夏から秋の彩り豊かな一年草の花16種を紹介!
一年草は、タネを蒔き発芽してから開花して結実するまでのサイクルを一年以内に終えます。
タネを付けた後は枯れるので、毎年、タネや苗から新たに育てることになります。
多くの種類を植えたいなら、市販の苗を利用するのが便利です。しかし、タネから育てて植物のライフサイクルを実感するのも、また違った楽しみがあります。
一年草は種類が豊富で、色替わりや新種も多く出回るのが魅力です。開花期も長く、次々と花が咲くものが多いのでガーデニングには欠かせません。
目次
夏から秋に咲く育てやすい一年草16選!
鉢植えやコンテナのメインになるカラフルな草花たち!
一年草には、春にタネを蒔いて、夏から秋に花が咲き冬が来るまでに枯れる「春まき一年草」と、秋にタネを蒔き、翌春に花が咲いて夏頃までに枯れる「秋まき一年草」があります。
ここで紹介する一年草は「春まき一年草」です。
春から夏は、植物の生長が早い時期です。鉢やコンテナに寄せ植えするときは株を少なめにしておくと、株が大きく生長して、最盛期に次々と花を咲かせます。
※原産地では宿根・多年草でも、日本の気候で冬越しが難しいものは、春まき一年草として紹介しています。
アゲラタム
糸のような芯花が美しい!
糸のように細い芯花が集まって咲く、やわらかいイメージの花です。
花色は青紫、桃、白など。
花は春から秋まで連続して咲き続けます。
鉢植えに向く草丈20㎝くらいの矮性種、草丈50~60㎝の高性種などがあります。
アゲラタムの楽しみ方と管理
【開花期:5月~10月】
春に花つき苗を買い求めると便利です。
苗は株の締まった しっかりしたものを選びます。
3月下旬~4月にタネを蒔いて育てることもできます。
大きめのコンテナなどに群植するとよく映えます。
アゲラタムの育て方ポイント
鉢花を買い求めたら、できるだけ日当たりの良いところに置いて、鉢土の表面が乾いたら たっぷり水を与えます。
開花期が長いので、開花中も月に2~3回、薄めの液肥を施します。
【タネから育てる場合】
- 3月下旬~4月にタネを蒔きます。
- 本葉2~3枚になったら、鉢やプランターに移植します。
- どんな土でも、比較的よく育ちますが、水はけと水もちのよい用土がベストです。
アンゲロニア
初夏から秋まで長く楽しめる草花!
初夏から秋まで次々と花を咲かせ、長く楽しめるおすすめの草花です。
30cm程度の草丈が低い品種は、プランターや花壇の前面に、1m程度になる高性の品種は、花壇の背景に利用できます。
アンゲロニアの楽しみ方と管理
【開花期:6月~10月】
中央アメリカから南アメリカの熱帯から亜熱帯に約30種が分布し、その多くが原産地では多年草ですが、日本では戸外で冬越しが難しいので、一年草として扱われます。
暑さと強い日ざしによく耐えますが、半日陰でも育ちます。
アンゲロニアの育て方ポイント
- 水はけがよく保水力のある土を好みます。
- 用土は、赤玉土(中粒)5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土などを用います。元肥として、リン酸分の多い緩効性化成肥料を適量混ぜて植えつけましょう。
- 追肥として6月~10月は月2~3回のペースで液体肥料を与えます。
- 鉢土の表面が乾いてきたら、たっぷり水を与えましょう。
- 花を長期間咲かせ続けるには、肥料切れさせないことと、乾かしすぎないことがポイントです。
インパチェンス
華やかに茂る夏花の代表花!
