ビタミンDは太陽光でつくられる!
ビタミンDが不足すると、カルシウムが骨にスムーズに沈着されず、骨がもろくなってしまいます。太陽の光をあまり浴びない人は、ビタミンDが不足しがちになります。何気なく、サプリメントで補給する人もいますが、ビタミンDの特徴を理解することも大事です。
当サイトを一読いただき、日々忙しい人の栄養補給の参考になれば幸いです。
目次
ビタミンDが不足すると?
【ビタミンDが不足しがちな人】 |
お酒好き・喫煙者・高齢者・菜食主義者・太陽にあたる時間が少ない |
ビタミンDが不足すると、子供は「くる病」という背中が曲がる病気や「O脚・X脚」になりやすくなります。また、妊婦や授乳婦は骨がもろくなる「骨軟化症」のリスクが高くなります。
【ビタミンDの働き】
骨の形成はカルシウムとビタミンDが一緒になって、はじめて行われます。
ビタミンDはカルシウムの代謝をコントロールする働きがあり、血液中のカルシウム濃度が低くなったときは、骨からカルシウムが溶け出すのを促し、逆に高くなったときには骨への沈着を促します。
ビタミンDの特徴
<ビタミンDは脂溶性ビタミン>
ビタミンDは、「しいたけ」などの植物に含まれるビタミンD2と動物に含まれるビタミンD3の2つの成分が認められています。どちらも体内での作用に違いはなく、効力もほぼ同等です。
ビタミンDを含む食材は少ない
ビタミンDを含む食品はそれほど多くありません。穀類や野菜は含んでおらず、肉類にもわずかな量しか含まれません。供給源になるのは、魚介類、もしくは「きくらげ」をはじめとした、きのこ類に限られています。
【“干ししいたけ”はビタミンDが豊富】
『しいたけ』には、ビタミンDの前駆物質(生成する前の段階の物質)エルゴステロールという「プロビタミンD」が多く含まれています。プロビタミンDは太陽の光を浴びると「ビタミンD」に変わります。このため、天日干しした『干ししいたけ』のほうが、生のしいたけよりもビタミンDが多くなっています。ただし、最近の干ししいたけは人工的に乾燥しているものが多いので、使う前に日光にあてるとよいでしょう。
日光浴でつくられるビタミンD
皮膚にはビタミンDの前駆物質である「プロビタミンD3」が存在します。これが、紫外線を浴びると、ビタミンD3につくりかえられます。日光浴がよいとされるのはこのためですが、皮膚ガンの発生率も高くなるので、過剰な日焼けは避けましょう。
【冬のビタミンD不足に注意】
紫外線の多い春から夏の方が、秋から冬の期間よりも体内のビタミンD濃度が高まります。日光にあたりにくい冬の期間や、日中ほとんど外出しない人、寝たきりの人などは、ビタミンDが不足しやすいので、食品からしっかり摂取する必要があります。
ビタミンD摂取の注意点
加齢とともに骨密度は低くなります。また、更年期を迎えた女性も、骨粗しょう症になりやすくなっています。
骨折を防ぐためのも、ビタミンD不足には注意しなければなりませんが、過剰な摂取は控えなければなりません。
上限量を超えて摂取すると、全身の倦怠感や食欲不振、嘔吐などを起こします。特に妊娠中はサプリメントで摂り過ぎないようにしてください。
ビタミンD-年齢別一日の食事摂取基準(㎍/日)
年齢 | 目安量(㎍) | 耐容上限量(㎍) | ||
男 性 | 女 性 | 男 性 | 女 性 | |
0~ 5(月) | 5.0 | 5.0 | 25 | 25 |
6~11(月) | 5.0 | 5.0 | 25 | 25 |
1~2(歳) | 2.0 | 2.0 | 20 | 20 |
3~5(歳) | 2.5 | 2.5 | 30 | 30 |
6~7(歳) | 3.0 | 3.0 | 40 | 40 |
8~9(歳) | 3.5 | 3.5 | 40 | 40 |
10~11(歳) | 4.5 | 4.5 | 60 | 60 |
12~14(歳) | 5.5 | 5.5 | 80 | 80 |
15~17(歳) | 6.0 | 6.0 | 90 | 90 |
18~29(歳) | 5.5 | 5.5 | 100 | 100 |
30~49(歳) | 5.5 | 5.5 | 100 | 100 |
50~69(歳) | 5.5 | 5.5 | 100 | 100 |
70以上(歳) | 5.5 | 5.5 | 100 | 100 |
妊 婦 | – | 7.0 | – | – |
授乳婦 | – | 8.0 | – | – |
参考=日本食品標準成分表2015年版(七訂)
- 【目安量】=十分な科学的根拠が得られず、設定した摂取量ですが、一定の栄養状態を維持するのに十分な量であ り、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
- 【耐容上限量】=過剰摂取による健康障害の回避を目的として、設定された摂取量。
ビタミンDを多く含む食材と調理法
画像出典:【白きくらげ(乾燥)】きのこのじかん
【ビタミンD-可食部100g当たり成分値】
(参考食材)
魚介 類 (㎍) | きのこ 類 (㎍) | |||
黒かじき(生) | 38.0 | あらげ きくらげ(乾) | 128.5 | |
紅 鮭(生) | 33.0 | きくらげ(乾) | 85.4 | |
まいわし(生) | 32.0 | しろ きくらげ | 15.1 | |
くろまぐろ脂身(生) | 18.0 | 乾ししいたけ(乾) | 12.7 | |
うなぎ蒲焼き | 19.0 | まいたけ(生) | 4.9 |
- 加熱調理などにより成分値は変化します。
- 成分値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によるものです。これ以前の日本食品標準成分表と異なる場合があります。
ビタミンDを効率よく摂取する調理法
画像出典:簡単!干ししいたけの白味噌バター炒め
きのこ類を、炒め物や天ぷらがおすすめ!
ビタミンDは、きのこ類全般に含まれています。吸収を高めるなら、炒めたり天ぷらにするなど、油での調理がよいです。また、細かく刻んでハンバーグなどの肉ダネに混ぜれば、肉の脂身で吸収が高まるうえ、カサが増し、満腹感も得られます。
ビタミンDが不足すると?
【ビタミンの働きと食材からの摂取ポイント】のまとめ
ビタミンDは、カルシウムの吸収を高め、骨を丈夫にしてくれます。くれぐれも、ビタミンD不足には注意してください。ただし、「耐容上限量」が設定されてますので過剰摂取にも注意してください。
- 参考=文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
- 参考=発行所:株式会社 永岡書店:図解でわかる!からだにいい食事と栄養の教科書
- 参考=発行所:高橋書店/あたらしい栄養学
- 参考=発行所:株式会社 学研プラス/知っておきたい栄養学