メタボリックシンドローム【健康ダイエットの基礎知識】

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メタボリックシンドロームは心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い!

厚生労働省『平成19年国民健康・栄養調査』によると、40歳~74歳のメタボリックシンドローム1070万人にのぼります。さらに、予備軍を合わせると2010万人という実態が明らかになっています。まずは、お腹が出てきたら要注意と思うことが健康維持の第一歩です。

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※紹介している健康に関する内容は、多くの健康情報の中から、「なるほど!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、数値等については、個人差があること ご了承ください。

メタボリックシンドロームとは?

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メタボリックシンドロームは生活習慣病の新しい概念!

肥満の人が高血糖高血圧脂質異常などを複数あわせもつ状態を『メタボリックシンドローム』と呼びます。このような状態が続くと、一つ一つの病気の程度は軽くても、動脈硬化が進行しやすく、脳梗塞心筋梗塞といった、生命にかかわる病気を発症するリスクが高くなります。

40歳~74歳では、男性の2人に1人強女性の5人に1人がメタボリックシンドロームか予備軍であるという調査結果もあります。

【メタボリックシンドロームの原因】

メタボリックシンドロームの原因として挙げられるのは「食べ過ぎ」や「運動不足」など、生活習慣の乱れによる肥満です。健康を維持するためには、自分自身の生活習慣を見直して、ダイエットを心がけることが大事です。

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メタボリックシンドローム診断基準

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2005年4月、日本の内科系8学会によって構成された、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会によって日本人のデータをもとに日本人にあったメタボリックシンドロームの診断基準が設定されました。
この基準では、内臓脂肪の蓄積を反映する腹囲必須項目とし、さらに糖代謝異常(高血糖)脂質代謝異常(脂質異常)高血圧のうち2項目以上が重なった病態を「メタボリックシンドローム」と診断します。

つまり、健康診断を受けて、動脈硬化の危険因子が2つ以上あり、その中で内臓脂肪の蓄積が疑われる人がメタボリックシンドロームというわけです。

メタボリックシンドローム診断基準
内臓脂肪の蓄積
ウエスト周囲径:男性85㎝以上 女性90㎝以上
(内臓脂肪面積 男女とも100㎡以上に相当)
以下の3項目のうち、いずれか2項目以上があてはまる場合。
血清脂質
中性脂肪 150㎎/㎗以上
かつ/または
HDLコレステロール 40mg/㎗未満
血 圧
収縮期(最高)血圧 130mmHg以上
かつ/または
拡張期(最低)血圧 85mmHg以上
血糖値
空腹時血糖 110㎗以上

もっともわかりやすい診断基準は、『ウエストの周囲径(おへその高さの腹囲)』です。
男性=85㎝・女性=90㎝を超えるとメタボリックシンドロームが疑われます。
ただし、ウエストの周囲径は、あくまで目安としてください。正確な診断は、腹部のCT検査による内臓脂肪の面積の計測が必要です。
女性のほうが腹部の皮下脂肪が多いため、男性に比べ女性の腹囲が大きく設定されています。)


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内臓脂肪と皮下脂肪の違い

体脂肪には、「内臓脂肪」「皮下脂肪」の2種類があり、共通してエネルギーを貯蔵する重要な働きがありますが、違った性質も持ち合わせています。

皮下脂肪

【皮下脂肪型肥満の特徴】

洋なし型肥満とも呼ばれ女性の肥満体型によくみられます。
腹部から下半身に脂肪がつきます。
腰まわり、おしり、太ももなど皮膚の下に蓄積(しっかりとつまむことができる

【皮下脂肪の役割】

  • 長期的なエネルギーの備蓄や放出(摂取・消費カロリーバランスにゆっくりと対応する
  • 体温の保持、他に外からの衝撃をやわらげるクッションの役割

内臓脂肪

【内臓脂肪型肥満の特徴】

リンゴ型肥満とも呼ばれ男性や閉経後の女性に多くみられます。腹部(おへそ周り)の臓器周辺に脂肪がつきます。
内臓のまわりの腸間膜に蓄積(外からつまむことができない

【内臓脂肪の役割】

  • エネルギーの一時的な貯蔵(摂取・消費カロリーバランスに迅速に反応する
  • 内臓を正しい位置に保ったり、衝撃をやわらげるクッションの役割

【内臓脂肪は減らしやすい!】

内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて代謝が早く、蓄積もしやすいですが、食事制限運動を心がけるだけで比較的減りやすいことが知られています。

内臓脂肪は、日々の生活を少し見直すだけで、「ベルトの穴が一つ減る」という効果が現れやすく、皮下脂肪に比べると、努力が報われやすい脂肪組織ともいえます。

脂肪の役割

内臓脂肪は、日々の活動に使われるエネルギーを簡単かつ速やかに出し入れできる普通預金。そして皮下脂肪は、エネルギーを長期的に備える定期預金にたとえることができます。

【痩せすぎはダメ!】

美容と健康を考えるとき、「皮下脂肪」は目の敵にされがちです。特に女性は、「やせてきれいになりたい!」とダイエットにはげみ、必要以上に脂肪を落としてしまうことも少なくありません。しかし、適度な体脂肪は健康を維持する上で大切であり、また女性にとっての適度な脂肪は、妊娠・出産のために重要となります。

メタボリックシンドローム
【健康ダイエットの基礎知識】のまとめ

肥満を改善して健康寿命を延ばそう!

健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。 平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約13年の差があります。 誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいと思っています。健康寿命を延ばし、家族との楽しい時間を延ばすことこそが、生きるものの務めと心得ましょう。

メタボリックシンドローム【健康ダイエットの基礎知識】-参考書籍

  • 図解でわかる!からだにいい食事と栄養の教科書
    発行所:株式会社 永岡書店
  • 七訂 食品成分表2016
    発行所:女子栄養大学出版部

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