こんもりと茂り、株を覆うように花をつけます。
栽培が容易で初夏から秋まで咲き続ける、夏の代表的な花です。
一般的に多く栽培されているのが南アフリカ原産のもので、別名に「アフリカホウセンカ」があります。
本来は多年草ですが、寒さに弱いため、春まき一年草として扱われます。
花色が豊富で、花つきのよい品種がたくさん出回っています。
【ニューギニア・インパチェンス】
インパチェンスの仲間になる、ニューギニア・インパチェンスは、高冷地に自生する原種をもとに育成された園芸品種です。インパチェンスと比べて、株、葉、花ともに大きく、生育おう盛で、エキゾチックな印象です。また、豊富な花色に加え、葉にも黄色の中斑が入る品種があるなど多彩です。
インパチェンスの楽しみ方と管理
【開花期:5月~10月】
インパチェンスは、十分に暖かくなる5月以降に苗を求めます。
苗購入の際は、大きく伸びすぎたものより、関節が短くよく締まったものを選びます。下葉の落ちたものや、葉が黄色くなったものは避けましょう。
インパチェンスの育て方ポイント
- 植えつけ=赤玉土、ピートモス、バーミキュライトを当量配合した用土を用い、プランターで10㎝間隔、5号鉢で2株を目安に植えつけます。
- 置き場所=日当たりを好みますが、暑くなる梅雨明け頃からは、風通しのよい明るい半日陰になる涼しいところに置きます。(夏でも涼しい環境であれば、日なたに置いても よく咲きます。)
11月になると花も少なくなって、そのまま戸外に置くと枯れてしまいますが、10℃以上ある日当たりのよい室内で管理すると、越冬します。 - 肥料=開花期が長いので、肥料切れしないように1週間に1回液肥を施します。
- 株の手入れ=花を長く楽しめるように、こまめに花ガラ摘みを行います。
夏に生育が止まったものは秋に備えて、8月下旬頃に1/2くらいに切り詰めます。
(切り詰めた枝を挿し穂にして、川砂などに挿して増やすこともできます。)
カリブラコア
株を覆うように無数の花を咲かせる!
カリブラコアはペチュニアによく似た小輪花を、長期間咲かせる草花です。園芸植物としての歴史は浅いものの、短期間のうちに急激に品種改良が進んでいます。花色が豊富で、ペチュニアにはない、鮮やかな黄花やオレンジ花、チョコレート色の花もあります。
カリブラコアの楽しみ方と管理
【開花期:4月~11月】
多年草としての性質があり、茎が木質化して低木状になる園芸品種もあります。
さし芽で小苗をつくって冬越しさせれば何年も楽しめますが、次第にウイルス病に侵されて花や葉にモザイクなどの症状が出て観賞価値が下がるので、一年草として扱ったほうがよいでしょう。
カリブラコアの育て方ポイント
- 通年、日当たりと風通しのよい場所で管理します。
- 有機物に富んだ、水はけのよい、弱酸性土を好みます。水はけをよくするために、鉢底石を入れてください。
- 植えつけ時に元肥として緩効性肥料を忘れずに施します。
- 病気の原因となる泥はねを防ぐため、鉢を土の上に直接、置くのを避けたり、少し高い場所に置いたりするとよいでしょう。
- 土の表面が乾いたら たっぷり水を与えます。
- 多肥を好むので、3月から11月の生育期は緩効性肥料を定期的に追肥してください。液体肥料も2週間に1回程度施しましょう。
ケイトウ
華やかな雰囲気が魅力の花!
熱帯アジア原産で、日本の高温多湿な気候に適応し、古くから栽培されています。
炎のような鮮やかな花色で夏から秋の花壇を彩ります。
花姿がニワトリのトサカに似ていることから「鶏頭」と呼ばれ、花房の先端が平たく帯状や扇状に大きく広がり、これがよく目立つのが大きな特徴です。
ケイトウの楽しみ方と管理
【開花期:7月~11月】
矮性の品種が鉢花では、人気です。
初夏の頃から出回るポット苗は、花穂の色が鮮やかで、葉色の濃いものを選びます。下葉が枯れていたり、変色しているものは避けましょう。
花色が豊富なケイトウだけを寄せ植えしたり、季節の草花と寄せ植えしたりすると、コンテナが華やかになります。
ケイトウの育て方ポイント
- 日によく当てると、花色が冴えるので、日当たりと風通しのよい場所に置きます。
(梅雨の時期は雨の当たらに場所に置きましょう。) - 生育旺盛で開花する夏に水切れさせてしまうと、成長が著しく衰えるので土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
- 肥料は植え付ける際にゆっくりと効くタイプの肥料を混ぜ込んでおきます。以降は花が咲き出す頃に少量の肥料をやる程度で十分です。
(肥料の与えすぎは、花が十分咲かなかったり花姿が乱れるので気をつけましょう。)
【タネから育てる場合】
- 発芽には高温を必要とするので、気温が十分に上がる5月にタネを蒔きます。
- 移植に弱いため、ポット蒔きか直播きにします。
- 本葉5枚~6枚で定植しますが、根鉢は崩さないように注意します。
コスモス
日本の秋の代表花!
