硫酸カリはサツマイモに最適な肥料!
硫酸カリは塩化カリよりも高価ですが、畑作物に使用した場合、肥料としての効果が塩化カリより優れているため、※篤農家での使用が多い単肥の肥料です。
※カリ肥料には、他に塩化カリ(塩加)もありますが、塩化カリをジャガイモやサツマイモに使うと、繊維状の組織が強化され筋っぽくなり食感に影響してしまいます。そのため、これらの作物専用に硫酸カリを配合したものも市販されています。
※篤農家(とくのうか)=熱心で,研究心に富んだ農業家
参考資料=http://www.geocities.jp/morio_ahoo/
硫酸カリ(硫 加)肥料の特徴
【硫酸カリ 肥料 成分】
- 窒 素(N)= 0
- リン酸(P)= 0
- カ リ(K)=50
硫酸カリは、化学肥料の一種で、化成肥料や配合肥料の原料にも用いられています。
硫酸カリは、水に溶けやすいカリを50%ほど含む、速効性の単肥・カリ肥料です。水に溶けたカリは、土壌にも多少は保持されるので、追肥だけでなく、元肥にも利用できます。
※カリが作物に吸収されると、副成分の硫酸が残り、土壌を酸性にする性質があるので、土壌の㏗には、注意が必要です。
硫酸カリ 肥料の使い方
商品参考画像=朝日工業株式会社
硫酸カリは、『窒素肥料の硫安』と『リン酸肥料の過リン酸石灰』と合わせて、元肥に利用できます。また、硫安と組み合わせて追肥としても利用できます。
※三要素等量の化成肥料は便利ですが、追肥に使うと、リン酸の効果が出るのは次作になってしまいます。速効性のある単肥を組み合わせて使う方が合理的です。
硫酸カリは水で100~200倍(水1ℓに対し硫酸カリ5~10g)に薄めて、液肥にすることもできます。果菜類などの追肥に使うと、すぐに効果が現れます。
硫酸カリは、肥料成分量が多く、効果が現れるのも早いため、少し多く施しただけで、過剰施肥になりがちです。施しすぎると肥焼けを起こすほか、マグネシウムとカルシウムの吸収が妨げられるので、注意してください。
適正な土壌pH
作物の生育には、それぞれ適したpHがありますが、ほとんどの野菜はpH6.0~6.5 の 弱酸性を好みます。ただし、ホウレンソウは、pH6.3~7.0 とやや高め、ジャガイモはやや低いpHを好みます。
適正ph | 品 目 名 |
6.3~7.0 | ホウレンソウ・エンドウ など |
6.0~6.5 | リーフレタス・コマツナ・ミズナ・ネギ・シュンギク など多くの野菜 |
5.5~6.0 | ジャガイモ・ニンニク など |
【適正phでないとどうなる?】
一般的に、pHが 5.0 を下回るような低pHの土壌では、カリウム、マグネシウム(苦土)、カルシウム(石灰)などの欠乏症(下葉枯れなど)を起こしやすくなります。反対に、pHが 8.0 を超えるような高pHの土壌では、鉄、マンガン、亜鉛などの微量要素欠乏(葉 色が淡くまだらになるなど)の症状を起こしやすくなります。
ホウレンソウをpHが低い(概ね 5.5 以下)土壌で栽培すると、発芽はしますが 大きくならず黄化します。一方、ジャガイモをpH6.0 を超えるような高いpHの土壌で 栽培すると、「そうか病」の発生を助長しますので、それぞれの野菜に合った土壌で栽培 することが重要です。
参考引用:http://www.pref.fukuoka.lg.jp/
肥料の上手な施し方
画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培
元肥と追肥に分けて施す!
栽培期間中に必要とする肥料の量(全必要量)は、作物ごとに決まっています。これを一度に施すと、肥焼けによって根が傷むうえに、吸収できなかった分が無駄になり、地下水など環境中に流れ出してしまいます。そのため、肥料は元肥と追肥に分けて施します。ただし、コマツナやホウレンソウなどの軟弱野菜は、栽培期間が短く、必要とする肥料の量もさほど多くないので、元肥だけで育てるのが一般的です。
元肥の施し方!
