春菊は風邪予防になるビタミンが豊富!
春菊はβ-カロテン・ビタミン・カルシウム・鉄 が豊富です。特に春菊は、ウィルスの侵入を防ぐ働きのあるβ-カロテンが、ほうれん草や小松菜を上回るほど多く含んでおり、免疫力効果を高めるビタミンCとの相乗効果で、風邪の予防にピッタリの野菜です。また、春菊は、葉の緑色が濃いことから分かるように、色素成分の「※クロロフィル」も豊富で、独特の香り成分は、食欲を増進させます。
春菊は、風邪が流行る冬こそ、おすすめの野菜といえます。
※クロロフィル(葉緑素)は、植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素です。体内からコレステロールやダイオキシンなどの余分なものを排出してくれる作用があります。
【春菊の主な効果】
- 風邪などの感染症予防
- 免疫力アップ
- 消化促進
- 健胃作用
※紹介している「春菊」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。
春菊の栄養を生かした食べ方
画像出典:京菊菜の酢みそ和え:寺庵 ランラン
関東では「春菊」・関西では「菊菜」と呼ばれる!
「春菊」は、関東を中心に栽培される、伸びた茎に切れ込みの多い葉がたくさんついたものですが、関西では、茎が伸びずに株が横になる品種が主に栽培され「菊菜」と呼ばれています。
※春菊にはいくつかの品種がありますが、西日本で多く見られるものは、葉が広く切れ込みが浅いタイプのものです。
選び方
- 春菊は10月~2月が旬です。
- 色が濃く鮮やかで、葉先までシャキッ元気なものを選びます。鮮度が落ちてくると色あせて黄色みをおびてきます。
- 茎は太すぎず、やや細い方が柔らかくて美味しいです。茎にもしっかりと張りがあり、下のほうにも葉がよくついているものを選んでください。
- 葉のギザギザが浅く葉が広いタイプの方が苦味や香りが穏やかで、切れ込みが深いものの方が風味は強いので好みで選ぶようにするといいでしょう。
保存方法
乾燥に弱い春菊は、全体をさっと水洗いして、湿らせたキッチンペーパーなどで根元を巻き、ビニール袋等にいれて冷蔵庫で保存してください。
春菊は劣化が早いので、早めに使い切るようにしましょう。
【冷凍保存の場合】
春菊は冷凍保存もできます。その場合は塩を入れた熱湯で30秒~45秒程度さっと固めに下茹でし、すぐに冷水におとしてから水気を良く切って、小分けしてラップに包み冷凍します。使う時は和え物やおひたしなどの場合は自然解凍し、みそ汁など汁物の場合は凍ったままでも大丈夫です。
春菊の調理ヒント
画像出典:開運レシピ~運が良くなるお料理教室~
【鍋料理の春菊は栄養満点!】
春菊に含まれる豊富なβ-カロテンは、タンパク質といっしょに摂取すると吸収率がアップします。春菊は鍋ものの定番具材なので、おのずと肉類(タンパク質)といっしょに食べることとなり、春菊のもつ栄養を効率的に吸収することができます。
春菊は油と合わせて栄養吸収!
春菊に含まれる豊富なβ-カロテンは、油といっしょに使うことでも、吸収率がアップします。油で炒めてソテーにしたり、天ぷらやフリッターなどもおすすめです。
また、刻んでチヂミの具にしたり、サッと茹でてゴマ油とあえてナムルにしたりなど、いろいろな食べ方を楽しめます。
料理参考サイト
砂肝と春菊のエスニック風炒めcookpad
春菊の葉先をつんでサラダに!
