栄養価の高いパセリを美味しく食べる方法

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パセリのもつ栄養の特徴と苦いパセリを美味しくする方法を紹介!

パセリは食べ残される、付け合わせ野菜のイメージがありますが、栄養価は抜群に高く、食べ残すともったいない食材です。
パセリの栄養や効果・効能について、また料理のチョットしたヒントを知ることで、積極的に、美味しく頂くことができます。

一読いただき、健康増進の参考になれば幸いです。

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※紹介している「パセリ」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。

パセリの健康効果と美味しくなる食べ方

野菜の中でも栄養素の含有量がトップクラスパセリは、健康維持や美容など様々な働きを持っています。
特にβ-カロテンやビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄を豊富に含んでおり、サラダやスープ、野菜ジュースなど、日々の食卓にプラスするだけで、健康増進につながります。

【パセリは口臭予防や食中毒予防に効果的】

パセリに含まれる香り成分のアピオールは、食欲を増進させる効果がある一方、食中毒の予防や、口臭の予防効果があるといわれています。また、パセリに含まれるフラボノイド類には強力な殺菌作用があるため、料理やお弁当などに添えることで食中毒の予防などに働きます。

【パセリの主な効果】

  • 免疫力アップ
  • 風邪などの感染症予防
  • 抗酸化作用
  • 高血圧予防
  • 食欲増進
  • 口臭予防
  • 食中毒予防

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日本のパセリは苦い!

日本でパセリといえば、葉の縮れた種類(縮葉種)モスカールドパセリが主流ですが、原産地である地中海沿岸では、真っすぐな葉の種類(平葉種)イタリアンパセリが一般的です。

モスカールドパセリ(Moss Curled Parsley)

日本でパセリといえば、葉の縮れたモジャモジャしたパセリです。
主に小葉や小葉に近い細い部分の葉柄が食べられます。メイン料理などの、つけ合わせとしてチョコッと使う野菜ですが、苦味があり、お皿に残りがちです。

イタリアンパセリ(Plain Leaved Parsley)

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フレンチパセリとも呼ばれています。モスカールドパセリと異なり葉が真っすぐです。
現在では日本にも普及しており、目にする機会が増えてきました。モスカールドパセリ同様、小葉や小葉に近い細い部分の葉柄が食べられます。
モスカールドパセリと、葉の形状が違う分、食感が異なります。また、イタリアンパセリは香りも味も癖が少なく食べやすいのが特徴です。ただ、癖が少ないとはいえ、香りは高いのでハーブとしての存在感がしっかりとした野菜です。
欧米では、煮込み料理やオーブン料理にも幅広く使われています。特にイタリアでは「プレッツェモーロ」と呼ばれ親しまれています。

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苦いパセリを美味しくする方法

モジャモジャパセリを美味しくする!

欧米ではパセリをよく使い、80%以上の人がパセリが好きと答えるようです。しかし、日本ではどうか? 日本でパセリが好きと答える人が80%もいるでしょうか。これは、パセリの品種に違いがあるからです。欧米の言うパセリは『イタリアンパセリ(葉が真っすぐで平)』です。日本で馴染みのパセリモスカールドパセリ(葉が縮れてモジャモジャ)で、見た目も味も全然違います。

なぜ日本で馴染みのモジャモジャパセリは美味しくないのか?

モジャモジャパセリマズい一番の原因は強力な弾力です。この弾力が、硬くパサパサしたマズい食感にしています。元々、モジャモジャパセリもイタリアンパセリと同様に甘味やうま味を持っているのですが、あまりに食感が悪いので、脳にある味覚野がマズいと判断してしまうようです。

モジャモジャパセリを美味しくする調理法!

モジャモジャパセリを水につけることで、少しは食感がよくなるようですが、最も簡単で美味しくできる方法は、30秒間フライパンで加熱する方法です
加熱することで、モジャモジャパセリの細胞がつぶれて、イタリアンパセリのように柔らかい食感になり、うま味が感じやすくなります。

【モジャモジャパセリの調理法】

  1. フライパンを1分間予熱します。
  2. モジャモジャパセリを入れて蓋をします。
  3. 強火で30秒間、加熱して完成です。

いままで、飾り物だったモジャモジャパセリが美味しい食材として野菜の仲間入りをしたような感動の味を楽しめます。

【調理参考:NHKためしてガッテン】

パセリの旬と保存方法

パセリは一年を通して収穫されますが、春から初夏にかけてが旬といわれています。
特に春のパセリは香りが高く、葉がやわらかく良質なものが多いです。

縮葉種は、夏場になると、葉の縮れが大きくなり、硬く苦みの強いものが出回るようになります

保存方法

パセリは、暑さや乾燥に弱いため、ポリ袋などに入れるか、水にさして冷蔵庫に入れておくと長持ちします。使い切れなかったパセリは、みじん切りにして乾燥させるか冷凍して保存すると長持ちします。キッチンペーパーの上にパセリを広げて、電子レンジで乾燥させると簡単につくることができます。

