睡眠不足が太る体をつくる!
睡眠は身体を休める為だけのものではなく、様々なホルモンの分泌を正常に保つ上でも非常に重要です。
睡眠不足、眠りが浅いなど、眠りの質が悪くなると、ホルモンバランスが崩れ、肥満と深い関りを持つホルモンの分泌も、正常に保つことができなくなります。また、睡眠は生活パターンの基本です。この睡眠をいい加減に考えていると、なかなか痩せられないどころか、太りやすい身体になる原因につながります。
睡眠とダイエットの関係について当サイトを一読いただき、参考になれば幸いです。
※紹介しているダイエットや健康に関する内容は、多くの健康情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、効果については、個人差があること ご了承ください。
目次
熟睡がダイエットの為のホルモンを分泌させる
「成長ホルモン」「女性ホルモン」「男性ホルモン」「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」「メラトニン」「レプチン」「グレリン」「セロトニン」等が、ダイエットに効果的なホルモンと言われていますが、いつまでも若くて奇麗で丈夫な体は、このホルモンが適度に分泌されている状態です。
しかし、これらのホルモンが活発に分泌されるためには、質の良い睡眠が必要なようです。
では、どのような睡眠がよいのでしょうか?
深い眠りが成長ホルモンの分泌に働く
一般的に、「6時間~8時間、ぐっすり眠る」ことが、良いとされていますが、もっと大切なポイントがあります。
「よい眠り」の条件は、夜の10時頃から午前2時頃までに深い眠りに入っていることです。
実は、この時間帯に深く眠っていると、老化を抑える働きを持つ「成長ホルモン」がもっとも活発に分泌されるからです。
成長ホルモンは、寝ながらにして美容やダイエットに働いてくれるホルモンです。「良い眠り」を得る最大の目的はここにある、と言ってもいいでしょう。
睡眠時間を6時間以上とっていても、午前1時から寝ていては成長ホルモンの分泌は少ないので、ダイエットの効果は期待できません。また、夜10時に寝ても、寝付けなかったり、眠りが浅かったりすれば、やはり成長ホルモンの分泌量は少なくなります。
仕事や付き合いの関係で、夜10時に寝るなんてことは、難しいとは思いますが、「良い眠り」を得るために、規則正しい生活を心がけることが大事です。
ホルモンの働きについて
ホルモンは体の様々な働きを調節する物質です。体の外側・内側で環境の変化が起きても、体の働きが常に同じになるように保つ働きをしています。
ホルモンは体の中の内分泌腺というところで作られています。内分泌腺には、脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副じん、すい臓、生殖腺などがあり、それぞれに違った働きのホルモンがつくられています。
腎臓では血圧を調整するホルモンや、骨髄では赤血球を作るように刺激を与えるホルモン、脂肪組織では体脂肪を一定に保つためのホルモンなど、体の各器官で様々なホルモンがつくられています。現在、ホルモンとして確かめられているものは100種類ほどあり、さらに発見され続けています。
どのホルモンもほんの少しの量で効果を発揮します。ホルモンが必要な時期に必要な量をつくられることにより、体のバランスは保たれています。多すぎたり少なすぎたりすると、様々な病気を引き起こします。
【睡眠とダイエットに働くホルモン】
- 【成長ホルモン】
成長ホルモンはその言葉からも分かるように、“身長を伸ばすホルモン”としてよく知られています。しかし、成長ホルモンにはもう1つ重要な役割があります。それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きです(これを代謝といいます)。つまり、体脂肪を燃やしたり筋肉をつくったりするため、ダイエットに効果的に働いてくれます。また、肌のハリや艶をよみがえらせる働きもあります。 - 【女性ホルモン】
脳と卵巣の指令のやり取りがスムーズに行えて、女性ホルモンがきちんと分泌されると妊娠・出産のためだけでなく、女性としてとても嬉しい働きがたくさんあります。まず、女性ホルモンのエストロゲンがお肌のハリ・弾力に関わるコラーゲンやヒアルロン酸を作ってくれるので、ハリと潤いのある美しい肌になります。また、新陳代謝もアップしますから、痩せやすい身体を手に入れることもできます。 - 【男性ホルモン】
男性だと精巣(睾丸)でつくられ、女性も、副腎や卵巣でつくられます。性機能の他、筋肉量や筋力の維持にも関わっており、活動する力の源とも言うべきホルモンです。つまり、男性ホルモンは「若い体」「太らない」に不可欠なホルモンと言えます。男性ホルモンの減少が続くと、筋肉が痩せて、お腹周りの脂肪が増えやすい体形になってしまします。 - 【DHEA】
女性ホルモンや男性ホルモンの材料になる他、多様な働きをしています。筋力、免疫力から意欲、行動力まで、多くの機能を維持しています。このため、若々しい心身を維持するために欠かせないホルモンの一つです。DHEAの血中濃度を維持するためには、適切な休養と睡眠をとって、ストレスを和らげなければなりません。 - 【メラトニン】
体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。このメラトニンは眠りを誘うほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってくれたりするため、美肌や健康維持、病気の予防などに深く関わっています。不足すると不眠症になることも。 - 【レプチン】
食欲を抑制し、エネルギー消費量を高める働きをもつホルモンです。睡眠不足により分泌量が減少するため、睡眠不足の人は食欲の抑制が効きにくくなります。 - 【グレリン】
胃酸分泌の促進、食欲増進作用があるホルモンです。グレリンの分泌量過多の人は、食べ過ぎてしまう傾向にあります。睡眠不足になるとグレリンの分泌量が増加することが明らかになっています。 - 【セロトニン】
脳内のセロトニンが不足すると、視床下部の満腹中枢への伝達がスムーズでなくなり、食欲の抑制が効きにくくなります。セロトニン不足の原因は、睡眠不足とストレスが考えられています。
快眠+若返り食材を食べよう!
