アスパラガスの生命力が体を元気に!
鮮やかな緑色で栄養価の高い「グリーン アスパラガス」と、柔らかな食感と香りが特徴の、軟白栽培された「ホワイト アスパラガス」があります。
いずれも糖質が多く、エネルギーは やや高めですが、グリーンアスパラガスには、抗酸化作用のあるβ-カロテンがたっぷり含まれています。また、貧血予防に効果的な「葉酸」、骨粗しょう症予防に不可欠な「ビタミンK」、便通改善にも働く「食物繊維」や「オリゴ糖」などを含み、女性の健康維持に役立つ野菜です。
※紹介している「アスパラガス」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。
目次
グリーン アスパラガスの特徴
【アスパラガス】
生命力が旺盛な野菜です。
通常食用にしているのは、一つの株から出る何本もの若い芽の部分。放っておくと、どんどん伸びて、自ら起き上がる習性があります。
多年生の植物で、発芽直後の若芽と茎を収穫したものです。
ほのかな甘みと香りが特徴で、本来の旬は初夏。
通年手に入るものはハウス栽培か輸入ものが主流です。
- 分 類:キジカクシ科
- 原産地:地中海東部
- 別 名:オランダ キジカクシ
- 主な産地:北海道、佐賀県、長野県
- 旬 :5月~6月
【グリーンとホワイトの違い】
グリーンのものより歯触りが柔らかいホワイト アスパラガスは、盛り土をして日を当てないで栽培したものです。
グリーン アスパラガスのほうが、「β-カロテン」「ビタミンB1」「葉酸」「ビタミンK」など栄養素を多く含んでいます。
グリーン アスパラガスの効能
【期待できる効能】
- 生活習慣病予防!
- 貧血予防!
- ガン予防!
- 骨粗しょう症予防!
- 疲労回復!
細胞を活性化させるアスパラギン酸!
アスパラガスから発見されたアミノ酸の一種「アスパラギン酸」は、疲労物質である乳酸の分解や新陳代謝、たんぱく質の合成を促進します。
このため、疲労回復や体力アップに役立ちます。
乳酸の分解を促す「アスパラギン酸」には、疲労回復・滋養強壮に加えて利尿作用もあるので、体内のバランスを整えてくれます。
アスパラギン酸の成分値
(可食部100gあたり)
- グリーン アスパラガス/生=430㎎
- ホワイト アスパラガス/水煮缶詰=400㎎
動脈硬化予防にも効果あり!
アスパラガスの穂先には、血行を よくするポリフェノールの一種「ルチン」が多く含まれます。この「ルチン」は毛細血管を丈夫にする働きがあり、高血圧症の予防が期待できます。
グリーン アスパラガスの選び方・保存方法
【選び方】
穂先が締まっているものを選びます。茎が細く曲がっているものはNG。
鮮やかなグリーンで、全体にハリがあり、穂先がふっくらとしているものを選ぶ。
根元にシワが寄っているものは鮮度が落ちている。
【保存方法】
乾燥を嫌うので、穂先を痛めないよう湿らせたペーパータオル、新聞紙などに包み、冷蔵庫の野菜室に立てて保存し、早めに使いきる。
グリーン アスパラガスの食べ方
水溶性の栄養素を逃がさないように、ゆで過ぎに注意!
ほとんどの成分が水溶性なので、蒸す・焼く など栄養が流れ出ない調理法がよいでしょう。また、時間が経過すると固くなってしまうので、早めに調理するのがおすすめ。
「ビタミンC」や「ルチン」は、水溶性のため、長くゆでると流出してしまいます。損失を防ぐためには、手早くゆでて、水につけず、ざるに上げて冷ますのが基本です。
炒め物の場合は、片栗粉などで とろみをつけ、栄養が溶け出した汁も食べきる工夫をしましょう。
「なめこ」と合わせてスタミナアップ!