日本で親しまれているコスモスは、『コスモス・ビピンナツス』という種類になります。この『コスモス・ビピンナツス』は、日が短くなると花芽をつける短日植物なので、夏にタネを蒔き、秋に花を楽しむのが、一般的です。
しかし、近年は、それほど日の長さに影響されずに開花する早生品種が主流になっており、春にタネを蒔いて夏から開花を楽しむケースも増えています。
コスモスの楽しみ方と管理
【開花期:6月~11月】
最近のコスモスは、夏に咲く『早生品種(早咲き系)』と従来通り秋に咲く『晩生品種(遅咲き系)』に、分かれています。
タネから育てると、好みのものを育てることが出来ます。
タネ袋にある花色や咲く時期をよく見て選んでください。
コスモスの育て方ポイント
- 生育期間を通して、風通しのよい日向で よく育ちます。
- 鉢植えの場合、赤玉土6:腐葉土4程度の配合土か草加用培用土に植え付けます。
- 早咲きのタネは4~5月に、遅咲きはのタネは6~7月にタネを蒔きます。秋にならないと開花しない晩生品種を早い時期にタネ蒔きすると、開花する秋までに草丈が高くなりすぎるので、8月に入ってから蒔くとよいでしょう。
- 窒素分の多い肥料を与えすぎると、草丈ばかりが伸びて、倒れてしまいます。
肥料はリン酸・カリ分の多い液肥を月に2回施します。花が咲きはじめたら、肥料は控えてください。 - 生育期間を通して、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
サルビア
夏のガーデニングに欠かせない!
サルビアは、夏から秋にかけての代表的な草花です。サルビアの特徴は、その燃えるような真赤な花色にあり、濃緑の葉とのコントラストも美しく、特に秋の涼しくなった頃に、いっそう赤色が映えてきます。
サルビアの楽しみ方と管理
【開花期:6月~11月】
タネが市販されていますが、ポット苗が4月~5月に出回るので、これを求める方が簡単です。関節が詰まって締まったもので、株元がぐらついていない、しっかりしたものを選ぶようにしてください。
鉢植えの場合、コンパクトな草姿のものがよいでしょう。プランターや大きめのコンテナに植えたり、花色を引き立てるシルバーリーフなどと寄せ植えすると引き立ちます。
草丈の高いものは花壇に植えるとよいでしょう。
サルビアの育て方ポイント
- 日当たりのよい場所のほうが生育がよく、花つきもよいのですが、真夏の直射日光に当たり続けると株が弱り生育が衰えます。
真夏は午前中に日があたり、午後からは陰るような場所が適しています。 - 水切れさせると生育が悪く、下葉が枯れ上がる原因となります。用土が乾き始めたら水をたっぷりと与えてください。
- 乾燥しすぎると花がポロポロ落ちてしまいます。また、枯れ落ちた下葉からハダニが発生しやすくなるので、水切れしなように注意してください。
- 生育がおう盛で開花期間も長いので、定期的に肥料を施します。
肥料が切れると生育が止まり、花も咲かなくなります。月に1回、緩効性肥料を置き肥するか、または、月に3回ほど液体肥料を施します。
ただし、真夏は暑さで生育が鈍るので、肥料は控えめにしてください。
百日草/ジニア
夏のガーデニング素材として人気の花!
