鉢花を枯らさない効果的な肥料の与え方!

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肥料の働きを知ることが大事!

鉢花に限らず、植物が生長していくには、日光や水の他に、様々な養分が必要です。植物は光合成を行うことで、炭水化物をつくりだすことは出来ますが、それ以外の必要な要素は直接、根や葉から吸収し、体内に取り入れる仕組みとなっています。これらの必要な要素のうち、特に多く必要とするのが『窒素』『リン酸』『カリ』の3つの成分なので、この3つを肥料の三大要素と呼んでいます。この三大要素の働きと肥料の特徴を、ある程度理解しておくと、鉢花を長く楽しむことが出来ます。

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肥料の役割と働き

肥料の3大要素

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画像出典=家庭菜園で有機無農薬栽培

窒 素(N)

窒素は葉や茎の生長に欠かせない養分で、不足すると葉色は薄くなり、生育も悪くなります。ただし、多すぎると茎や葉ばかりが徒長して、軟弱な株となり、花つきが悪くなります。窒素は主として生育の初期段階に必要とされる肥料成分です。

リン酸(P)

リン酸は花や実をつけるために必要な成分で、細胞づくりには欠かせません。不足すると花つきが悪くなり、葉色も悪くなります。

カ リ(K)

カリは植物全体の組織を丈夫にする働きがあります。不足すると寒さに対する抵抗力が落ちたり、病気にも弱くなります。

※三大要素のほか、『カルシウム』『マグネシウム』なども必要とされる肥料成分になっています。

肥料に欠かせない微量要素

ごく少量でよいのですが、植物の生理を活性化させるうえで欠かせない要素として、マンガン亜鉛ホウ素などいくつかの元素があります。これらを微量要素と呼んでいます。
園芸店では活力剤として市販されているものが、この微量要素です。最近は、微量要素入りの肥料も多く出回るようになっているようです。


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鉢花の肥料の与え方

肥料の与え方として、植えつけるときに土に混ぜておく『元肥』と、生育の途中で与える『追肥』とがあります。

鉢花の元肥

元肥は植物の初期生長を助けるものですが、鉢植えの場合の元肥は、一度施すと数ヵ月にわたって肥料効果が持続する緩効性化成肥料(マグァンプKなど)が多く利用されています。市販されている鉢花の多くは、この緩効性化成肥料が元肥に使用されているので、買ってきてしばらくは肥料を施さなくても元気に育ち、花も次々と咲き上がります。

鉢花の追肥

鉢花購入後、1ヶ月ほどたって、元肥の効果が徐々に薄れ、肥料成分が不足してきた時は、追肥を施さなければなりません。追肥には水に溶いて与える『液肥』と、鉢土の上に置く『置き肥』があります。

【液 肥】

液肥は、すぐに根から吸収される速効性のある肥料ですが、効果は持続しませんから、7日~10日に1回といった割合で、頻繁に与える必要があります。

【置き肥】

置き肥は、固形や粒状の肥料を鉢土の上に置く施し方で、水やりをする度に肥料成分が少しずつ溶けだし、用土の中にしみ込んで根から吸収されます。効果が持続するので、30日~40日に1回与えるようにします。

有機質肥料と化成肥料の特徴

肥料には多くの種類がありますが、大別すると、天然の動植物を素材とする『有機質肥料』と化学合成した物質で構成する『化成肥料』とに分けられます。

有機質肥料の特徴

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画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培


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有機肥料は、古くから使用されてきたもので、主なものには「油粕」「魚粉」「鶏ふん」「骨粉」「草木灰」などがあります。それぞれ、含有する肥料成分の割合に差がありますが、いずれも施してすぐに効果はありません。土壌微生物によって無機質に分解され、ようやく根から吸収される形となる、遅効性肥料』です。

【有機質肥料の長所】

有機質肥料は、一度には効果がないので、多少分量を多く与える場合もありますが、根を傷める心配が少なくてすみます。また、土壌生物の働きを高めるため、土を疲弊させないという長所があります。

【 有機質肥料の欠点】

有機質肥料は、分解する段階で臭いを発し、ハエがわきやすいといったことで、室内やベランダ園芸には不適とされています。

化成肥料の特徴

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画像出典:家庭菜園で有機無農薬栽培

化学的に合成された無機質肥料なので、水などに溶けるとすぐに根から吸収されます。つまり『速効性肥料』ですから、必要なタイミングに追肥として使用すると、たいへん効果的です。また、化成肥料の中でも、一度に成分が溶け出さず長期間効果が持続するよう工夫された『緩効性化成肥料』もあります。近年、家庭園芸用肥料としては、『緩効性化成肥料』が主流となっているようです

【化成肥料の長所】

化成肥料は無臭ですから、室内やベランダで使用するのに適しています。また、成分量がはっきりと計算できるため、施肥計画が立てやすいです。

【化成肥料の欠点】

化成肥料を、常用すると土を疲弊させてしまうという欠点があります。

肥料の注意点!

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商品参考画像=有限会社 緑産業

市販されている肥料には、必ず成分量が表示されています。例えば{窒素N=10・リン酸P=10・カリK=10}とあれば、窒素・リン酸・カリがそれぞれ10%ずつ含まれていることを示しています。これを見れば、どんな性質の肥料であるかが、確認できますから目的に合った肥料を選ぶことが出来ます。

窒素N・リン酸P・カリKの合計が30%以上のものを『高度化成肥料』といい、それ以下のものを『低度化成肥料(普通化成)』といいます。家庭で使用する場合は低度化成肥料が安全です

肥料濃度に注意!

肥料成分は水溶液の形になって根から吸収されますが、肥料成分が濃すぎると、「青菜に塩」の理屈で、逆に根の水分が奪われてしまうため、根を傷めてしまいます。これが『肥やけ』と呼ばれる現象です。

※肥料成分は薄いほど、根からよく吸収されます。ですから液肥を与えるときは、既定の濃度で7日~10日に一度与えるよりも、既定濃度よりさらに2倍に薄めたものを3日~5日に一度、水やりがわりに与えたほうが効果的です。

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画像出典:畑づくり:ジッチのミニ菜園

鉢花を枯らさない効果的な肥料の与え方!のまとめ

基本的に植物は、運よく育った場所で移動することなく、身の回りの栄養素を取り入れながら生長していきます。そう考えると、狭い鉢土の中の栄養素だけを頼りに生きる、鉢花の育つ環境は非常に過酷です。鉢花は、栄養素を与えてくれる栽培者(人間)だけが頼りです。せっかく育った鉢花が、できるだけ元気で長く生きられるよう大事に育ててあげてください。

※肥料は『植物のための食事』として、また、堆肥は『植物のためのより良い環境づくり』に役立ちます。ただし、草木はそれぞれ、『食べたい肥料』や『住み着きたい環境』が異なりますので、よく調べて育てることが大事です。

※肥料の使用方法は、植物の生態や栽培環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、事前によく調べる必要があります。

参考:主婦の友社 「園芸店で買った花」をすぐ枯らさない知恵とコツ


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