椎茸は生活習慣病予防におすすめ!
椎茸には、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」、腸の動きを活発にする「不溶性食物繊維」、造血のビタミンである「葉酸」、塩分を排出する「カリウム」など、体を健康へと導く栄養素がそろっています。
ほかにも、他の きのこ にはない「レンチナン」という成分は、免疫力増強作用があるといわれ、抗ガン剤にも使われているほど。また、乾しいたけに多く含まれるうま味成分の「グアニル酸」には血液サラサラ効果も。
※紹介している「椎茸」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。
目次
椎茸の特徴
【椎茸/しいたけ】
椎茸は独特の旨味と香り、ジューシーな食感が持ち味です。90%が水分なので、丸ごと焼くと旨味を含んだ汁が出て味わいを存分に堪能できます。
【旬】
4~5月・9~11月
【選び方】
肉厚で表面に傷がなくツヤがよいもの。
かさが開かず、裏側がきれいで白く、軸が太いものを選ぶ。
【保存方法】
パックから出して、新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存する。軸を上にしたほうがよい。
【乾しいたけ】
乾しいたけは、大別すると「冬茹(どんこ)」と「香信(こうしん)」に別けられます。
もとは同じ椎茸ですが、採る時期や傘の開き具合によって名前が変わります。
- 「冬茹(どんこ)」=春先の気温の低い時期にゆっくり生長したもの。かさは肉厚で丸型。
椎茸そのものを味わう煮物やおせち料理などに向いています。 - 「香信(こうしん)」=気温・湿度が高い時期に、短期間で生長したもの。かさは大きく、薄い。ひらきの状態。
薄めなので炊き込みご飯や茶わん蒸し・ちらし寿司など香りを楽しむ料理に向いています。
椎茸の注目成分
エリタデニンがコレステロール値を正常に保つ
椎茸 特有の成分「エリタデニン」には、コレステロールの分解代謝、排出の促進など、コレステロールを正常に保つ働きや高血圧予防の効果が期待されています。
「エリタデニン」は、マッシュルームにも含まれていますが、ごくわずかなため、椎茸 特有だといわれています。
天日干しするとビタミンDがアップ!
椎茸に含まれる成分「エルゴステロール」は、日光に当てるとビタミンDに変化します。
使う前に日光に30分~1時間ほど当てて、カルシウムの吸収を高めるビタミンDをパワーアップさせましょう。
カルシウムの多い小魚などと合わせれば効果抜群です。
「レンチナン」が外敵から身を守る
「β-グルカン(多糖類)」の一種である「レンチナン」は、外敵から体を守る力(免疫力)の指標となるリンパ球を活性化させる働きがあり、風邪などウイルス性の病気に対する抵抗力をもたらします。また、抗腫瘍効果もあることが分かっているので、医療業界では抗がん剤としても知られています。
乾しいたけ に多く含まれる「うま味・グアニル酸」に注目!
うま味成分といえば「イノシン酸」「グルタミン酸」「グアニル酸」ですが、乾しいたけ には「グアニル酸」が豊富に含まれています。
「グアニル酸」は、「エリタデニン」と協力して、血小板の凝集を抑制する働きや血中のコレステロール値を下げる働きがあるとされています。これらの働きにより、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の予防に効果があるとされています。
椎茸おすすめの食べ合わせ
唐辛子と合わせてダイエット効果!
唐辛子に含まれる辛味成分の「カプサイシン」と低エネルギーの椎茸を食べ合わせると、「カプサイシン」がエネルギー代謝をよくして体脂肪を分解する作用や、血行促進作用に働く。
昆布と合わせて骨を丈夫に!
椎茸の「ビタミンD」は、昆布に含まれる「カルシウム」の吸収率をアップし、骨を丈夫にする。また、昆布のもつ「グルタミン酸」とで より美味しくなる。
しいたけ の栄養素・成分値
(可食部100gあたり)
しいたけ
|
生(菌床栽培) | 生(菌床栽培)※1ゆで | 乾 しいたけ | |
エネルギー(kcal) | 19 | 17 | 182 |
水分(ℊ) | 90.3 | 91.5 | 9.7 |
たんぱく質(g) | 3.0 | 2.5 | 19.3 |
脂質(g) | 0.3 | 0.4 | 3.7 |
炭水化物(g) | 5.7 | 5.1 | 63.4 |
水溶性食物繊維(g) | 0.4 | 0.2 | 3.0 |
不溶性食物繊維(g) | 3.8 | 4.2 | 38.0 |
しいたけ
|
生(菌床栽培) | 生(菌床栽培)※1ゆで | 乾 しいたけ | |
ナトリウム(㎎) | 1 | 1 | 6 |
カリウム(㎎) | 280 | 200 | 2100 |
カルシウム(㎎) | 1 | 1 | 10 |
マグネシウム(㎎) | 15 | 11 | 110 |
リン(㎎) | 87 | 65 | 310 |
鉄(㎎) | 0.3 | 0.3 | 1.7 |
亜鉛(㎎) | 1.0 | 0.8 | 2.3 |
銅(㎎) | 0.09 | 0.06 | 0.50 |
マンガン(㎎) | 0.22 | 0.16 | 0.87 |
ヨウ素(㎍) | ※20 | ―(未測定) | 4 |
セレン(㎍) | 6 | ―(未測定) | 4 |
クロム(㎍) | 1 | ―(未測定) | 5 |
モリブデン(㎍) | 4 | ―(未測定) | 3 |
しいたけ
|
生(菌床栽培) | 生(菌床栽培)※1ゆで | 乾 しいたけ | |
ビタミンA(㎍) (β-カロテン当量) |
※2推定値0 | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
ビタミンD(㎍) | 0.4 | 0.5 | 12.7 |
ビタミンE(㎎) (α-トコフェロール) |
※2推定値0 | ※2推定値0 | ※20 |
ビタミンK(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 | ※20 |
ビタミンB1(㎎) | 0.13 | 0.08 | 0.50 |
ビタミンB2(㎎) | 0.20 | 0.11 | 1.40 |
ナイアシン(㎎) | 3.1 | 2.0 | 16.8 |
ビタミンB6(㎎) | 0.21 | 0.12 | 0.45 |
ビタミンB12(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
葉酸(㎍) | 44 | 14 | 240 |
パントテン酸(㎎) | 1.05 | 0.71 | 7.93 |
ビオチン(㎍) | 7.3 | ―(未測定) | 36.6 |
ビタミンC(㎎) | ※20 | ※20 | ※20 |
成分、数値は日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
※1=「ゆで」は、調理の下処理として行い、ゆで汁は廃棄します。ざるにとって水を切る、または水にさらして絞る等の処理も含まれています。
※2=食品成分表の最小記載量の1/10未満、(ヨウ素、セレン、クロムおよびモリブデンは 3/10、ビオチンは4/10)または検出されなかったことを示す。
(文献等により含まれていないと推定される成分については測定していない場合が多い。しかし、何らかの数値を示して欲しいとの要望も強いことから、推定値として「0」と表示。)
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- 参考:知っておきたい栄養学(発行所:株式会社 学研プラス)
- 参考:あたらしい栄養学(発行所:高橋書店)