夏のガーデニング代表花
インパチェンスは夏のガーデニングの彩に欠かせない花のひとつです。品種にもよりますが、一般的に高温多湿に強く、半日陰でもよく育つため初心者でも育てやすい花です。
庭植えやコンテナ植え、また下垂性があるため、ハンギングにも適しています。
色や花姿が豊富で熱帯の花らしく、夏の庭を鮮やかに演出してくれます。
画像出典:販売サイト=園芸ネット
目次
インパチェンスの特徴と育て方
【インパチェンス】
性 質:一年草または常緑低木
分 類:ツリフネソウ科ツリフネ属
別 名:アフリカ ホウセンカ
花 色:赤・紫・桃・白・複色 など
原産地:アフリカ東部
通常インパチェンスと呼ばれているのは、アフリカ東部原産の『アフリカホウセンカ』とその園芸品種です。本来は毎年花を咲かせる常緑多年草で低木状に育ちますが、寒さに弱く霜の降りる頃には枯れてしまうことが多いので、日本では一年草として扱うのが一般的です。
インパチェンス栽培方法
日光を好みますが、乾燥に弱いので、水切れに注意し 真夏は直射日光を避けてください。、次々と花が咲くので、花ガラ摘みを忘れないようにしてください。また、開花期が長いので肥料切れしないように2週間に1回程度、液肥を施してください。
寒さに弱く、気温が5℃を切ると枯れてしまいます。一年草として扱うのが一般的ですが、元来は毎年花をさかせる多年草で、乾燥気味に管理し気温を保てば冬越しは可能です。
【栽培日程】
開花時期:6月~10月
栽培場所:日向(真夏は半日陰)
タネ蒔き:4月中旬~5月中旬
植え付け:5月~6月
栽培のポイント
基本的に「日陰でも育つ」性質をもっていますが、本来は日光を好みます。
春と秋は日当たりと風通しのよい場所で育ててください。
夏は午前中、十分に日が当たり、午後からは明るい半日陰になる場所へ移します。
秋になったら徐々に日光に慣らして日当たりで育てるといいでしょう。
耐寒性がないので、11月に入ると生育が衰え、やがて枯死します。株を冬越しさせて残したい場合は、よく日の当たる暖かい室内に取り込みます。
一重咲きの品種は花壇でもよいですが、八重咲きの品種は雨に弱いので鉢植え栽培をおすすめします。
苗の選び方
インパチェンスの苗は十分に暖かくなる5月以降に、購入してください。
大きく伸び過ぎたものより、関節が短くよ締まったものを選びます。下葉の落ちたものや、葉が黄色くなったものは避けます。
置き場所
鉢植えにしている場合、暑くなる梅雨明け頃からは、風通しのよい明るい半日陰の涼しいところに置いてください。
11月頃になると花も少なくなって、そのままで戸外に置くと枯れてしまいますが、10℃以上ある日当たりのよい室内で、管理すると、冬越しも可能です。
用 土
沃な土を好みます。赤玉土(小粒)6:腐葉土3:堆肥1の割合で混ぜた土や草花用の培養土を用います。
鉢植えの場合、市販の草花用培養土などを利用し、さらに牛ふん堆肥を1割ほど加えるとよいでしょう。
植付け
プランターで栽培する場合、植付けは10㎝間隔に、5号鉢では、2株を目安に植付けてください。春から秋まで栽培する場合は、途中で植え替える必要はありません。
鉢の中が根でパンパンになったら、根詰まりを起こして水はけが悪くなってしまいます。
この場合、根鉢のまわりの土と根を軽く落とし、新しい用土で1~2回り大きな鉢に植え替えます。苗の植付けは、霜の心配がなくなる5月以降がいいでしょう。
水やり・肥料
【水やり】
鉢植え株の場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水やりします。庭植え株は、葉と花に、やや張りがなくなってきたころが水やりのタイミングですが、夏は日中には行わず、午前中か夕方に水やりします。
【肥 料】
次々と花を咲かせているときには追肥します。水やりの回数が頻繁な季節は微量要素が流出しやすいので、置き肥が望ましいですが、生育がゆるやかなときはチッ素分の少ない液体肥料を水やり代わりに施してもよいでしょう。
病気と害虫
【病気:灰色かび病】
多湿になると灰色かび病がよく発生します。茎葉や花に灰褐色のカビを見つけたら、こまめに取り除きます。
【害虫:アブラムシとハダニ】
アブラムシは、つぼみや新芽、茎に発生して吸汁して植物を弱らせます。
ハダニは高温乾燥期に発生しやすい小さな虫で、主に葉の裏に付き吸汁して植物を弱らせ、被害がひどい時は枯らしてしまいます。
どちらも薬剤を散布して駆除しますが、ハダニは葉にたっぷり水をかけて湿度を保つことである程度発生を予防できます。
参考動画=育て方・ 植え付け
参考動画=育て方・摘芯
ニューギニア インパチェンスの特徴
インパチェンスの仲間でよく栽培されているものに、『ニューギニアインパチェンス』があります。 本種は高地に自生しているため、その性質を受け継ぎ、やや暑さを苦手としています。
野生種は草丈が高くなるものが多いですが、園芸品種の多くは草丈20cm~30cmくらいから花が咲きはじめます。葉は先端のとがった長楕円形で、葉色は緑、濃緑、銅色などがあり、中心が黄色で緑の縁取りが入る斑入り種もあります。
通常のインパチェンスより株が大きく、1株でも見栄えのする鉢植えに仕立てることができます。葉、花、株姿などの変異に富み、バラエティー豊富なところも魅力です。
※主に鉢植えで出回るニューギニア インパチェンスは、暑さ・寒さに弱いので、管理には注意してください。
インパチェンスの花言葉
花言葉=強い個性
インパチェンスの花名はラテン語で「我慢できない」という意味で、成熟した実に触れると、はじけてタネを蒔き散らすことに由来しています。
とかく『強い個性』を持つ人は『我慢できない』人をイメージしがちですが、『強い個性』=『強い信念』という見方もできます。
『強い信念』を持つ人は、現状に我慢できず、さらに良い方向を目指すため、目先の欲を、すべて我慢する傾向にあります。
インパチェンスの咲き誇る花姿を見ると、まだまだ現状に我慢できないで、いつまでも咲き続けようとする、並はずれた『強い個性』を感じます。
インパチェンスの育て方と花言葉
【夏~秋に咲くガーデニング草花】のまとめ
インパチェンスは初夏から秋まで咲く春まき一年草です。北向きの玄関や日陰の花壇、ビルの間のスペースなど、日当たりの悪い場所でも、比較的よく育ちます。
花は一重から半八重、八重咲きまであり、花色も豊富です。また、生育が早く、株がこんもりとドーム状に盛り上がって、株いっぱいに花を咲かせる姿はとても豪華です。
インパチェンスは育てやすい花でもあるので、ガーデニング初心者の方にはおすすめです。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。他で紹介する花言葉と異なる場合もあります。