百日草というと、昔ながらの盆花、供花のイメージがあるかもしれませんが、花壇やコンテナなどに適した矮性の品種もたくさん流通しており、夏のガーデニング素材として、ジニアという花名でも呼ばれ人気があります。
百日草の楽しみ方と管理
【開花期:6月~10月】
百日草は、種をまいて夏から秋に花を楽しむ『春まき一年草』として扱います。
園芸的に多く利用されている種類は、エレガンス(ヒャクニチソウ)・リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)・プロフュージョン(エレガンスとリネアリスの種間雑種)・ハーゲアナ(メキシコヒャクニチソウ)です。いずれも生育旺盛で、夏花壇に重宝します。
5月から花つきのポット苗が流通しますが、春にタネを蒔けば夏から梅雨明け後に定植できる大きさの苗に育ちます。
百日草の育て方ポイント
百日草は、日当たりと風通しのよい場所で育ててください。
日照不足になると極端に花付きが悪くなります。鉢植えであれば、梅雨時期に軒下など雨が当たらない場所へ移動させてください。
- 【用 土】=水はけのよい土なら、さほど選ばずによく育ちます。鉢植えの場合、水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。
- 【肥 料】=植えつけ時に緩効性肥料を元肥として施すとともに、追肥として液体肥料を10日に1回程度施します。開花期間が長いので、肥料は途切れさせないようにしてください。
- 【タネ蒔き】=発芽温度は品種によりやや幅がありますが、20℃~25℃とおおむね高温なので、4月中旬以降が蒔き時です。
- 【苗の植え付け】=苗の植え付けは気温が十分に上がってから行います。タネから育てる場合、本葉5~6枚くらいの大きさの苗が植え付け頃です。
- 【水やり】=土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。強い乾燥状態になると株全体が弱ってしまい花が小さくなるので、乾きやすい真夏は気をつけましょう。ただし、水やり時の、泥のはね返りは病気の原因になりやすいので、株元に静かに水やりしてください。
千日紅
色あせない花色が楽しめる!
千日紅は細い茎の先に咲く、ボンボンのような直径2㎝ほどの丸い花をつけます。
長い期間、花の色を失わないないことから千日紅と言われていますが、花期の長さだけではなくドライフラワーにしても美しい花色を保つことができます。
千日紅の楽しみ方と管理
【開花期:6月~11月】
千日紅は、花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく※苞(ほう)を観賞します。
暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。
庭や花壇、鉢に植えて育てたものが、切り花としてよく仏壇に飾られます。また、フラワーアレンジメントにも欠かせない素材です。
※一見、花と思われる苞は、花柄のすぐ下にある、葉の変形したものです。花を保護する役割があり、つぼみを包んでいた葉のことをいいい、苞葉(ほうよう)ともいいます。
千日紅の育て方ポイント
- 日当たりのよい場所が適しています。日照不足になると花付きが悪くなります。日陰で湿度の高い場所は、育ちにくい上に病気にかかりやすいので避けてください。
- 鉢植えの場合、赤玉土(中粒)5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土など、水はけのよい土を好みます。元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を適量混ぜて植えつけましょう。
- 葉色がやや薄い場合などは薄めた液体肥料を与えますが、肥料が多いと花付きが悪くなるのでやり過ぎないようにしましょう。
- 土の表面が乾いてきたらたっぷり水やりします。やや乾燥気味を好むので、過湿にしないように注意してください。
ナスタチウム
丸い葉と鮮やかな花が美しい!
和名のキンレンカは漢名の金蓮花をそのまま日本語読みしたもので、鮮やかな色彩の花と蓮のような葉っぱに由来します。
独特の香りでアブラムシを遠ざけるといわれ、コンパニオンプランツとして利用されることもあります。
ナスタチウムの楽しみ方と管理
【開花期:5月~7月・9月~11月】
本来は つる性の一年草ですが、あまり伸びない矮性品種のほうが多く流通しています。(出荷時に矮化剤処理されている場合がほとんどで、購入してから1ヶ月くらいたつと矮化剤の効果が薄れ旺盛に伸び始めることもあるようです。)
葉、花、果実、種子は辛みと酸味があって食用になり、サラダや彩りによく利用されます。花は一重、八重のものがあり、葉に斑が入る品種もあります。
春にタネを蒔くと初夏から秋に開花しますが、高温多湿に弱いので、夏に枯れたり、草姿が乱れたりします。切り戻して無理に咲かせるよりも、タネ蒔きの時期を少しずらして若い株を次々に咲かせるほうが きれいにできます。
ハンギングバスケットなどに植え、風通しよく管理するとよいでしょう。
ナスタチウムの育て方ポイント
- 日当たりのよい場所を好みます。日当たりが悪いと充分生長せず、花付きも悪くなります。ただし、真夏の強烈な日射しに当てると、暑さで夏負けして生育が衰えてしまうので、夏だけは風通しの良い明るい日陰に移動させます。
- 土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、他の草花に比べると若干乾かしぎみに管理します。(水をやりすぎると ひょろひょろに育ったり、葉っぱばかり茂って花が咲きにくくなります。)
- 肥料は、植え付ける際に土の中に少量混ぜ込みます。追肥として、花の咲く時期に2週間に1回くらい水で薄めた液体肥料を与えます。(肥料は与えすぎると花つきが悪くなるので控えめに。特にチッソ分が多いと葉ばかり茂り花数が少なくなります。)
五色トウガラシ
カラフルで愛らしい実を楽しむ!
