百日草(ヒャクニチソウ)の育て方や特徴を紹介!
百日草というと、昔ながらの盆花、供花のイメージがあるかもしれませんが、花壇やコンテナなどに適した矮性の品種もたくさん流通しており、夏のガーデニング素材として、ジニアという花名でも呼ばれ人気があります。
目次
百日草/ジニアの特徴と育て方
百日草は、種をまいて夏から秋に花を楽しむ『春まき一年草』として扱います。元は、メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物で、学名であるジニアという花名でも知られています。日本には江戸時代末期に入ってきましたが、栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったようです。
百日草は現在、豊富な花色と種類があり花壇などにも広く利用されていますが、数多い品種の中で、日本で百日草の名前でおなじみなのは、ジニア・エレガンスとその園芸品種です。
別 名 | ジニア |
科 名 | キク科 / ヒャクニチソウ属(ジニア属) |
分 類 | 一年草 |
開花期 | 6月~10月 |
草 丈 | 15㎝~100㎝ |
百日草の種類
百日草の主な品種に『高生大輪咲き』『高生中輪咲き』『小輪多花性』『矮性種』などがあります。
園芸的に多く利用されている種類は、エレガンス(ヒャクニチソウ)・リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)・プロフュージョン(エレガンスとリネアリスの種間雑種)・ハーゲアナ(メキシコヒャクニチソウ)です。いずれも生育旺盛で、夏花壇に重宝します。
5月から花つきのポット苗が流通しますが、春にタネを蒔けば夏から梅雨明け後に定植できる大きさの苗に育ちます。
百日草ダリア咲き
やや幅の広いヘラ状の花びらが何枚も重なり、整った形をしています。最もオーソドックスな系統です。
百日草ポンポン咲き
小さな花弁がたくさん重なって半球状に盛り上がります。
百日草カクタス咲き
より合わせたような細長い花びらが少しよじれたように、たくさん付きます。
百日草の育て方ポイント
栽培置き場所
百日草は、日当たりと風通しのよい場所で育ててください。
日照不足になると極端に花付きが悪くなります。鉢植えであれば、梅雨時期に軒下など雨が当たらない場所へ移動させてください。
用土・肥料
【用 土】
水はけのよい土なら、さほど選ばずによく育ちます。鉢植えの場合、水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。市販の草花用培養土7、腐葉土2、牛ふん堆肥1の割合で配合するとよいでしょう。
【肥 料】
植えつけ時に緩効性肥料を元肥として施すとともに、追肥として液体肥料を10日に1回程度施します。開花期間が長いので、肥料は途切れさせないようにしてください。肥料は苗がある程度の大きさ(本葉5~6枚)に育ってきたら与えはじめ、秋頃まで続けます。
タネ蒔き・植え付け
【タネ蒔き】
発芽温度は品種によりやや幅がありますが、20℃~25℃とおおむね高温なので、4月中旬以降が蒔き時です。時期が早すぎたり、気温が低いと芽が出にくいです。タネは大きいので、ビニールポットに2-3粒ずつ蒔いて発芽したら間引いて1本にして苗を作るか、箱などに蒔いて、小さな頃に一度仮植えして育ててもよいでしょう。
【苗の植え付け】
苗の植え付けは気温が十分に上がってから行います。タネから育てる場合、本葉5~6枚くらいの大きさの苗が植え付け頃です。分枝が多い品種は株が横へ広がっていくので、30cmくらいの間隔をとって植えつけます。
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。強い乾燥状態に合うと株全体が弱ってしまい花が小さくなるので、乾きやすい真夏は気をつけましょう。ただし、水やり時の、泥のはね返りは病気の原因になりやすいので、マルチングするか、株元に静かに水やりするなど、配慮してください。
発生しやすい病害虫
百日草は、泥のハネ返りなどにより『斑点細菌病』がよく発生します。病気に侵された株は早めに処分します。また、茎、葉、つぼみなどが粉をはたいたような白い菌糸に覆われる『うどんこ病』が発生する場合があります。
うどんこ病は、植物の生長を妨げるので、発生が見られたらすぐに殺菌剤をまいて、それ以上広がらないように被害を抑えてください。
その他、株が蒸れると『灰色かび病』や『立枯病』が出やすいので、風通しよく育ててください。
※アブラムシやハダニが高温乾燥時に、よく発生するので発見次第駆除してください。
お手入れ/管理
【花がら摘み】
咲き終わった花は傷んでくるうえに余計な栄養がとられ、その後に咲く花が小さくなります。咲き進んできたら、早めに摘み取ってしまいましょう。
【切り戻し】
一通り花が咲き終わって盛りが過ぎたら、花をつけていた茎を1~2節残して短く切り詰めます。そうするとワキから芽が出てきて再び花を咲かせます。茎を長く残して先端だけ切り詰めた場合、出てくる芽の勢いが弱くちゃんとした花が咲かないことがあります。短く切り戻した方が、元気な芽が出てきます。
【マルチング】
雨や水やりの差違、泥がはねて茎葉に付くと土中の細菌が原因となり病害虫が発生しやすくなります。庭植えの場合は、降雨による泥のはね返りを防ぐため、バーク堆肥などでマルチングをするとよいでしょう。
参考動画:ヒャクニチソウの育て方
百日草(ジニア)の花言葉
画像出典:かご猫 Blog
花言葉=別れた友を思う
学生時代に別れた友との思い出は、いつまでたっても色あせないものです。
百日草も夏から秋の間、長期間咲き続け色あせません。この百日草が長期間咲き続けるということは、長期間生き続けているということです。
別れた友を思い、再び会いたいのであれば、百日草のように出来るだけ長く元気に、生き続けなくてはなりません。
もし、40年後・50年後に友と再会できたなら、生きててよかったと思うことでしょう。となると、長生きの秘訣は、百日草を育て別れた友を思うことかもしれませんね!
百日草の育て方と花言葉
【夏に咲くガーデニング草花】のまとめ
花がら(咲き終わった花)や枯れた葉や枝を取ることは、見た目を美しくするばかりでなく、病気や害虫を防ぐためにも効果的です。また、咲き終わった花を摘み取ってタネができないようにすると養分が取られないので、草花は次々と花を咲かせるようになります。
草花をより楽しむためにも、日頃から、こまめにお手入れするよう心掛けてください。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
- 参考=ヤサシイエンゲイ:ジニア(ヒャクニチソウ)の育て方
- 参考=みんなの趣味の園芸:ジニア
- 参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