元肥は作付前に畑に施します。石灰資材の投入から一週間間をあけ、化学肥料の場合は作付の4~5日前、有機質肥料の場合は1~3週間前に施します。
肥料の施し方には、作物の下に施す『溝施肥』と、畝全体に混ぜ込む『全面施肥』があります。それぞれ向いている作物があるので、使い分けてください。
単肥の使い方!
三要素(窒素・リン酸・カリ)のうち、窒素とカリは全必要量の半分を元肥で施します。リン酸は、土の中を移動しにくく、追肥で土の表面に施しても根が張っている地中まで届かないので、元肥で全量を施します。この、基本施肥に従って単肥を組み合わせて使うと、必要な施肥が簡単に行えます。
【三要素が等量の化成肥料を使う場合】
必要なリン酸を、三要素等量の化成肥料だけで、賄おうとすると、窒素とカリが多くなりすぎるので、単肥『過リン酸石灰』を併用します。
【有機質肥料を使う場合】
肥料ごとに、含まれる成分と成分量が異なるので、計算をして、必要量を算出し単肥を組み合わせます。
画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培
追肥の施し方!
作付後、1ヶ月ほどで元肥の肥料効果が切れてくるので、追肥を開始します。追肥は窒素とカリを施しますが、作物の様子をみながら、1ヶ月に1回を目安に、作物に合った量の追肥を施していきます。
【化学肥料の追肥】
化学肥料を使うなら、単肥を組み合わせるか、NK化成(窒素とカリのみを含む化成肥料)を使うとよいでしょう。三要素を含む化成肥料も使えますが、その場合、追肥で施したリン酸が効くのは次作以降になります。
【有機質肥料の追肥】
追肥は、早く効果が現れる必要があるので、有機質肥料を使うなら、※ボカシ肥などの発酵済みのものや、発酵鶏ふん、魚かす、草木灰などを利用します。さらに、分解を早めるために、土とよく混ぜることが大切です。
※ボカシ肥=鶏ふんや油粕などの有機物を発酵させて、ガス害などの心配をなくし、早く効くようにした肥料。
【追肥の施す場所】
追肥の施す場所は、根が伸びる先です。地上部の外周あたりまで、根は伸びているので、それを目安に、畝の肩や株間、通路などに施します。マルチを張っているときは、マルチを剥がして畝の肩に施すか、通路に施してください。
画像出典=畑づくり:ジッチのミニ菜園
まとめ
一口に肥料といっても、様々な種類があり、効果や働きも違います。また、肥料と同じように、作物に欠かせない資材に堆肥があります。どちらも作物を健康に育てるために、土に施すものですが、その働きは違います。
肥料は『植物のための食事』として、また、堆肥は『植物のためのより良い環境づくり』に役立ちます。ただし、草木や野菜はそれぞれ、『食べたい肥料』や『住み着きたい環境』が異なりますので、よく調べて育てることが大事です。
※肥料の使用方法は、植物の生態や栽培環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、事前によく調べる必要があります。
参考:隔月刊|やさい畑|2015秋号|光の家協会 発行
コメント
硫酸加里を近所の農協で購入しました。今年は サツマイモを作付けしました。追肥として 今からでも使用していいか?サツマイモの収穫は 12月ごろと聞いていますが。
コメントありがとうございます。
当サイト本文中には明記していませんが、さつまいもは、基本的に元肥で十分育つ作物です。よって追肥はおすすめできません。
ただ、生育が悪いと感じた時は、硫酸カリを水で100~200倍(水1ℓに対し硫酸カリ5~10g)に薄めて、液肥にするとよいでしょう。
当然ながら、自然相手の作物づくりなので、100%大丈夫というアドバイスではありません。他のサイト等も参考にして頂ければと思います。
納得できるような返答が出来ず申し訳ございません。
吉ケ島 様のサツマイモが美味しいものになるよう祈っています。
以上、返答とさせていただきます。
追伸、当サイトは、詳しい栽培方法や病気等について、栽培環境により異なる場合もあり、ご案内していません。ご了承ください。
いちごの元肥に硫酸カリだけを考えています。気をつけるところを、教えてください。
コメントありがとうございます。
大変申し訳ございません。イチゴ栽培には、詳しくなく返答できません。
参考までに左記サイト(https://www.jpsik.com/wp-content/uploads/2017/03/new200908.pdf)を参考にしてみてはいかがでしょうか。
三好様の育てる いちごが美味しく実ることを祈っています。
返信が遅くなり、重ねてお詫び申し上げます。