香辛野菜として お馴染みのトウガラシの変種で、鑑賞用に作りだされた園芸品種です。
観賞用のトウガラシは江戸時代には既にあったとされています。
五色トウガラシという品種群は、ひとつの株で色づき具合の異なる果実が美しいコントラストを演出します。
代表的な品種に果実に紫色が混じる『五色旭光』があります。
その他にも、小さな円錐形の果実がかわいらしい『夢祭り』、果実が黄色く色づく『花祭り』、葉っぱも果実も黒に近い紫色の『ブラックパール』、葉っぱに白や紫の模様が入る『ホットパープル』などがあります。
五色トウガラシの楽しみ方と管理
【鑑賞期:7月~10月】
初夏からポット苗や実をつけた鉢植えが出回ります。購入の際は、実をたくさんつけたもので、下のほうの葉もよく茂ったものを選びます。
葉が黒いものや、斑入りの葉などもあり、色づいた実が長く楽しめるので、単体で楽しむのはもちろん、季節の草花との寄せ植え材料にも最適です。
五色トウガラシの育て方ポイント
- 購入した株は、風通しがよく、できるだけ日当たりのよい場所に置きます。
- 実がある程度熟して着色してからは、半日陰や室内に置き、時々、日に当てるだけでも十分楽しめます。
- 過湿を嫌うので、鉢土が乾いてから、たっぷり水を与えます。
【タネから育てる場合】
- 高温を好むので、4月下旬頃に箱まきにして、室内に置いて発芽させます。
- 本葉2~3枚で移植し、本葉5~6枚で定植します。
- 実が色づくまでまでは、液肥を週に1回施し、肥料切れに注意します。
ニチニチソウ
吊り鉢やプランターで楽しめる!
花は短命で3~5日しか保ちませんが、盛りの時期には毎日絶え間なく新しい花を咲かせるところから、ニチニチソウ(日々草)の名前があります。
矮性、高性、這い性の3タイプがあるので、用途に合わせて品種を選んでみましょう。
日本では霜の降りる頃に寒さで枯れることが多いので、一年草として扱います。
ニチニチソウの楽しみ方と管理
【開花期:6月~11月】
高温と日照を好む乾燥に強い丈夫な植物なので、夏の花壇には欠かせない存在です。
鉢植えは、日当たりと風通しのよい場所に置きます。
鉢やプランターで育てるときは、草丈25㎝程度に育つ矮性種がおすすめです。
ニチニチソウの育て方ポイント
- ポット苗を植える時は、根鉢を崩さないで植えつけます。
- 群植すると映えるので、プランターや大きめのコンテナに植えるのがおすすめです。
- できるだけ日当たりのよいところに置きます。
- 鉢土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 病気の原因となる泥はねを避けるために、一段高い場所や、すのこ、人工芝などを敷いた上に置くとよいでしょう。
- 窒素分の多い肥料を施すと、葉ばかり茂って花をつけなくなるので、肥料は育ち具合を見て、リン酸、カリ分の多い液肥を月に2回施します。
- アブラムシとハダニがつきやすいので、薬剤を散布して防除します。
- タネから育てるときは、4月下旬~5月上旬にタネを蒔き、本葉が出たら移植して栽培します。
バーベナ
真夏の炎天下でも よく育つ!
花が少ない真夏の炎天下でも、生育おう盛で春から晩秋まで咲き続けます。
本来多年草ですが、耐寒性がやや弱いことから、日本では園芸的に『一年草』として扱われる品種と、比較的耐寒性のある『宿根草(多年草)』となる品種とがあります。
バーベナ(一年草)の楽しみ方と管理
【開花期:6月~11月】
株が疲労すると、開花が止まることがあります。特に、春に1ヶ月ほど咲いた後や、夏の暑さで弱ってくると1ヶ月以上、開花しない場合もあります。
極力、株に負担がかからないよう、枯れた花は葉茎ごと切り落とし、タネ作りの為の栄養を取られないようにしてください。
バーベナの育て方ポイント
- 場所を移動できる鉢植えが適しています。
- 春と秋は屋外の日当たりのよい場所に置きます。暑さに弱いので夏は風通しのよい明るい日陰が適しています。
- 水はけがよく、通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。市販の草花用培養土6、腐葉土3、牛ふん堆肥1の割合で配合するとよいでしょう 。
- 元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ、定期的に固形肥料を置き肥するか、液体肥料を2週間に1回程度施します。
- 土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。ただし、バーベナは乾燥に比較的強く、じめじめした多湿を嫌うので、水の与えすぎには注意してください。
ベゴニア・センパフローレンス
コンテナの寄せ植えにも使いやすい!
