オクラのネバネバ成分が体調を整える!
食物繊維の一種「ペクチン」と、糖たんぱく質の一種「ムチン」がネバネバのもと。こうしたオクラに含まれる成分がコレステロール値を下げ、腸内の善玉菌を増やします。
整腸効果があるため、下痢・便秘に効果が期待できます。また、たんぱく質の消化・吸収を助ける効果もあります。
オクラは低エネルギーで栄養価が高い、うれしい食材です。
※紹介している「オクラ」に関する健康効果等については、多くの情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、体に与える影響については、個人差があること ご了承ください。
目次
オクラの特徴
【オクラ/秋葵】
- 分 類:アオイ科トロロアオイ属
- 原産地:アフリカ北東部
- 別 名:陸蓮根(おかれんこん)
- 産 地:鹿児島や高知などの南国で生産量が多い。
- 旬 :7月~9月
オクラの効能
【期待できる効能】
- 整腸作用
- 胃炎・胃潰瘍予防
- 糖尿病予防
オクラの最も注目したい栄養素は、水溶性食物繊維の一種で糖たんぱく質の「ムチン」というネバネバ成分です。
この成分には、糖分の消化吸収速度を遅くする作用があり、それにより血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。また、胃の粘膜の保護、整腸作用などにも効果的です。
さらに、β-カロテンやビタミンE、葉酸なども豊富な緑黄色野菜で、カルシウムや鉄、カリウムなどのミネラルもバランスよく含まれています。
オクラは小ぶりな野菜ながら、体への影響は大きなものがあります。
刻んで粘り気を出したり、丸ごと加熱したり、色々な味や食感を楽しめます。
オクラの食べ方
和風料理では、ネバネバを生かして、特有の食感を楽しんだり、星形の愛らしい断面を汁物の浮き実にりようしますが、欧米ではカレーやスープなど煮込みによく使われています。
オクラは、水溶性食物繊維が比較的多いので、ゆでる時は短時間で。
煮物は汁まで一緒にとりましょう。
天ぷらなど油で調理すれば、オクラに含まれるビタミン類を効率よく吸収できます。
サッとゆでて、刻んで たたいて粘りを引き出す
オクラは、細かく刻んだり、たたいたりして組織を破壊することで、粘り成分が多く引き出され、「ペクチン」や「ムチン」を より効率よく摂ることができます。また、「ムチン」は、たんぱく質の消化を助けるので、納豆などと合わせるのがよいでしょう。
手早くゆでて、ビタミンCをキープ
オクラは、生でも食べられる野菜なので、ゆで時間は約30秒でOK。
長くゆでると水溶性の養分が逃げてしまうので注意。
冷ますときも、栄養的には水にさらさないのが正解です。
β-カロテンやビタミンEの吸収率を上げるために
オクラは、炒め物やフライなどにしても美味しいものです。
油で調理することで、脂溶性のβ-カロテンやビタミンEの吸収率がアップするので、抗酸化作用がより高まります。
炒めてから煮込むシチューなどに利用するのもいいでしょう。
オクラの選び方・保存方法
【選び方】
鮮やかな緑色で、うぶ毛で覆わているもの。
頭の五角形が角がしっかり張っているものがおすすめですが、全体的に筋張っていない小ぶりなものがいいでしょう。
【保存方法】
鮮度が落ちると、かたくなるので早めに食べ切る。
短期間の保存であれば、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。
かために塩ゆでし、ラップをして冷凍庫で保存するなど、凍らして保存する方法がありますが、その場合でも3日を目安に使いきった方がいいでしょう。
オクラの栄養素・成分値
(可食部100gあたり)
オクラ
|
果実 生 | 果実※1ゆで | |
エネルギー(kcal) | 30 | 33 |
水分(ℊ) | 90.2 | 89.4 |
たんぱく質(g) | 2.1 | 2.1 |
脂質(g) | 0.2 | 0.1 |
炭水化物(g) | 6.6 | 7.6 |
水溶性食物繊維(g) | 1.4 | 1.6 |
不溶性食物繊維(g) | 3.6 | 3.6 |
オクラ
|
果実 生 | 果実※1ゆで | |
ナトリウム(㎎) | 4 | 4 |
カリウム(㎎) | 260 | 280 |
カルシウム(㎎) | 92 | 90 |
マグネシウム(㎎) | 51 | 51 |
リン(㎎) | 58 | 56 |
鉄(㎎) | 0.5 | 0.5 |
亜鉛(㎎) | 0.6 | 0.5 |
銅(㎎) | 0.13 | 0.11 |
マンガン(㎎) | 0.48 | 0.48 |
ヨウ素(㎍) | ※3Tr(微量) | ―(未測定) |
セレン(㎍) | ※3Tr(微量) | ―(未測定) |
クロム(㎍) | 1 | ―(未測定) |
モリブデン(㎍) | 4 | ―(未測定) |
オクラ
|
果実 生 | 果実※1ゆで | |
ビタミンA(㎍) (β-カロテン当量) |
670 | 720 |
ビタミンD(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
ビタミンE(㎎) (α-トコフェロール) |
1.2 | 1.2 |
ビタミンK(㎍) | 71 | 75 |
ビタミンB1(㎎) | 0.09 | 0.09 |
ビタミンB2(㎎) | 0.09 | 0.09 |
ナイアシン(㎎) | 0.8 | 0.8 |
ビタミンB6(㎎) | 0.10 | 0.08 |
ビタミンB12(㎍) | ※2推定値0 | ※2推定値0 |
葉酸(㎍) | 110 | 110 |
パントテン酸(㎎) | 0.42 | 0.42 |
ビオチン(㎍) | 6.0 | ―(未測定) |
ビタミンC(㎎) | 11 | 7 |
成分、数値は日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。
※1=「ゆで」は、調理の下処理として行い、ゆで汁は廃棄します。ざるにとって水を切る、または水にさらして絞る等の処理も含まれています。
※2=食品成分表の最小記載量の1/10未満、(ヨウ素、セレン、クロムおよびモリブデンは 3/10、ビオチンは4/10)または検出されなかったことを示す。
(文献等により含まれていないと推定される成分については測定していない場合が多い。しかし、何らかの数値を示して欲しいとの要望も強いことから、推定値として「0」と表示。)
※3=食品成分表の最小記載量の1/10以上含まれているが、5/10未満であるもの。
- 参考:知っておきたい栄養学(発行所:株式会社 学研プラス)
- 参考:あたらしい栄養学(発行所:高橋書店)
- 参考:からだに効く!野菜の新図鑑(発行所:株式会社宝島社)