なめこ に含まれる、ヌメリ成分の「ムチン」は、アスパラガスに豊富なアスパラギン酸の吸収を助けます。この働きは、疲労に対する抵抗力を高め、スタミナ増強効果をもたらすため、体が元気になります。
料理参考-COOKPAD:万能酢味噌でアスパラ&なめこ
グリーンア スパラガス の栄養素・成分値
(可食部100gあたり)
グリーン アスパラガス
|
若茎 生 | 若茎※1ゆで | 若茎※4油いため | |
エネルギー(kcal) | 22 | 24 | 57 |
水分(ℊ) | 92.6 | 92.0 | 88.3 |
たんぱく質(g) | 2.6 | 2.6 | 2.9 |
脂質(g) | 0.2 | 0.1 | 3.9 |
炭水化物(g) | 3.9 | 4.6 | 4.1 |
水溶性食物繊維(g) | 0.4 | 0.5 | 0.4 |
不溶性食物繊維(g) | 1.4 | 1.6 | 1.7 |
グリーン アスパラガス
|
若茎 生 | 若茎※1ゆで | 若茎※4油いため | |
ナトリウム(㎎) | 2 | 2 | 3 |
カリウム(㎎) | 270 | 260 | 310 |
カルシウム(㎎) | 19 | 19 | 21 |
マグネシウム(㎎) | 9 | 12 | 10 |
リン(㎎) | 60 | 61 | 66 |
鉄(㎎) | 0.7 | 0.6 | 0.7 |
亜鉛(㎎) | 0.5 | 0.6 | 0.5 |
銅(㎎) | 0.10 | 0.13 | 0.11 |
マンガン(㎎) | 0.19 | 0.23 | 0.22 |
ヨウ素(㎍) | 1 | ―(未測定) | ―(未測定) |
セレン(㎍) | ※20 | ―(未測定) | ―(未測定) |
クロム(㎍) | ※20 | ―(未測定) | ―(未測定) |
モリブデン(㎍) | 2 | ―(未測定) | ―(未測定) |
グリーン アスパラガス
|
若茎 生 | 若茎※1ゆで | 若茎※4油いため | |
ビタミンA(㎍) (β-カロテン当量) |
380 | 370 | 380 |
ビタミンD(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
ビタミンE(㎎) (α-トコフェロール) |
1.5 | 1.6 | 2.0 |
ビタミンK(㎍) | 43 | 46 | 48 |
ビタミンB1(㎎) | 0.14 | 0.14 | 0.15 |
ビタミンB2(㎎) | 0.15 | 0.14 | 0.17 |
ナイアシン(㎎) | 1.0 | 1.1 | 1.2 |
ビタミンB6(㎎) | 0.12 | 0.08 | 0.11 |
ビタミンB12(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
葉酸(㎍) | 190 | 180 | 220 |
パントテン酸(㎎) | 0.59 | 0.54 | 0.58 |
ビオチン(㎍) | 1.8 | ―(未測定) | ―(未測定) |
ビタミンC(㎎) | 15 | 16 | 14 |
成分、数値は日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
※1=「ゆで」は、調理の下処理として行い、ゆで汁は廃棄します。ざるにとって水を切る、または水にさらして絞る等の処理も含まれています。
※2=食品成分表の最小記載量の1/10未満、(ヨウ素、セレン、クロムおよびモリブデンは 3/10、ビオチンは4/10)または検出されなかったことを示す。
(文献等により含まれていないと推定される成分については測定していない場合が多い。しかし、何らかの数値を示して欲しいとの要望も強いことから、推定値として「0」と表示。)
※3=食品成分表の最小記載量の1/10以上含まれているが、5/10未満であるもの。
※4=油いためや揚げ物(天ぷら、フライ、とんかつ、から揚げ)については、調理のさいに加える油や衣の材料を加えた成分値です。
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- 参考:知っておきたい栄養学(発行所:株式会社 学研プラス)
- 参考:あたらしい栄養学(発行所:高橋書店)
- 参考:からだに効く!野菜の新図鑑(発行所:株式会社宝島社)