しても根が張っている地中まで届かないので、元肥で全量を施します。この、基本施肥に従って単肥を組み合わせて使うと、必要な施肥が簡単に行えます。

【三要素が等量の化成肥料を使う場合】

必要なリン酸を、三要素等量の化成肥料だけで、賄おうとすると、窒素とカリが多くなりすぎるので、単肥『過リン酸石灰』を併用します。

【有機質肥料を使う場合】

肥料ごとに、含まれる成分と成分量が異なるので、計算をして、必要量を算出し単肥を組み合わせます。

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画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培

追肥の施し方!

作付後、1ヶ月ほどで元肥の肥料効果が切れてくるので、追肥を開始します。追肥は窒素カリを施しますが、作物の様子をみながら、1ヶ月に1回を目安に、作物に合った量の追肥を施していきます。

【化学肥料の追肥】

化学肥料を使うなら、単肥を組み合わせるか、NK化成(窒素とカリのみを含む化成肥料)を使うとよいでしょう。三要素を含む化成肥料も使えますが、その場合、追肥で施したリン酸が効くのは次作以降になります。

【有機質肥料の追肥】

追肥は、早く効果が現れる必要があるので、有機質肥料を使うなら、※ボカシ肥などの発酵済みのものや、発酵鶏ふん、魚かす、草木灰などを利用します。さらに、分解を早めるために、土とよく混ぜることが大切です。

※ボカシ肥=鶏ふんや油粕などの有機物を発酵させて、ガス害などの心配をなくし、早く効くようにした肥料。

【追肥の施す場所】

追肥の施す場所は、根が伸びる先です。地上部の外周あたりまで、根は伸びているので、それを目安に、畝の肩や株間、通路などに施します。マルチを張っているときは、マルチを剥がして畝の肩に施すか、通路に施してください。

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画像出典=畑づくり:ジッチのミニ菜園

まとめ

一口に肥料といっても、様々な種類があり、効果や働きも違います。また、肥料と同じように、作物に欠かせない資材に堆肥があります。どちらも作物を健康に育てるために、土に施すものですが、その働きは違います。

肥料『植物のための食事』として、また、堆肥『植物のためのより良い環境づくり』に役立ちます。ただし、草木や野菜はそれぞれ、『食べたい肥料』『住み着きたい環境』が異なりますので、よく調べて育てることが大事です。

※肥料の使用方法は、植物の生態や栽培環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、事前によく調べる必要があります。

参考:隔月刊|やさい畑|2015秋号|光の家協会 発行


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