ポインセチアの育て方ポイント!
ポインセチアはクリスマスを飾る花の代表格です。クリスマスとの関係は17世紀ごろ、ポインセチア原産地でもあるメキシコのフランチェスコ修道会の僧が、ポインセチアを誕生祭の行列に使うようになったのが始まりとされています。
短日性の植物なので、美しい葉を楽しむためには、一日のうちで暗い状態を13時間以上、段ボールなどで覆うことが必要です。9月下旬から40日~60日間、毎日欠かさず夕方5時~翌朝8時まで、いっさいの光を遮断することで、葉がきれいに色づきます。
自宅のお部屋に、真っ赤な植物があると、まさにクリスマス気分です。
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目次
ポインセチアの特徴と育て方
主に流通している園芸品種に、ドイツのグートピア系やアメリカのエキスポイント系があります。基本種は赤ですが、枝変わりによるピンク、マーブル、白があり、霜降り状になるジングルベルなどもあります。
ポインセチアの性質・特性
ポインセチアはメキシコの山地原産の『ユーフォルビア・プルケリマ』を改良してつくられました。野生種は軽い霜に当たっても枯れないぐらいの耐寒性がありますが、園芸品種は寒さに弱いので、最低温度10℃以上の管理が必要です。1年で枯らしてしまうことが多く、草花のように扱われていますが本来は低木です。
派手に色づいた花びらに見える部分は葉っぱ(苞葉)です。花は葉(苞葉)の中心にある黄色い部分の、つぶつぶ状のもので、花びらは持ちません。ポインセチアは日の長さや気温など条件が揃うと茎の先端に花をつけて、葉っぱ(苞葉)が色づきます。
性 質:非耐寒性常緑低木
分 類:トウダイグサ科 / トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
苞 色:赤・桃・黄など
別 名:猩猩木 (ショウジョウボク)
観賞期:12月~3月
原産地:メキシコ
ポインセチア栽培方法
ポインセチアは短日性の植物なので、一般的に、1日のうちで夜のように暗い状態が12~13時間以上になると開花準備に入り、この日照サイクルが約40日間続くと開花し、葉が色づき始めます。
この事を知らずに夜間明るい室内に置いてしまっていると、いつまでたっても「咲かない(色づかない)」ポインセチアになってしまいます。ですから、自宅で楽しむには、人工的に光を遮断する『短日処理』を行う必要があります。
栽培のポイント【短日処理】
ポインセチアの短日処理は9月下旬頃から40日間、毎日欠かさず夕方17時~翌朝7時まで、ポインセチアを段ボールなどで覆い、人工照明を含む、一切の光を遮断するようにします。
ここで忘れてならないのが、日中は、よく日に当てることです。決して段ボールなどの覆いを取り忘れないようにしてください。
一般的に、ポインセチアの短日処理期間は目安として約40日間ですが、葉が完全に色づくのに約60日間ほどかかります。面倒でなければ、葉の色が完全に色づくまで『短日処理』を行ってください。
根気のいる作業ですが、葉がきれいに色づいて成功したときは本当にうれしいです。
栽培置き場所
短日処理をする時期は、昼間、良く日光に当てるようにしてください。あまりに日当たりが悪いと下葉がすべて落ちてしまいます。ただし、真夏の直射日光は避けるようにしてください。
ポインセチアは、大変枝が折れやすい植物です。ポインセチアの置き場所を決める際には、強風や人の動きで、枝折れしないような場所を選んでください。
冬に入手した開花株は、日当りのよい室内に置きます。寒さに弱いので最低温度10℃を保ちますが、暖房器具の温風が直接当たらないようにしてください。
窓辺や玄関は冷え込むので、夜は厚手のカーテンを引いたり、窓から離すなどして、室内であっても冬の冷気には配慮してください。
用土・肥料
【用 土】