春菊には、ビタミンCも含まれていますが、加熱で損なわないように食べるには、生が一番です。茎は硬いので加熱した方が食べやすいですが、葉は柔らかいので生で食べられます。葉先をつんでグリーンサラダにしたり、刻んでドレッシングに混ぜてもよいです。
料理参考動画:【料理サプリ】生春菊とささみのごま酢あえ
春菊の栄養成分(可食部100gあたり)
春菊の総カロリー=22Kcal
【体に必要な三大栄養素】
春菊に含まれるタンパク質=2.3g(100gあたり)
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚など、体の組織のほぼ全てをつくる主要な成分であり、また、エネルギー源としても、1gあたり約4Kcalを生み出します。酸素・ホルモン・免疫抗体の材料、栄養運搬物質などとしての役割を担う重要な栄養素です。
春菊に含まれる脂質=0.3g(100gあたり)
脂質は、1gあたり9Kcalと、三大栄養素の中で最も高いエネルギーを生み出す栄養素です。細胞膜や神経の構成成分で、脂溶性(しようせい)ビタミンの吸収を助ける働きや皮膚、粘膜の健康を保つ働きなどもしています。ただし、摂り過ぎると脂肪として蓄えられるので、注意が必要です。
春菊に含まれる炭水化物=3.9g(100gあたり)
炭水化物は、体や脳を動かし、生命を維持するエネルギー源として利用される栄養素で、1gあたり約4Kcalを生み出します。糖質と食物繊維を合わせて、炭水化物といいます。
春菊のミネラル
カリウム=460㎎(100gあたり)
カリウムは、細胞内液に多く、細胞外液に多いナトリウム(主に塩分)と互いに作用しながら細胞の機能を正常に保っています。また、ナトリウムの排出を促し、血圧を下げる作用があるので、高血圧予防に効果的です
【カリウム摂取のコツ】
カリウムは、茹でたり煮たりすると流れ出てしまうので、フルーツのように生で食べられる食品のほうが効率よく摂取できます。
カルシウム=120㎎(100gあたり)
カルシウムは、体内のミネラルの中で、もっとも多く含まれており、その内99%が骨や歯に存在しています。残りの1%は血液や体液中に含まれています。血液中のカルシウム濃度は一定量に保たれていますが、濃度が下がると骨から溶けだします。
【カルシウム摂取のコツ】
ビタミンDは、カルシウムが骨に吸収されるのを促す働きがあるため、いっしょに摂取すると効果があります。
マグネシウム=26㎎(100gあたり)
マグネシウムは、体内ではカルシウムと共に約60%が骨に存在していて、残りは筋肉や血液などに含まれており、「カルシウムが骨を形成するのを助ける」「筋肉の収縮を調整」「血圧の上昇を抑える」など、様々な働きをしています。
【マグネシウム摂取のコツ】
玄米や胚芽精米のごはんで、多く摂取することができます。
鉄=1.7㎎(100gあたり)
体内にある鉄のうち、約70%は血液中に存在し、赤血球のヘモグロビンを構成しています。(ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあります)残りの約30%の鉄は、肝臓・骨髄などに貯蔵されていて、血液中の鉄が不足したときに血液中に出て補給される仕組みになっています。
【鉄 摂取のコツ】
ビタミンCは、鉄の吸収を促すので、いっしょに食べると吸収がよくなります。また、タンパク質も鉄の吸収をよくする成分なので、合わせて食べるとよいです。
銅=0.1㎎(100gあたり)
体内の銅の約半分は、骨や筋肉、血液中にあります。残りは肝臓などに存在しています。銅は、鉄がヘモグロビンを合成する際に必要なので、不足するとヘモグロビンが作れず、貧血を起こしてしまいます。また、多くの酵素の構成成分でもあります。
【銅 摂取のコツ】
鉄が足りていても、銅が不足していると、ヘモグロビンがうまく合成できません。どちらもしっかりと摂取することが大切です。
春菊のビタミン
ビタミンA(β-カロテン当量)=4500㎍(100gあたり)
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれる※カロテノイドの一種で、強力な抗酸化力を持つ栄養素です。体内では必要量に応じてビタミンAに変換され、ビタミンAとしても効果を発揮します。人体の粘膜や皮膚、免疫機能を正常に保ったり、視力を維持するために必要不可欠な成分です。
※カロテノイドは、動植物が持つ、自然界に存在する黄色や赤色の色素の総称で、600種類以上存在するといわれています。特徴として強力な抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力に優れています。また、眼病や生活習慣病などをはじめとする疾病の予防に効果的な栄養素として知られています。
【β-カロテン摂取のコツ】
