辛夷(コブシ)の育て方|庭木におすすめの春を告げる樹木

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コブシの特徴や育て方、花言葉を紹介!

つぼみを割るように咲く純白のコブシの花は、春の喜びを感じさせます。
花名は、咲き始めの つぼみの形が、子供の握り拳に似ていることからきているようです。
日本各地に自生する花木ですが、その美しさから観賞用として親しまれています。

辛夷(コブシ)の特徴と育て方

開花時期は3月~5月

コブシは落葉性の樹木で、高さは大きくなると20mにも達します。
3月中旬頃に葉が出てくる前に6枚の花びらを持った大きくて白い花をたくさん咲かせます。
花には芳香があり、満開時期の枝いっぱいに花を付けた様子は遠目からもよく目立ちます。
葉が大きいため夏場に木陰を作る街路樹などとして公共のスペースに植えられることも多い。


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コブシの育て方

コブシは、生長が早くて病害虫の心配もあまりなく丈夫で、タネから簡単にふやすことができます。ただ、成長が遅く、実生から育てると開花までに10年近くかかります。
庭木としても扱われますが、大きくなる樹木ですので それなりのスペースが必要です。

本州に自生する近縁種のシデコブシ(別名:ヒメコブシ)と、その園芸品種は比較的樹高が低く収まり、庭木として利用されています。

栽培場所

耐寒性、耐暑性があり、北海道から九州まで広い範囲に植栽できます。ただし、大きく育つため、十分に広い場所が必要です。

半日陰の場所でも育ちますが、日のよく当たる場所に自生する陽樹ですので、良好に生育させて花を咲かせるためには、日当たりのよい場所に植えつけます。
コブシは根が粗く、細根が少ないので、成木の移植は困難です。将来の大きさを考えて、植え場所を選びましょう。

用土

腐葉土などの腐植質に富んだやや湿潤な土壌でよく育ちます。

土質はあまり選びませんが、やせ地や乾燥する場所は適しません。やせ地だと十分に成長できず枝も出ないので、花付きが極端に悪くなります。

水やり

植えつけ後、しばらくの間は乾いたら与えますが、その後は必要ありません。
(適地に植えていたら特に水を与える必要はありません。)

肥料

木が若いうちは、成長期の5月、充実期の9月中旬から下旬、休眠期の1月に、緩効性化成肥料や固形の油かすを施します。9月はチッ素分の少ないものを施してください。

基本的に、肥料を吸う力も強いので木が十分に成長してしまったら特に追肥をしなくてもよく育ちます。

植えつけ

根が比較的粗く一度植え付けてしまったら移植を好みません。生長を想定して植えつけてください。

植えつけは2月下旬~3月頃が適期です。ただし、寒冷地では根が充分張っていない状態で寒さに遭うと枝枯れを起こしてしまうことがあるので、充分暖かくなった4月中旬以降に行った方が無難です。

植えつけの際は、元肥として腐葉土や完熟堆肥などをすき込み、根を切らないように注意しながら根鉢を1/3ほどくずして、深植えにならないように植えつけます。


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剪定

自然に広卵形の樹形になりますが、スペース的に大きくできない場合や形を整えたい場合は、花後、新葉が出る前に剪定を行います。
成木になると樹の内側に向かって伸びるふところ枝やまっすぐ上に伸びる立ち枝など、樹形を乱す枝が出てきますので適宜切り落として整枝します。

小さく仕立てたい場合は長く伸びすぎた枝を短く切り詰めますが、三年以上前の古い枝は切っても芽が吹かないこともあるので、あまり太い枝を切るのは避けた方がよいでしょう。

≪剪定の注意点≫

6月頃には翌年の花芽が形成されるので、枝を切る場合は花の咲き終わった直後が適しています。また、枝を切った場合、切り口から雑菌が入りやすいので、癒合剤を塗っておきます。

癒合剤(ゆごうざい)=枝抜き(剪定)跡に残る傷口を早く癒すために塗る薬剤。傷口の乾燥を防ぐようペースト状に練られたものが一般的。

花芽の形成について

コブシは木が大きくなると隔年開花(2年に1回しか花を咲かせない)の症状が出ることがあります。花芽が極端に多く付いたときは、秋~冬にかけてつぼみを半分くらい摘み取ってあげると、それ以降は毎年花を付ける場合もあります。

辛夷(コブシ)の花言葉

コブシには「友情」「友愛」「信頼」などの花言葉があります。

コブシは「田植え桜」「田打ち桜」とも呼ばれており、花言葉は、人との協力や繋がりを要する米作りには欠かせない言葉にも思えます。

コブシは、日本人の生活に密着しており、昔からコブシの花が咲くと、田植えの準備に取り掛かったといわれています。また、俗説ですが、花が上向きで晴天、下向きで雨といったことで天気占いにも使われていたようです。

辛夷(コブシ)の育て方
|庭木におすすめの春を告げる樹木のまとめ

春と言えば、「梅」「桜」が代表格ですが、コブシも忘れてはなりません。
春の心地よい季節に咲くコブシの花の良い香りは、日本人の本能なのか、新旧が入れ替わる人生の節目のようなものを思わせます。

花言葉の「友情」「友愛」は、若き日に感じることはありましたが、歳を重ねるごとに、そんな言葉が世の中にあることさえ忘れてしまいがちです。
コブシの香りで、若き日の新鮮な気持ちを思い出し、なにかいい刺激になればいいですね!

※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。

※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。

【記事参考】


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