夏の風物詩アサガオの育て方・あんどん仕立!
アサガオというと、小学校での栽培や、夏休みの観察日記を思いだす方も多いと思います。
日本へは、奈良時代に遣唐使が種子を薬用として持ち帰ったのが、最初とされています。
江戸時代になると武士や商人といった裕福な層だけでなく、庶民の間でもアサガオ栽培が流行し、多くの園芸品種が作出されました。
※東京都台東区の真源治で毎年7月始めに開かれる『入谷朝顔まつり』では、江戸時代のアサガオの流行を垣間見ることができます。
目次
アサガオの特徴と育て方
【アサガオ】
性 質:一年草・宿根草/耐寒性
分 類:ヒルガオ科イポメア属(サツマイモ属)
別 名:イポメア(学名)・ケンギュウカ
花 色:赤・白・青・紫など
原産地:熱帯アジア
アサガオは、「ツルを伸ばす夏の早朝花」というイメージがありますが、世界的に見ても、アサガオほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他になく、「昼間に咲くもの」「ツルの伸びないもの」「秋に咲くもの」など非常にバラエティーに富んでいます。また、花色も単色だけではなく、縁取り、絞りや斑点模様がはいるものなどがあり、非常に豊富な花姿があります。
アサガオの種蒔きからの栽培方法
【アサガオ栽培日程】
- タネ蒔き:5月
- 植え付け:6月
- お手入れ:7月にあんどん仕立て
栽培の場所
日当たりと風通しのよい場所で育ててください。ただし、耐暑性はありますが、真夏は日中葉がしおれやすいので、西日を避けましょう。なお、短日植物であるため、夜間に照明が当たらないように注意しましょう。
タネ蒔き:5月
蒔く時期は、5月中旬から下旬で、発芽適温が20~25℃なので早蒔きは禁物です。
タネは表皮が硬い(硬実種子という)ので、蒔く前に、タネのへそを傷つけないように注意してヤスリなどで種皮の一部を削っておきます。ただし、市販のタネは発芽しやすくする処理がすでに施されているものも多いので、タネ袋の解説をよく読みましょう。
蒔き床の用土は赤玉土小粒を使います。一晩水に浸して大きくなったタネを蒔いて1㎝くらい覆土し、水をたっぷり与え、日当たりのよいところで乾かさないように管理します。
植え付け:6月
双葉が開いたら、3~4号鉢に移植し、本葉が4~6枚出たら6~8号鉢に定植します。このときの用土は赤玉土6:腐葉土3:バーク堆肥1混合土にします。
開花までの作業
本葉が8~9枚出たら、本葉5枚か6枚を残して先端を摘み取ります。
【肥 料】
定植後からつぼみが見えるまで、薄い液肥を月に2~3回施します。花がつき始める7月中旬からは肥料を中止します。
【水やり】
開花近くまでは、水やりを控えめにして、つるが徒長しないように管理してください。
花が咲き始めたら乾かさないようにたっぷりと水やりします。
生育旺盛となる夏は、朝夕の水やりが必要となります。気温が高くならないうちに行いましょう。
アサガオ・あんどん仕立ての方法
1.【ツルの生長を抑え花芽がつくようにする】
- アサガオはツルが生長している時は、栄養分がつるに全部取られてしまう為、花芽をつけません。
- ツルの成長を抑える為、あんどん仕立て中は、リン酸、カリ分の多い液体の肥料を週1回ペースで与えます。
- 水やりも朝1回だけにして、花芽がつくまで回数を控えます。
2.【摘芯のタイミングを逃さない】
- 本葉が8枚まで育った時に1回目の「摘芯」を行います。この時、下から数えて5枚目ぐらいの本葉の上で先端を切ります。
- 芯を止めると残った葉脈から新しいつる(子ツル)が、2~3本伸びてきます。20cmほど伸びたら一番つぼみが多いつるを残し、後のツルは根元から切り落とします。
- 子ツルが支柱よりも高く伸びてきたら、もう一度摘芯を行います。
すると孫ツルが何本か伸びてくるので、一番花芽が多い孫ツルを残します。
3.【ツルの巻き方に気をつける】
- ツルは時計の針と反対方向に支柱に巻き付けていき、ツルの伸びに合わせて、下の輪から順番に巻き付けます。最上段の輪を巻き付け終わったら、わき芽を出すためにツルの先端を切ります。
- 棒とワッカ状の支柱が組み合わせで出来ている、市販の「アサガオ支柱」を利用すると仕立てが楽になります。
参 考:栽培Q&A
アサガオの花言葉
花言葉=はかない恋・固い絆
花言葉の「はかない恋」の由来はは花が短命であることから。また「固い絆」は、支柱にしっかりとツルを絡ませることからきたものです。
子供のころ学校で、アサガオの観察をした記憶はありますが、短い時間を美しく生きるアサガオの「生き様」を観察することはありませんでした。
アサガオの、この美しい「生き様」は、大人が観察しなければならないようです。
アサガオの育て方と花言葉
【夏に咲くガーデニング草花】のまとめ
アサガオは日本で古くから親しまれている草花ですが、日本原産の植物ではなく、奈良時代に中国から渡来し、薬草として用いられたのが始まりです。
観賞用として楽しまれるようになったのは江戸時代で、大きな花の「大輪アサガオ」や、葉や花がユニークに変化した「変化咲きアサガオ」が大流行しました。
アサガオは、つる性の一年草で、あんどん仕立てや、つるを長く伸ばしてカーテンのように仕立てる方法が代表的です。(つるが伸びない矮性の品種もあります。)
花色には白やピンク、青、紫のほかに、覆輪部(ふくりんぶ)と花弁の中心に向かって筋状に白い模様が入る「曜白(ようじろ)」と呼ばれる模様などもあります。さらに、花の大きさも巨大輪から小輪まであり、変化に富んでいます。色とりどりのアサガオを見ると、本当に感動させられます。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。他で紹介する花言葉と異なる場合もあります。
参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