水はけと水もちのよい有機質に富んだ土を好みます。赤玉土中粒5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土などに、リン酸分の多い緩効性化成肥料(N窒素6:Pリン酸40:Kカリ15)を適量加えるとよいです。
【肥 料】
5月から7月は液体肥料(N窒素6:Pリン酸10:Kカリ5)を施し、8月から10月に緩効性化成肥料(N窒素10:Pリン酸10:Kカリ10)を施します。基本的に2月~3月は生育がほとんど止まってしまうので肥料を与える必要はありません。
肥料のN-P-Kとは |
窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の3つを含んだ肥料を複合肥料と呼び、窒素・リン酸・カリウムのNーPーKのように記載されています。 例えば9-9-9はそれぞれが9%ずつ含まれていることを意味し、合計が30%以上のものは「高度化成肥料」と呼ばれます。 |
水やり
乾燥に強いものの、過湿を嫌います。水を与えすぎず、乾かし気味に管理するのが長く楽しむコツです。
冬、土が湿っているのに葉がしおれていることがあります。この場合は寒さのためにしおれているので、あわてて水を与えずに、暖かい場所へ移動させましょう。
2月から5月の新芽が出始めるまでは、生育を休止して水を吸わなくなりますので、特に乾かし気味にします。
植え替え
ポインセチアは毎年、3月から5月に、根鉢を少しくずして植え替えます。このとき、新しい土で一回り大きな鉢に植え替えます。
【ふやし方】
ポインセチアは、『さし木』でふやすのが一般的で、適期は6月頃です。
本葉を3~4枚つけて先端の芽をカミソリで切り取ります。蒸散を防ぐため、葉は1/2の大きさに切っておきます。茎の切り口から流れ出る乳液を水で洗い流し、発根剤をつけてパーライトとピートモスの等量配合土などにさします。
発根するまで20日ほどかかるので、こまめに葉水をかけるとよいでしょう。
発根が確認出来たら 4号鉢か5号鉢(直径12cmから15cmの鉢)に植え替えてそのまま育てます。8月頃に一度切り戻しをおこない、ワキ芽を生長させるようにしましょう。
発生しやすい病害虫
【害虫:オンシツコナジラミ、アブラムシ、カイガラムシ】
ポインセチアの病気で近年増え始めたが「オンシツコナジラミ」です。葉の裏側に付く白い小さな虫で、大量に発生すると「すす病」の原因にもなります。室内で管理していると葉裏に発生しやすく、風通しをよくすると発生しにくくなります。発見したらすみやかに園芸用の殺虫剤等で駆除してください。
アブラムシは通年、新芽に発生します。
カイガラムシは通年、茎や葉のつけ根に発生します。歯ブラシなどでこすり落とします。
参考動画:ポインセチアの育て方
ポインセチアの花言葉
出典:http://www.parsley-na.com/
花言葉=祝福・幸運を祈る
ポインセチアの花言葉は『祝福』・『幸運を祈る』ですが、この言葉は、今年の無事を『祝福』し、来年の『幸運を祈る』年末のクリスマスシーズンにふさわしい花言葉だと思います。来年もきっといい年であるようポインセチアを一家に一鉢、置いてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ポインセチアの代表色でもある赤を好む人は心理学的に『積極的で、強い意志を持ち、退屈することが嫌いで、決断も早いく、自分の目的に向かって努力することをいとわない人』となっているようです。消極的な人は、ちょっと人生の流れを変えるのに、赤いポインセチアを置いてみるといいかもしれませんね。
ポインセチアの育て方と花言葉
【クリスマスカラーを楽しむ草花】のまとめ
ポインセチアの光の遮断事態は簡単な作業です。しかし、毎日欠かさず続けるのは、なかなか大変です。根気のいる作業ですが、今年は、秋からクリスマスまで、ポインセチアの光遮断に挑戦してみてはいかがでしょうか。ただし、ポインセチアの色づきのために、帰宅を焦ってトラブルにならないよう要注意です。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