キュウリの栄養価を知ってさらに美味しく!
キュウリは水分が多く、栄養面では低く見られがちですが、抗酸化力のあるビタミンCや利尿作用のあるカリウムが豊富に含まれ、さらに皮部分にはβ-カロテンも含まれています。
カリウムは、むくみやだるさの改善に効果があります。また、体内に蓄積された余分な塩分(ナトリウム)を排出してくれる働きがあるので、血圧の安定にも役立ちます。
カリウムは生食で多く摂取できる栄養素です。キュウリは生で食べることが多いので、カリウムを効率的に摂取できます。
※紹介している「キュウリ」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。
目次
キュウリの栄養と食べ方
キュウリは夏が旬のウリ科の野菜。
爽やかな香りと歯触りは、サラダや和え物、漬物に最適な生食野菜の代表的な存在です。
ただし、キュウリにはビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれているので、ビタミンCの多いほかの食材と合わせるときは「お酢」を加えるか、加熱処理するといいでしょう。また、濃い緑の皮にはβ-カロテンが多く含まれているので、できるだけ皮を剥かずに調理するのがおすすめです。
キュウリおすすめの食べ方
≪夏バテ予防に!≫
トマトやナスなどの夏野菜には体を自然にクールダウンさせる作用がありますが、キュウリもその一つです。
生姜やニンニクが体を温める野菜なのに対して、夏のキュウリは体を冷やす野菜です。
キュウリの、すがすがしい味わいや食感は、暑気払いにおすすめです。
≪冬は加熱調理がおすすめ!≫
体を冷やすキュウリも、加熱するとその性質は変わります。
寒い冬なら、炒めたり煮込んスープ料理にして、生姜やニンニクなどを加えれば、冷やす働きは打ち消されます。免疫力維持にも有効です。
≪二日酔い対策にも!≫
キュウリは、お酒をよく飲む人に食べてほしい野菜でもあります。
冒頭でも記したように、キュウリはカリウムを多く含むため、利尿作用が期待できるし、90%以上は水分なので、アルコール分解で不足しがちな水分を補えます。
【栄養に関する資料参考書籍】
- 株式会社宝島社:体に効く!野菜の新図鑑
- 株式会社マガジンハウス:体に効く 野菜の大百科
キュウリは漬物にして美味しさアップ!
塩漬けや醤油漬けにしたものは、塩気がある分、非常に美味しくなり食欲増進に働きます。
ぬか漬けにすると、キュウリには含まれていない「ぬか」の栄養素ビタミンB1・B6が浸透して栄養価がアップします。また、腸内環境を整える乳酸菌も摂ることができます。
ただし、漬物にすると、ナトリウム(塩分)が、かなり多くなるなるので、食べ過ぎには要注意です。
ナトリウム摂取について=食塩相当量・ナトリウム|栄養成分百科|グリコ
【美味しいキュウリの漬物の作り方参考動画】
下記に紹介している動画(前半の11分40秒は、キュウリ栽培について)の「塩蔵キュウリの醤油漬け」と「キュウリの中華漬け」は、おすすめかと思います。
キュウリ(生・塩漬け・ぬかみそ漬け)の栄養素・成分値
(可食部100gあたり)
キュウリ
|
生 | 塩漬け | ぬかみそ漬け | |
エネルギー(kcal) | 14 | 16 | 27 |
水分(ℊ) | 95.4 | 92.1 | 85.6 |
たんぱく質(g) | 1.0 | 1.0 | 1.5 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
炭水化物(g) | 3.0 | 3.7 | 6.2 |
水溶性食物繊維(g) | 0.2 | 0.3 | 0.4 |
不溶性食物繊維(g) | 0.9 | 1.0 | 1.1 |
キュウリ
|
生 | 塩漬け | ぬかみそ漬け | |
ナトリウム(㎎) | 1 | 1000 | 2100 |
カリウム(㎎) | 200 | 220 | 610 |
カルシウム(㎎) | 26 | 26 | 22 |
マグネシウム(㎎) | 15 | 15 | 48 |
リン(㎎) | 36 | 38 | 88 |
鉄(㎎) | 0.3 | 0.2 | 0.3 |
亜鉛(㎎) | 0.2 | 0.2 | 0.2 |
銅(㎎) | 0.11 | 0.07 | 0.11 |
マンガン(㎎) | 0.07 | 0.07 | 0.14 |
ヨウ素(㎍) | 1 | ―(未測定) | 1 |
セレン(㎍) | 1 | ―(未測定) | 1 |
クロム(㎍) | 1 | ―(未測定) | 1 |
モリブデン(㎍) | 4 | ―(未測定) | 7 |
キュウリ
|
生 | 塩漬け | ぬかみそ漬け | |
ビタミンA(㎍) (β-カロテン当量) |
330 | 210 | 210 |
ビタミンD(㎍) | ※1推定値0 | ※1推定値0 | ※1推定値0 |
ビタミンE(㎎) (α-トコフェロール) |
0.3 | 0.3 | 0.2 |
ビタミンK(㎍) | 34 | 46 | 110 |
ビタミンB1(㎎) | 0.03 | 0.02 | 0.26 |
ビタミンB2(㎎) | 0.03 | 0.03 | 0.05 |
ナイアシン(㎎) | 0.2 | 0.2 | 1.6 |
ビタミンB6(㎎) | 0.05 | 0.06 | 0.20 |
ビタミンB12(㎍) | ※1推定値0 | ※1推定値0 | 0 |
葉酸(㎍) | 25 | 28 | 22 |
パントテン酸(㎎) | 0.33 | 0.34 | 0.93 |
ビオチン(㎍) | 1.4 | ―(未測定) | 1.2 |
ビタミンC(㎎) | 14 | 11 | 22 |
食塩相当量(g) | 0 | 2.5 | 5.3 |
成分、数値は日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
※1=食品成分表の最小記載量の1/10未満、(ヨウ素、セレン、クロムおよびモリブデンは 3/10、ビオチンは4/10)または検出されなかったことを示す。
(文献等により含まれていないと推定される成分については測定していない場合が多い。しかし、何らかの数値を示して欲しいとの要望も強いことから、推定値として「0」と表示。)
キュウリは意外に栄養あり!
【キュウリの生と漬物の栄養比較】のまとめ
キュウリは、ほうれん草やニンジンのように栄養価の高い食材とは見られませんが、安価で手軽に食べられる野菜として昔から親しまれています。また、キュウリの漬物は日本の食卓には欠かせないものです。
ただし、キュウリは味が淡泊なだけに、味付けに使う醤油や塩を多く摂り過ぎる食材でもあります。体内の塩分調節に働くカリウムを多く含むキュウリですが、塩分過多になりやすい味付けには要注意です。