よく目にする瓶入りの乾燥パセリも常温では変色しやすいので、冷蔵庫や冷凍庫で保存すると色が長持ちします。

パセリ 栄養成分(可食部100gあたり)

パセリの総カロリー=43Kcal

【体に必要な三大栄養素】

パセリに含まれるタンパク質=4.0g(100gあたり)

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚など、体の組織のほぼ全てをつくる主要な成分であり、また、エネルギー源としても、1gあたり約4Kcalを生み出します。酸素・ホルモン・免疫抗体の材料、栄養運搬物質などとしての役割を担う重要な栄養素です。

パセリに含まれる脂質=0.7g(100gあたり)

脂質は、1gあたり9Kcalと、三大栄養素の中で最も高いエネルギーを生み出す栄養素です。細胞膜や神経の構成成分で、脂溶性(しようせい)ビタミンの吸収を助ける働きや皮膚、粘膜の健康を保つ働きなどもしています。ただし、摂り過ぎると脂肪として蓄えられるので、注意が必要です。

パセリに含まれる炭水化物=7.8(100gあたり)

炭水化物は、体や脳を動かし、生命を維持するエネルギー源として利用される栄養素で、1gあたり約4Kcalを生み出します。糖質と食物繊維を合わせて、炭水化物といいます。

パセリのミネラル

カリウム=1000㎎(100gあたり)

カリウムは、細胞内液に多く、細胞外液に多いナトリウム(主に塩分)と互いに作用しながら細胞の機能を正常に保っています。また、ナトリウムの排出を促し、血圧を下げる作用があるので、高血圧予防に効果的です

【カリウム摂取のコツ】

カリウムは、茹でたり煮たりすると流れ出てしまうので、フルーツのように生で食べられる食品のほうが効率よく摂取できます。

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カルシウム=290㎎(100gあたり)

カルシウムは、体内のミネラルの中で、もっとも多く含まれており、その内99%が骨や歯に存在しています。残りの1%は血液や体液中に含まれています。血液中のカルシウム濃度は一定量に保たれていますが、濃度が下がると骨から溶けだします。

【カルシウム摂取のコツ】


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ビタミンDは、カルシウムが骨に吸収されるのを促す働きがあるため、いっしょに摂取すると効果があります。

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マグネシウム=42㎎(100gあたり)

マグネシウムは、体内ではカルシウムと共に約60%が骨に存在していて、残りは筋肉や血液などに含まれており、「カルシウムが骨を形成するのを助ける」「筋肉の収縮を調整」「血圧の上昇を抑える」など、様々な働きをしています。

【マグネシウム摂取のコツ】

玄米や胚芽精米のごはんで、多く摂取することができます。

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鉄=7.5㎎(100gあたり)

体内にある鉄のうち、約70%は血液中に存在し、赤血球のヘモグロビンを構成しています。(ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあります)残りの約30%の鉄は、肝臓・骨髄などに貯蔵されていて、血液中の鉄が不足したときに血液中に出て補給される仕組みになっています。

【鉄 摂取のコツ】

ビタミンCは、鉄の吸収を促すので、いっしょに食べると吸収がよくなります。また、タンパク質も鉄の吸収をよくする成分なので、合わせて食べるとよいです。

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銅=0.16㎎(100gあたり)

体内の銅の約半分は、骨や筋肉、血液中にあります。残りは肝臓などに存在しています。銅は、鉄がヘモグロビンを合成する際に必要なので、不足するとヘモグロビンが作れず、貧血を起こしてしまいます。また、多くの酵素の構成成分でもあります。

【銅 摂取のコツ】

鉄が足りていても、銅が不足していると、ヘモグロビンがうまく合成できません。どちらもしっかりと摂取することが大切です。

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パセリのビタミン

ビタミンA(β-カロテン当量)=7400㎍(100gあたり)

β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれる※カロテノイドの一種で、強力な抗酸化力を持つ栄養素です。体内では必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を発揮します。人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持するために必要不可欠な成分です。

※カロテノイドは、動植物が持つ、自然界に存在する黄色や赤色の色素の総称で、600種類以上存在するといわれています。特徴として強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力に優れています。また、眼病や生活習慣病などをはじめとする疾病の予防に効果的な栄養素として知られています。

【β-カロテン摂取のコツ】

植物性食品に含まれるカロテン類は、油に溶けることで吸収率がアップします。油で炒めたりドレッシングをかけたりするとよいです。

ビタミンAが不足すると?【ビタミンの働きと食材からの摂取ポイント】
ビタミンAは粘膜を保護して免疫機能を高める! ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保って免疫機能を維持したり、視力を正常にするなどの働きが...

