カルシウムが不足すると?【ミネラルの働きと食材からの摂取ポイント】

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カルシウムは骨や歯をつくりイライラを解消するミネラル!

カルシウムは、骨や歯の主成分になります。子供の成長や発育に欠かせない栄養素で、高齢者も骨粗しょう症を防ぐ意味で重要なミネラルです。何気なく、サプリメントで補給する人もいますが、カルシウムの特徴を理解することも大事です。

当サイトが、食事やサプリメントでのカルシウムの栄養補給の参考に、また日々の当たり前の健康を維持するための参考に一読いただければ幸いです。

カルシウムが不足すると?

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【カルシウム-おすすめの人】
骨密度が低い・成長期の子供・妊娠中や授乳中・イライラしやすい

血液中に存在するカルシウムは、濃度を一定に保つため、骨からカルシウムが血液中に放出されます。従って、慢性的なカルシウム不足が続けば続くほど骨がスカスカになり、骨粗しょう症を招くことになります。また、体がだるくなったり、イライラなどの症状も起こります。

【カルシウムはビタミンDが不可欠】

カルシウムの摂取不足自体も心配されますが、ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収・利用が悪くなり、欠乏症状を起こしやすくなります。
カルシウムの利用率を高めるにはビタミンDは必要不可欠です。

【カルシウムの欠乏症状】

  • 十分に成長しない。
  • 骨・歯が弱くなる。
  • 神経過敏となる。

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カルシウムの特徴

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カルシウムは骨の強化だけではない!

成人の体内には、標準体重で約1㎏のカルシウムがあります。その内、99%は貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、筋肉を収縮させたり、精神を安定させます。

【カルシウムの主な働き/作用】

  • 骨や歯の材料となり、骨粗しょう症を予防する。
  • 血液中に存在し、筋肉を収縮させたり、イライラを抑える。
  • ビタミンDやタンパク質を合わせると、骨に沈着しやすくなる。

カルシウムの吸収率は条件で変わる!

カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素のひとつです。一緒に食べる食材や体調など、様々な要素によって吸収率が左右されます。
カルシウムの含有量から食材を選ぶことも大事ですが、吸収率の高い食材や食べ合わせを選び、効率よく摂取することも大事です。

【食品によるカルシウム吸収率の違い】

  • 牛乳→約40%
  • 小魚→約30%
  • 野菜→約20%(シュウ酸が多い野菜の場合)

カルシウムを含む食材と調理法

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【カルシウムを含む動物性食品】

カルシウムは、主に動物性の食品に含まれ、特に牛乳チーズヨーグルトなどの乳製品に豊富です。また、骨を含めて丸ごと食べられる、真いわしの丸干しなどの小魚にも豊富です。
いかなごの煮干しつくだ煮桜海老しらす干しなどにも多く含まれます。
貝類ではハマグリに比較的豊富です。

【カルシウムを含む植物性食品】

植物性食品では、青菜類に多く含まれます。特にモロヘイヤ大根の葉などには豊富です。大豆製品にも多く、厚揚げ木綿豆腐はよいカルシウム供給源となります。
乾物は成分が凝縮されているため、カルシウムが豊富です。切り干し大根ひじきこんぶ高野豆腐などに多く含まれています。


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カルシウムを多く含む食材と摂取基準

(参考食材)カルシウム 可食部100g当たり成分値(㎎)
乳 類(㎎) 魚介 類(㎎)
普通牛乳 110 真いわし 丸干し 440
低脂肪牛乳 130 桜えび(茹で) 690
プロセスチーズ 630 しらす干し 微乾燥品 210
カマンベールチーズ 460 乾燥わかめ(素干/水戻) 130
チーズスプレッド 460 あゆ養殖(焼き) 450
ヨーグルト低脂肪無糖 130 はまぐり(焼き) 140
プレーンヨーグルト 120 いかなご煮干し 740
根菜 類(㎎) 大豆製品 類(㎎)
大根の葉(茹で) 220 がんもどき 270
モロヘイヤ(茹で) 170 厚揚げ 240
ルッコラ(生) 170 高野豆腐(水煮) 150
小松菜(茹で) 150 糸引き納豆 90
春菊(茹で) 120 木綿豆腐 86
ほうれん草(茹で) 69 国産 黄大豆(茹で) 79
  • 加熱調理などにより成分値は変化します。
  • 成分値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によるものです。これ以前の日本食品標準成分表と異なる場合があります。

