ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠!
ビタミンCの働きで重要なのが、タンパク質からコラーゲンを合成することです。
コラーゲンは、皮膚、骨、筋肉などを丈夫にして、美肌づくりには欠かせません。また、ビタミンCは、免疫力を高めたり、抗酸化作用など、健康維持に様々な働きをするため、13種類あるビタミンの中でも、一番よく知られている栄養素です。何気なく、サプリメントで補給する人もいますが、ビタミンCの特徴を理解することも大事です。
当サイトを一読いただき、日々忙しい人の栄養補給の参考になれば幸いです。
目次
ビタミンCが不足すると?
【ビタミンC-おすすめの人】 |
喫煙者・ストレスが多い・シミや肌荒れが気になる・歯ぐきから出血しやすい・疲れやすい |
【過度のストレスと喫煙はビタミンC不足に注意!】
過度なストレスを感じると、体内のビタミンCは消費されます。また、喫煙も、ビタミンCを消費することが知られています。
ストレスを感じながら煙草を吸うと、かなりのビタミンCが失われますので、特に喫煙習慣のある人は、ビタミンCを積極的に摂取するよう心がけてください。
ビタミンCが不足すると、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、毛細血管が弱くなって歯ぐきや皮下に出血しやすくなります。また、肌を守る※コラーゲンをうまく合成できなくなります。そのため、メラニン色素の生成を抑えられず、シミやソバカスが増えてしまいます。
※コラーゲンは、人体のタンパク質の約30%を占め、皮膚や骨、筋肉、血管などの結合組織の主要成分となっているタンパク質です。
【ビタミンC欠乏症について】
先進国での、重度のビタミンC欠乏症(※壊血病の発症)は、あまりみられませんが、症状には、疲労,うつ状態,結合組織の異常(例,歯肉炎,点状出血,発疹,内出血,創傷治癒の障害)があります。また、乳幼児および小児においては、骨成長が障害を受ける可能性があります。
※壊血病(かいけつびょう)は、出血性の障害が体内の各器官で生じる病気で、成人と小児では多少症状が異なります。
ビタミンCの特徴
ビタミンCは、強い抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や発がん性物質の合成を抑制したり、様々な健康作用に働きます。
【ビタミンCの主な効果・作用】
- コラーゲンの合成促進
- メラニン色素の沈着防止
- 免疫力の強化
- 抗酸化作用
- 抗がん作用
- 解毒作用
- ストレスに対抗するホルモンの合成促進
- 血中コレステロールの低下作用
- 腸管での鉄の吸収率アップ
2つの型のビタミンC
ビタミンCには、還元型(アスコルビン酸)と酸化型(デヒドロアスコルビン酸)があります。野菜や果物に含まれるビタミンCは、ほとんどが還元型ですが、ミキサーやジューサーにかけると、酸化型が増加します。しかし、いずれもビタミンCとしての効果は変わりなく、食品成分表においても、ビタミンCは【還元型ビタミンC】と【酸化型ビタミンC】の合計量が記載されています。
ビタミンCを含む食材と調理法
画像出典:赤ピーマンの酢の物【E・レシピ】
ビタミンCは、野菜や果物に豊富で、動物性食品には、ほとんど含まれません。
野菜では、青菜類やパプリカ、ブロッコリー、などに多く含まれています。
果物では、レモンやキウイフルーツ、イチゴなどに豊富です。
ビタミンCを多く含む食材と摂取基準
(参考食材)ビタミンC 可食部100g当たり成分値(㎎) | ||||
野菜 類(㎎) | 果実 類(㎎) | |||
赤ピーマン/パプリカ | 170 | アセロラ 酸味種 | 1700 | |
菜の花/なばな(和種) | 130 | グァバ | 220 | |
ブロッコリー | 120 | キウイフルーツ黄肉腫 | 140 | |
パセリ | 120 | キウイフルーツ緑肉腫 | 69 | |
カリフラワー | 81 | レモン 全果 | 100 | |
ゴーヤ/にがうり | 76 | レモン 果汁 | 50 | |
ルッコラ | 66 | 甘がき | 70 | |
モロヘイヤ | 65 | あけび | 65 | |
れんこん | 48 | イチゴ | 62 | |
キャベツ | 41 | ネーブルオレンジ | 60 | |
ほうれん草(通年平均) | 35 | パパイヤ 完熟 | 50 | |
ほうれん草(冬採り) | 60 | 露地 メロン | 25 | |
いも 類(㎎) | 飲料 類(㎎) | |||
じゃがいも | 35 | 青汁/ケール | 1100 | |
さつまいも | 29 | せん茶 | 260 | |
紫いも | 29 | 玉露茶 | 110 |
- 加熱調理などにより成分値は変化します。
- 成分値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によるものです。これ以前の日本食品標準成分表と異なる場合があります。
ビタミンC-年齢別一日の食事摂取基準(㎎/日)
年齢 | 推奨量(㎎) | 耐容上限量(㎎) | ||
男 性 | 女 性 | 男 性 | 女 性 | |
