福寿草の育て方・栽培ポイントを紹介!
福寿草の花言葉=『幸せを招く』
福寿草は本来、旧暦の正月前後(現在の2月中旬)に咲く花で、古くは「正月草」という名でしたが、後に幸福と長寿を祝う花として福寿草と名付けられました。
年の瀬になると松やマンリョウなどと一緒に出回りますが、黄色の花は見た目にもめでたく、『花言葉』『花名』共に新年の飾りに相応しい縁起の良い花として親しまれています。
※お正月に出回る福寿草は促成栽培され、開花を早めています。
福寿草の特徴と育て方
福寿草は、日本原産の毎年花を咲かせる多年草で、自然環境下では3月~4月に開花します。「福を招く」というおめでたい名前から、お正月の鉢花としても人気が高く、園芸店のみならず、年の瀬の夜店などで地掘り苗が売られています。
福寿草の性質・特性
福寿草は、開花時期のこぢんまりとした姿を見ると小型の植物のように感じますが、花後に大きく葉を広げ、根は非常に長くて太いのが特徴です。
福寿草の花びらはパラボラアンテナのように、ゆるいお椀型になっており、この花びらを使って太陽光を花の中心に集め、そこで発生する熱で虫を誘引しています。その為、太陽光に応じて花びらを開閉(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)させます。
【福寿草(フクジュソウ)】
性 質:多年草(宿根草)
分 類:キンポゲカ科フクジュソウ属
花 色:黄・橙
別 名:元日草(がんじつそう)・朔日草(ついたちそう)
原産地:北海道~本州
福寿草の栽培方法
【福寿草の栽培ポイント】
福寿草は本来、根が大きいのですが、販売苗は意外に根が切られているものが多くあります。苗選びはその後の成長に差が出るので、鉢植えなら、なるべく芽のしっかりした大きめの株、地掘り苗なら根がたくさんある株を選ぶと成長がよいでしょう。
蕾付きの鉢植えを購入した場合、蕾が黄色く色づいているのに花が咲かない場合があります。これは単純に日光不足か、そうでなければ蕾を被っている薄皮を乾燥させてしまったことが原因と考えられます。もし、薄皮が乾燥してしまった場合は花を傷つけないように先の細いもので薄皮をやぶると花が咲きます。
栽培置き場所
福寿草は、落葉樹林の下や明るい木もれ日を好みます。
花は日に当たると開き、夜間や曇りの日は開きませんので、開花時期はできるだけよく日の当たる場所で育てましょう。
【庭植えの場合】
夏の時期に日陰になる落葉樹の下などが適しています。落葉樹と落葉樹の間に植え込むと自然に繁殖し、春に先駆けて美しい花を咲かせてくれます。
耐寒性はありますが、凍結には注意してください。
【鉢植えの場合】
芽出しから開花までは午前中、日の当たる場所に置き、葉が固まるころからは、ゆるやかな風の流れる明るい日陰や、木もれ日の下に置きます。
室内に置いている場合、日の射し込まない場所だと、パッと綺麗に花が開かないので、開花期には窓辺など日のよく当たる場所に移動させてください。
夏前には落葉するので、地上部が枯れたら棚下などへ移動させて、ゆっくりと休眠させましょう。
用土・肥料
【用 土】
水はけの良いことが大切です。赤玉土(小粒)5:腐葉土3:桐生砂(もしくは軽石の小粒)2の割合で混ぜた土を使用します。もしくは鹿沼土の単用でも育てることができます。土には植え付ける前にあらかじめ長く効く粒状肥料などを混ぜ込んでおきます。
【肥 料】
植え込みの際に、元肥として緩効性化成肥料を1株当たり数粒入れると効果的です。
芽出しが始まったら置き肥をします。同時に2週間に1回液体肥料を施すとよいでしょう。鉢植えも庭植えも同様です。
肥料は花が終わってから地上部が枯れる梅雨ごろまで、1000倍に薄めた液体肥料を週1回の割合で与えます。生育期時期の肥料不足は翌年の開花に影響します。
水やり
【鉢植えの場合】
芽出しから葉のある時期はたっぷりと水を与えます。ただし、早い時期から開花するものは、凍結により花弁が傷むので、花に水がかからないように注意します。
花後の水やりは、通常は1日1回でよいでしょう。
落葉後の多湿は禁物ですが、極端な乾燥も芽の成長を妨げるので、常に適度の湿り気を感じる程度の水やりをします。
【庭植えの場合】
フクジュソウの根は水を吸う力が弱く、しかも乾燥を嫌います。土の表面が乾いていたらたっぷりと水を与え、根を乾かしすぎないようにしましょう。生育期はもちろん、地上部の枯れた休眠期であっても土の湿りけが必要なので、水を与えるのを忘れないようにしましょう。開花時期は花に水をかけないようにしましょう。花が傷むおそれがあります。
植え替え
福寿草の植え替えは、毎年か2年に1回、秋(9月~10月)に行います。この時期は地上部が枯れてしまって土中の根だけの状態になっています。鉢から抜くと、順調に生育している株なら、長い根がたくさん生えているはずです。古く傷んだ根茎や根は除去しますが、あまり根を切りつめてはいけません。
福寿草の根は水を吸う力が弱いので、根が少なくなってしまうと、充分に水を吸えなくなって、最悪の場合枯れることもあります。
植え替えるときはできるだけ根を大切に扱いましょう。
増やし方
【株分け】
植え替えの際に株分けをします。
あまり小さく分けずに、手で分かれる程度とします。芽が密集している株は、自然に分かれるもの以外は無理して分けないほうがよいでしょう。
【タネ蒔き】
タネは花後に金平糖状に結実します。タネは未成熟で腐りやすいので、蒔いてから1週間は覆土をせずにそのまま管理し、その後に1㎝程度に覆土をして、棚下でコケが生えないように管理します。
翌春に双葉が発芽し、早いものでも開花までタネ蒔きから4年は掛かると思ってください。
発生しやすい病害虫
【白絹病(しらきぬびょう)】
夏に発生しやすい病気で、発生すると株元が白い糸のようなもので覆われ、株全体の生育が衰えてその後、枯れてしまいます。土壌に繁殖する病原菌で、発生してしまったら、かわいそうですがその株は抜いて処分してしまいましょう。
【害 虫】
ナメクジやヨトウムシの食害、アブラムシの発生が見られます。見つけしだい捕殺してください。
参考動画:フクジュソウを咲かせるコツ
福寿草の花言葉と育て方
【初春の縁起の良い花】のまとめ
福寿草の花言葉どおり『幸せを招く』のであれば、一家に一鉢は絶対ほしい花ですよね。
本当に幸せを招いてくれるかは分かりませんが、お正月に福寿草が自宅にあるだけで、なにかを期待してしまい幸せな気分になります。
福寿草が自分の手元にあることで、まるで、宝くじを買ったような気分になりますが、福寿草には当選発表がないので、いつまでも期待して、花を眺めて楽しむことが出来ます。
『幸せを招く』には、まず、心ウキウキして、願い、期待する気持ちが大事だと思います。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。