ユリの花言葉と育て方のポイント紹介!
ユリ全体の花言葉は『子の愛・孝心』です。
端整な花形をもつユリは花色も豊富で、宗教的な伝説に登場することもあり清純・華麗・豪華など様々な印象を与え、多くの人々に親しまれています。
切り花はもちろん鉢植えにしても観賞価値の高い花として人気があります。
【ユ リ】
性 質:ユリ科ユリ属(リリウム属)
分 類:球根/多年草
花 色:橙・黄・白・赤・桃 など
開花期:5月~8月
原産地:北半球のアジアを中心にヨーロッパ、北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯
目次
ユリの花言葉
ユリの花言葉の多くは、キリストの伝説から由来されています。
キリスト教では、ユリはエデンの園を追われたイブが流した後悔の涙から生まれたとされています。
【ユリの花色別 花言葉】
- 白 色=【純潔・高貴】
- 赤桃色=【虚栄心】
- 黄 色=【不安】
白色ユリの花言葉=【純潔】の由来
白いユリは聖母マリアに捧げられた花であるとから『純潔』のシンボルとされています。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「受胎告知」でも、神の子の懐妊を告げる大天使ガブリエルの左手に白いユリが描かれています。
赤・桃色ユリの花言葉=【虚栄心】の由来
磔刑(たっけい)が決まったキリストが花園を歩いていると、多くの花がキリストの運命を嘆いて首を垂れる中、ユリだけは自分の美しさが慰めになると、誇らしげに頭を上げていました。しかしキリストに見つめられると自分の思いあがりに気づき、赤くなって首をうなだれたといいます。花色が赤色・桃色のユリの花言葉『虚栄心』はこの伝説が由来となっています。
ユリ(百合)の品種
【ユリの花は花形から以下の4つのタイプに大別されます。】
テッポウユリ系
出典:http://yohi.exblog.jp/9898271
ラッパ形とも言われ、主にアジアに多く分布する系統です。筒状の長い花が横向きに咲きます。『テッポウユリ』『ササユリ』『オトメユリ』『タカサゴユリ』『リーガル・リリー』『マドンナ・リリー』などがあります。
ヤマユリ系
出典:http://yasounikki.exblog.jp/
ロート形とも言われ、日本に自生する系統で、じょうご形の花を横向きに咲かせます。『ヤマユリ』『サクユリ』があります。
スカシユリ系
茶碗形で花弁と花弁の間が透けているのが特徴で、そのまま花名になっています。世界に広く分布し、カップ状の花を上向きに咲かせます。『ヒメユリ』『エゾスカシユリ』などがあります。
カノコユリ系
花弁が反転して球形になる独特の花形です。世界に広く分布し、花は下向きに咲き、花びらは思い切り上に反り返ります。『カノコユリ』『マルタゴン・リリー』などがあります。
現在流通しているものの多くは、スカシユリ系のアジアティックハイブリッドとカノコユリ系のオリエンタルハイブリッドと呼ばれるもので、それぞれに多数の園芸品種があり、最近ますます多彩になってきています。
ユリの品種別 栽培方法
枯れた花をそのままにしておくとタネができますが、タネを作るために株はたくさんの栄養を必要とします。このとき、球根は栄養不足となり、十分に太れず、翌年は花が咲かない場合もあります。
翌年も花を楽しみたいのであれば、必ず開花後は、花の付け根の部分で摘み取ってください。
茎が長く伸びて倒れそうなら支柱を立ててください。
ユリの置き場所
- 【日向を好む品種】=テッポウユリ系・スカシユリ系
- 【明るい日陰を好む品種】=ヤマユリ系・カノコユリ系
鉢植えの場合、梅雨と春秋の長雨に当てないよう、鉢を軒下へ移動するなどして配慮してください。
ユリの品種別 用土
- 【重い粘土質に適す品種】=テッポウユリ系
- 【軽めの有機質に富んだ土に適す品種】=ヤマユリ系・カノコユリ系
- 【砂質で水はけのよい土に適す品種】=スカシユリ系
鉢植えの場合、水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適していますが、ユリの種類によって、砂質土壌と腐植質を多く含んだ粘土質土壌を調合します。
特に球根が腐りやすい野生種などを植える場合は、鹿沼土や日向砂、桐生砂を多めに混ぜます。園芸品種であれば、市販の草花用培養土でかまいません。
ユリの植え付け
植えつけ適期は10月~11月です。ユリは球根の下から出る「下根」と上から出る「上根」という2種類の根を持っています。
特に上根は水分と養分を吸って茎葉を育てる大切な役割がありますので、植え付けが浅いと、上根が十分に根を張れずに全体の生育が落ちます。
【庭植えの場合】
土壌を深さ30cm以上よく耕し、球根の高さの2~3倍の深さに植えつけます。2~3年は植え替え不要です。
【鉢植えの場合】
球根直径の約3倍の直径で、深さのある鉢を選びます。鉢底石を多めに敷いて、球根1個分の深さに植えつけます。上根を十分に張らせることがとても重要です。毎年植え替えてください。
ユリの肥料と水やり
【水やり】
球根を植えつけた時に、水やりをしたあとは、庭植えの場合は雨にまかせますが、鉢植えの場合は鉢土の表面がよく乾いたときにたっぷりと水やりします。花後も葉が枯れるまでは、土が乾かないように水やりを続けてください。
【肥 料】
庭植えの場合は緩効性化成肥料を1㎡当たり100g、鉢植えの場合は緩効性化成肥料を用土1リットル当たり2gを元肥として施します。生育期間中は、2週間に1回程度液体肥料を施します。
ユリの病気と害虫
ユリに発生しやすい病気・害虫 | |
球根腐敗病 | 葉の緑色が薄くなり、その後暗紫色に変色して株が枯れます。 |
青カビ病 | 貯蔵中の球根に茶色の斑点が現れ、やがて腐ります。 |
葉 枯 病 | 長雨が続くような湿度が高い時期に、葉や蕾に白っぽい小さな斑点が現れ、やがて茶色に変色して広がり、株が枯れます。 |
ウイルス病 | 葉に緑色の濃淡の筋が現れたり、葉が縮れたり、株が萎縮したりします。最も厄介な病気で、発病した株は抜き取り処分します。 |
ワタアブラムシ | 茎が伸び始めるころから発生し、若い葉や蕾の周辺に多くつきます。発生予防として、植えつけ時に浸透移行性の殺虫剤の粒剤を施用してください。 |
参考動画:ユリの育て方
参考動画:ユリ球根の植え方
ユリ(百合)の花言葉と品種や育て方
【夏に咲くガーデニング草花】のまとめ
ユリは日本でも、かなり古くから親しまれている花で、日本最古の歴史書である古事記に『神武天皇がユリを摘んでいる娘に惚れて嫁にした』という記述があり、ユリと日本人の関わりの深さを感じます。また、この記述から古来より日本でもユリは『純潔』の象徴だったことがうかがえます。
神武天皇が惚れて嫁にした娘は、どれほど美しい女性だったのか? 想像するしかありませんが、ユリにも劣らぬ美しさであったことは、間違いないようですね。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈
もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。他で紹介する花言葉と異なる場合もあります。
参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