0~ 5(月) | 40(目安量) | 40(目安量) | ー | ー |
6~11(月) | 40(目安量) | 40(目安量) | ー | ー |
1~2(歳) | 35 | 35 | ー | ー |
3~5(歳) | 40 | 40 | ー | ー |
6~7(歳) | 55 | 55 | ー | ー |
8~9(歳) | 60 | 60 | ー | ー |
10~11(歳) | 75 | 75 | ー | ー |
12~14(歳) | 95 | 95 | ー | ー |
15~17(歳) | 100 | 100 | ー | ー |
18~29(歳) | 100 | 100 | ー | ー |
30~49(歳) | 100 | 100 | ー | ー |
50~69(歳) | 100 | 100 | ー | ー |
70以上(歳) | 100 | 100 | ー | ー |
妊 婦(付加量) | ー | +10 | ー | ー |
授乳婦(付加量) | ー | +45 | ー | ー |
参考=日本食品標準成分表2015年版(七訂)
- 【推奨量】=ほとんどの日本人が1日の必要量を満たすと推定される摂取量。
- 【目安量】=十分な科学的根拠が得られず、設定した摂取量ですが、一定の栄養状態を維持するのに十分な量であ り、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
- 【耐容上限量】=過剰摂取による健康障害の回避を目的として、設定された摂取量。
(ビタミンCは耐容上限量は設定されていません。)
【ビタミンCの過剰摂取について】
サプリメントなどで、必要量の何倍ものビタミンCを摂ると、一過性の下痢やおう吐などを起こすことがありますが、普段の食生活において食品から摂取する分には、水溶性で体内に蓄積されないため、過剰症の心配はほとんどありません。
ビタミンCを効率よく摂取する調理法
画像出典:ゴーヤのきんぴら【E・レシピ】
毎日欠かさずビタミンCを!
体内のビタミンCは、約400㎎で飽和状態になるとみられています。つまり、一度にたくさん摂取しても体内に蓄積されず、体外に排出されてしまいます。ビタミンCの効果を持続させるためにも、毎食ごとに、野菜や果物を食べるようにしましょう。
【ビタミンC摂取効率アップの食べ方】
ビタミンCは、水溶性で水に溶けやすいうえ、熱や光に弱く、酸化しやすい成分です。また、保存中や調理中に失われやすい成分でもあります。ですから、野菜や果物は新鮮なものを購入し、長く保存せず、手早く調理して食べることで、効率よくビタミンCを摂取できます。
【いも類は加熱してもOK】
ジャガイモやサツマイモなど、いも類のビタミンCは、でんぷんに囲まれていて空気に触れにくいので、他の野菜などに比べると加熱をしても破壊されにくく、とてもよいビタミンC源となります。
タンパク質と合わせると肌のシミやたるみを解消!
コラーゲンは、肌のハリや潤いを保ってくれる成分ですが、合成にはタンパク質とビタミンCが不可欠です。コラーゲンは、紫外線から肌を守り、シミやたるみの解消に役立つとされ、特に女性には、美容に欠かせない成分としてよく知られています。
【タンパク質を豊富に含む食材】=肉類・魚介類・大豆製品・卵など
ビタミンEと合わせると若返り効果アップ!
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、老化を招く活性酸素の害から細胞を守ってくれます。ビタミンCと合わせると抗酸化力が高まり、若返り効果が一段とアップします。ビタミンEは脂溶性なので、肉や魚など脂肪分を含む食材と合わせたり、油を使う調理がおすすめです。
【ビタミンEを豊富に含む食材】=イカ・赤ピーマン・モロヘイヤ・ひまわり油 など
鉄で貧血を防ぐ!
鉄は吸収率が低く、特に、ほうれん草や小松菜などの植物性食品に含まれる鉄(非ヘム鉄)の吸収率は、たった5%ほどです。そこで、ビタミンCを合わせると、この非ヘム鉄の吸収が高まり、さらに赤血球の※ヘモグロビンの合成を助け、貧血予防に効果的です。
【鉄を豊富に含む食材】=レバー・しじみ・小松菜・ひじき など
※赤血球中のヘモグロビンは、酸素を体内の組織に運び、かわりに二酸化炭素を受け取って肺まで運んできて放出し、再び酸素と結びついて各組織に運ぶという重要な働きを担っています。
ビタミンCが不足すると?
【ビタミンの働きと食材からの摂取ポイント】のまとめ
野菜、果物などに含まれる栄養素で代表的なのが、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。
これらの栄養素は、微量でも他の栄養素を手助けしたり、体の機能を正常に保ったりなど体にとって重要な働きをしており、ビタミンCもその一つです。
ビタミンCだけで健康な体はつくれません。まんべんなく、いろいろな食材から栄養を摂ることが大事です。
- 参考=文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
- 参考=発行所:株式会社 永岡書店:図解でわかる!からだにいい食事と栄養の教科書
- 参考=発行所:高橋書店/あたらしい栄養学
- 参考=発行所:株式会社 学研プラス/知っておきたい栄養学