カルシウム-年齢別一日の食事摂取基準(㎎/日)

年齢 推奨量(㎎) 耐容上限量(㎎)
男 性 女 性 男 性 女 性
0~ 5(月) 200(目安量) 200(目安量)
6~11(月) 250(目安量) 250(目安量)
1~2(歳) 450 400
3~5(歳) 600 550
6~7(歳) 600 550
8~9(歳) 650 750
10~11(歳) 700 750
12~14(歳) 1000 800
15~17(歳) 800 650
18~29(歳) 800 650 2500 2500
30~49(歳) 650 650 2500 2500
50~69(歳) 700 650 2500 2500
70以上(歳) 700 650 2500 2500
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)

参考=日本食品標準成分表2015年版(七訂)

  • 【推奨量】=ほとんどの日本人が1日の必要量を満たすと推定される摂取量。
  • 【目安量】=十分な科学的根拠が得られず、設定した摂取量ですが、一定の栄養状態を維持するのに十分な量であ り、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
  • 【耐容上限量】=過剰摂取による健康障害の回避を目的として、設定された摂取量。
    カルシウムの耐容上限量は18歳以上から設定されています。

【カルシウム-摂取の注意点】

カルシウムの利用率を高めるにはビタミンDは必要不可欠です。ただし、カルシウムを骨に沈着させるビタミンDを過剰に摂り過ぎて、カルシウムの吸収量が極端に増えると、『高カルシウム血症』起こし、血管壁や肺、腎臓などにカルシウムが沈着し、動脈硬化を招く場合もあります。

カルシウム自体は、摂り過ぎた分が過剰に吸収されることはなく、通常の食事で摂り過ぎる心配はありませが、ビタミンD とカルシウムは耐容上限量が設定されています。サプリメントなどで過剰に摂り過ぎないよう注意してください。

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カルシウムを効率よく摂取する調理法

calcium-5画像出典:宗像伸子のおいしくたっぷり カルシウム・クッキング

煮汁ごと食べてカルシウム摂取!

カルシウムは、下準備などで水に長くつけると溶け出してしまいます。手早く調理して、煮汁も調理に利用しましょう。
カルシウムの豊富な牛乳は、加熱しても栄養素が壊れにくいため、シチューやグラタンなどにおすすめです。

マグネシウムと合わせて利用率を高める!

マグネシウムは、カルシウムとの関係が深く、筋肉細胞の中に入り込むカルシウムの量を調節して、筋肉の収縮を促します。このとき、マグネシウムが不足すると、カルシウムが筋肉細胞に入り過ぎて、痙攣(けいれん)や震えを起こしてしまいます。

カルシウムを摂れば摂るほど、マグネシウムも消費されます。理想的な摂取バランスは“カルシウム2に対してマグネシウム1くらいとされています。

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キュレート作用のあるクエン酸で吸収アップ!

レモンなどに豊富なクエン酸には、ミネラルなど吸収率の低い栄養素と一緒に摂ると、吸収しやすい状態に変化させる『キュレート作用』があります。ですから、カルシウムを含む野菜や小魚などを食べるときは、クエン酸を含むレモン汁を搾ったり、お酢をかけるとキュレート作用によりカルシウムの吸収率がアップします。

【クエン酸が豊富な食材】=レモン・グレープフルーツ・梅干し・酢など

カルシウムが不足すると?
【ミネラルの働きと食材からの摂取ポイント】のまとめ

野菜、果物などに含まれる栄養素で代表的なのが、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらの栄養素は、微量でも他の栄養素を手助けしたり、体の機能を正常に保ったりなど体にとって重要な働きをしており、カルシウムもその一つです。
カルシウムだけで健康な体はつくれません。まんべんなく、いろいろな食材から栄養を摂ることが大事です。

  • 参考=文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  • 参考=発行所:株式会社 永岡書店:図解でわかる!からだにいい食事と栄養の教科書
  • 参考=発行所:高橋書店/あたらしい栄養学
  • 参考=発行所:株式会社 学研プラス/知っておきたい栄養学

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