通常、人は夜になると眠り、朝になると起き、日中に活動するというリズムで生活しています。これを「睡眠・覚醒リズム」と言います。
体はこのリズムに合わせて、夜は休息モード、日中は活動モードになっています。夜遅くまで活動したり、朝遅くまで寝ていたりすると、「睡眠・覚醒リズム」が崩れて、よく眠れなくなってしまいます。
この大切な「睡眠・覚醒リズム」をつくっている物質の一つが、「セロトニン」です。
セロトニンは、脳内で情報を運ぶ神経伝達物質で、太陽の光を浴びたり、運動したりすることによって分泌が進みます。そして、暗くなると、睡眠ホルモンの「メラトニン」に変換されます。
このセロトニンの敵は、ストレスです。
過度のストレスを受けるとセロトニンの働きが悪くなり、「よい眠り」「よい目覚め」が妨げられ、睡眠トラブルとなります。
快眠のためには、日中に太陽の光を浴びることに加え、セロトニンをつくる食材を意識的に食べる必要があります。このセロトニンを増やすのに欠かすことのできない成分がトリプトファンです。
そのため、セロトニンを増やしたい場合はトリプトファンを多く含む食品を摂取することが必要になってきます。
快眠のための栄養とおすすめレシピ
脳をリラックスさせ、安眠効果を高める栄養は?
「眠らなければ」と思うほど、かえって眠れなくなってしまうもの。そこで必要となるホルモンが、前述した「トリプトファン」です。
トリプトファンは、脳内神経伝達物質のセロトニンの材料となり、脳をリラックスさせる効果があります。また、山芋に含まれる「DHEA」やカイワレ大根に含まれる「メラトニン」などの食材に安眠効果があります。
【トリプトファンとは?】
トリプトファンは必須アミノ酸の一つで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの材料になります。寝つきをよくしたり、鎮痛効果や精神を安定させたりする作用があります。牛乳や乳製品、卵、大豆製品、ナッツ類等に多く含まれています。
トリプトファンとカルシウムの快眠レシピ
甘味のあるかぼちゃでほっこり!
【かぼちゃの牛乳スープ】
緑黄色野菜を代表するかぼちゃは、カロテンやカルシウムが豊富で、いろいろな調理法で使いたい食材です。
牛乳と水を沸騰させないように煮るのがコツ。トリプトファンを含んだくるみのコリコリとした食感が心地よい。
【材料】
- かぼちゃ=1/8個
- 牛乳=100㏄
- 水=100㏄
- はちみつ=小さじ2
- くるみ=20g
【作り方】
- 1㎝の厚さの食べやすい大きさに切ったかぼちゃと牛乳と水を鍋に入れ、沸騰させないように煮ます。
- 柔らかくなったら、はちみつを加えます。
- 器に盛り、くるみの粗みじんを振って完成です。
快眠のための栄養とおすすめレシピ-参考書籍
- 株式会社マガジンハウス:Dr.クロワッサン
食材の組み合わせが病気や不調を治す(2015年12月25日発行)
質の良い眠りを得るために!
人は朝起きて朝日を浴び、その1時間以内に朝食を食べると、中枢と末梢の体内時計がシンクロしてリセットされます。
これで活動と休養リズムが整い、規則正しくヘルシーな食生活が送れるようになります。
週末に平日より遅くまで寝ていたり、朝食を食べたり食べなかったりといった不規則な暮らしをしていると体内時計が狂い、食欲を抑制しているホルモンのバランスが悪くなり、過食を招く恐れがあります。
さらに、睡眠時間が足りないということは、起きている時間が長いということなので、それだけ食べる機会が増えてしいます。
毎日の起床時間を決めて、体内時計が正しく働くようにすることで、よい睡眠が得られ、太りにくい食習慣になります。
よい眠りとダイエットとの関係|睡眠不足が太る原因に!のまとめ
快眠・快食・快便がダイエットには、一番いいようです。ただ、世の中はストレスが多く、快眠・快食・快便が難しくなっているようです。
ストレスは、ホルモンバランスが乱れる元です。
ストレス軽減のためにも、よい睡眠を心がけてください。嫌なことがあった日は、さっさと寝るに限りますね。
【注意事項】
紹介している食材の使用や健康法を実践する場合、ご自身の体調を考え、注意した上でおこなってください。また、体調に異常や不安を感じた場合は、速やかに中止し、医師に相談してください。
よい眠りとダイエットとの関係|睡眠不足が太る原因に!-参考書籍
- 株式会社祥伝社:月間『からだにいいこと』10 2015
- 株式会社三笠書房:40代からの「太らない体」のつくり方
- マガジンハウス:Tarzan-№693