ビタミンE(α-トコフェロール)=3.3㎎(100gあたり)

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種で、強い抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を抑制し、細胞の老化を防ぎます。毛細血管に働きかけて血行をよくしたり、新陳代謝を促したりする働きもあります。

【ビタミンE摂取のコツ】

ビタミンA・Cを含む食品といっしょに摂取すると、抗酸化作用がさらにアップします。

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ビタミンB10.12㎎(100gあたり)

ビタミンB1は、炭水化物がエネルギーに変わるときに必要な水溶性ビタミンです。不足すると代謝がうまくいかず、乳酸などの疲労物質が蓄積されて、疲労や筋肉痛の原因になります。脳の神経や手足の末梢神経の働きにもかかわってきます。

【ビタミンB1摂取のコツ】

ビタミンB1は、「ニンニク」「ネギ」「タマネギ」「ニラ」と、いっしょに摂取すると吸収がよくなります。

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葉酸=220㎍(100gあたり)

葉酸は、ビタミンB群の一種で、赤血球の生成を助け造血を促すビタミンです。胎児の細胞を作り出す際にも必要なため、妊娠の前後は多くの葉酸が必要です。

【葉酸 摂取のコツ】

葉酸は光や熱に弱いので、放っておくと酸化してしまいます。新鮮なうちに食べることが一番です。

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葉酸は胎児の発育や造血に不可欠! 葉酸は、妊娠中や授乳中に、また健康な血液をつくるために、欠かせない栄養素として知られていますが、現在...

ビタミンC=120㎎(100gあたり)

ビタミンC は、コラーゲンというタンパク質を合成する際に関わる、水溶性ビタミンです。コラーゲンは皮膚や骨を強化する働きがあります。また、強い抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えたり、生活習慣病の予防に役立つ働きをしたりします。

【ビタミンC 摂取のコツ】

ビタミンCは、水につけたり茹でたりすると、どんどん失われてしまいます。洗ったり茹でたりは短めにします。ビタミンCは体内に蓄積されないので、毎日補給したい栄養素です。

ビタミンCが不足すると?【ビタミンの働きと食材からの摂取ポイント】
ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠! ビタミンCの働きで重要なのが、タンパク質からコラーゲンを合成することです。 コラーゲンは、皮...

関連記事:栄養素ビタミンの働き-主要13種類の特徴-

パセリの食物繊維

パセリに含まれる食物繊維=6.8g(100gあたり)

水溶性食物繊維:0.6g
不溶性食物繊維:6.2g

食物繊維は、腸内環境をよくし、生活習慣病を予防します。不足すると便秘になりやすくなります。また、腸内環境が悪化することで血糖値やコレステロール値の上昇などが生じることがあります。

【食物繊維 摂取のコツ】

生のままでは食べきれない量の野菜でも、加熱するとかさが減って食べやすくなります。『※水溶性食物繊維』『※不溶性食物繊維』それぞれの役割があるので、いろいろな食品から摂取するとよいです。

※(水溶性食物繊維の特徴)

  • 人体に有害な物質の吸収を妨げ、便として排出させる。
  • ブドウ糖の吸収速度を遅くし、食後の急激な血糖の上昇を防ぐため、糖尿病の予防効果があります。また、コレステロールの吸収を抑制するため、動脈硬化の予防。ナトリウムを排除して血圧を下げるため、高血圧の予防効果があります。
  • 野菜、芋、豆等に多く含まれます。

※(不溶性食物繊維の特徴)

  • 水に溶けず、水分を吸収してふくれ、腸壁を刺激して便の排泄を促進させるため、便秘の予防になります。
  • 不溶性食物繊維の多い食品はよく噛む必要があるため、食べすぎを防ぎ、歯茎や顎を強くします。
  • 豆類に多く含まれます。

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栄養価の高いパセリを美味しく食べる方法のまとめ

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野菜、果物などに含まれる栄養素で代表的なのが、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらの栄養素は、微量でも他の栄養素を手助けしたり、体の機能を正常に保ったりなど体にとって重要な働きをしています。しかし、体内で合成することができない栄養素は、食品から摂取しなくてはなりません。その食品の中でも野菜、果物が生活習慣病の予防に役立つことは、研究により明らかになっています。いろいろな食品と組み合わせて、体に必要な栄養素をまんべんなく摂取することが大事です。

【野菜の摂取目標】

生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに『野菜類を一日350g以上食べましょう』があります。しかし、厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、野菜類平均摂取量は、『成人男性で約290g』『成人女性で約270g』です。
あと一皿多く野菜を食べることを心がけ、野菜摂取不足を解消させましょう。

≪参考資料≫


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