植物性食品に含まれるカロテン類は、油に溶けることで吸収率がアップします。油で炒めたりドレッシングをかけたりするとよいです。
ビタミンE(α-トコフェロール)=1.7㎎(100gあたり)
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種で、強い抗酸化作用があり、細胞膜の酸化を抑制し、細胞の老化を防ぎます。毛細血管に働きかけて血行をよくしたり、新陳代謝を促したりする働きもあります。
【ビタミンE摂取のコツ】
ビタミンA・Cを含む食品といっしょに摂取すると、抗酸化作用がさらにアップします。
ビタミンB1=0.1㎎(100gあたり)
ビタミンB1は、炭水化物がエネルギーに変わるときに必要な水溶性ビタミンです。不足すると代謝がうまくいかず、乳酸などの疲労物質が蓄積されて、疲労や筋肉痛の原因になります。脳の神経や手足の末梢神経の働きにもかかわってきます。
【ビタミンB1摂取のコツ】
ビタミンB1は、「ニンニク」「ネギ」「タマネギ」「ニラ」と、いっしょに摂取すると吸収がよくなります。
葉酸=190㎍(100gあたり)
葉酸は、ビタミンB群の一種で、赤血球の生成を助け造血を促すビタミンです。胎児の細胞を作り出す際にも必要なため、妊娠の前後は多くの葉酸が必要です。
【葉酸 摂取のコツ】
葉酸は光や熱に弱いので、放っておくと酸化してしまいます。新鮮なうちに食べることが一番です。
ビタミンC=19㎎(100gあたり)
ビタミンCは、コラーゲンというタンパク質を合成する際に関わる、水溶性ビタミンです。コラーゲンは皮膚や骨を強化する働きがあります。また、強い抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えたり、生活習慣病の予防に役立つ働きをしたりします。
【ビタミンC 摂取のコツ】
ビタミンCは、水につけたり茹でたりすると、どんどん失われてしまいます。洗ったり茹でたりは短めにします。ビタミンCは体内に蓄積されないので、毎日補給したい栄養素です。
春菊の食物繊維
春菊に含まれる食物繊維=3.2g(100gあたり)
水溶性食物繊維 0.8 g |
不溶性食物繊維 2.4 g |
食物繊維は、腸内環境をよくし、生活習慣病を予防します。不足すると便秘になりやすくなります。また、腸内環境が悪化することで血糖値やコレステロール値の上昇などが生じることがあります。
【食物繊維 摂取のコツ】
生のままでは食べきれない量の野菜でも、加熱するとかさが減って食べやすくなります。『※水溶性食物繊維』『※不溶性食物繊維』それぞれの役割があるので、いろいろな食品から摂取するとよいです。
※(水溶性食物繊維の特徴)
- 人体に有害な物質の吸収を妨げ、便として排出させる。
- ブドウ糖の吸収速度を遅くし、食後の急激な血糖の上昇を防ぐため、糖尿病の予防効果があります。また、コレステロールの吸収を抑制するため、動脈硬化の予防。ナトリウムを排除して血圧を下げるため、高血圧の予防効果があります。
- 野菜、芋、豆等に多く含まれます。
※(不溶性食物繊維の特徴)
- 水に溶けず、水分を吸収してふくれ、腸壁を刺激して便の排泄を促進させるため、便秘の予防になります。
- 不溶性食物繊維の多い食品はよく噛む必要があるため、食べすぎを防ぎ、歯茎や顎を強くします。
- 豆類に多く含まれます。
春菊の栄養は風邪予防に効果あり!
【野菜の効能と食べ方】のまとめ
野菜、果物などに含まれる栄養素で代表的なのが、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらの栄養素は、微量でも他の栄養素を手助けしたり、体の機能を正常に保ったりなど体にとって重要な働きをしています。しかし、体内で合成することができない栄養素は、食品から摂取しなくてはなりません。その食品の中でも野菜、果物が生活習慣病の予防に役立つことは、研究により明らかになっています。いろいろな食品と組み合わせて、体に必要な栄養素をまんべんなく摂取することが大事です。
【野菜の摂取目標】
生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに『野菜類を一日350g以上食べましょう』があります。しかし、厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」によると、野菜類平均摂取量は、『成人男性で約290g』『成人女性で約270g』です。
あと一皿多く野菜を食べることを心がけ、野菜摂取不足を解消させましょう。
≪参考資料≫
- 参考:七訂 食品成分表 2016
- 参考:カロリーSlism-栄養成分/カロリー計算
- 参考:からだに効く!野菜の新図鑑/発行所:株式会社 宝島社
- 参考:わかさの秘密