ベゴニア・センパフローレンスは、四季咲きベゴニアとも呼ばれ、ベゴニア属のなかでも最もなじみのある種類です。
街角や公園で花壇苗として多く利用され、小柄な草姿に鮮やかな花色がメリハリのある模様をつくり出します。
ベゴニア・センパフローレンスの楽しみ方と管理
【開花期:4月~11月】
開花期間が長く、春から霜が降りる晩秋まで咲き続けます。さらに暖地であれば、軒下などで冬越しすることもあります。
春を中心に、花のついたポット苗が手頃な価格で園芸店に並ぶので、それを5月に植えつけます。市販のタネを春にまいても夏から開花します。
ベゴニア・センパフローレンスの育て方ポイント
- 日当たりと風通しのよい場所で育てます。春から日ざしに慣らしてきた株は夏の強い直射日光にも耐えますが、急に強い日ざしにさらすと葉焼けを起こすので、夏は建物の東側などで管理します。
- 梅雨明けの前後で環境ががらりと変わると、一時的に見苦しくなりますが、軽く切り戻しておけば、秋には回復します。
- 鉢植えの場合は、表土が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりします。
- 用土にはあらかじめ緩効性化成肥料を元肥として混ぜておきます。
- 夏と冬を除き、生育旺盛な株には緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を施します。生育が衰えている株には肥料は施しません。
ペチュニア
ガーデニング初心者におすすめの草花!
ペチュニアはコンテナや花壇などでおなじみの草花です。枝垂れるものやこんもりと茂るもの、大輪~小輪、八重咲きなど、いろいろな園芸品種があり、毎年育てていても飽きません。成長が早くて丈夫なので、初心者にもおすすめです。
ペチュニアの楽しみ方と管理
【開花期:5月~11月】
現在ペチュニアは、非常に多くの品種があり、花色も赤・桃・白・紫・青・黄などのほか、白い覆輪や縦縞の入るもの、中心に黄のぼかしが入るものなど多彩です。
元来ペチュニアは、雨で育成不良や、枯れる事が多々あることから人気は今ひとつでした。
しかし、日本の気候に適応できるよう、品種改良した「サフィニア」が現れると、人気が高まり、園芸各社で品種改良の競争が進んでいます。
ペチュニアの育て方ポイント
- 日当たりの良い場所で育てますが、雨に当たると すぐに花びらが裂けたり、花色がはげ落ちてしまうので、あまり強く雨の当たらない場所がよいです。
- 鉢植えは、病気の原因となる泥はねを防ぐために、鉢を土の上に直接置くのを避けたり、少し高い場所に置いたりするとよいでしょう。
- 元肥として緩効性肥料を忘れずに施します。
- 肥料を切らすと花つきが悪くなるので、生育期は緩効性肥料を定期的に追肥し、液体肥料も2週間に1回程度施してください。(夏に多湿で元気がない場合、肥料を与えても十分吸収できないので、肥料は控えてください。秋に涼しくなって、元気に芽を伸ばすようになったら再び与えるとよいでしょう。)
- 土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因となるので注意してください。
マリーゴールド
夏~秋の花壇には欠かせない!
主に春にタネをまき、夏~秋に花を楽しみ、冬前には枯れる一年草です。
マリーゴールドは鮮やかな黄色や橙色の花を長期間次々と咲かせます。栽培も容易で、花壇の定番品目ともいえるポピュラーな花です。
ボリューム感があり、マッス植えや花壇の縁取り、コンテナ植えなど、広い場所から小さなスペースまで、華やかさを出すには好都合な草花です。
マリーゴールドの楽しみ方と管理
【開花期:6月~10月】
春からポット苗や鉢植えのものが出回ります。花色を見て好みのものを選びますが、伸びすぎたものや、下葉が黄色くなったものは避けます。
一重、八重、カーネーション咲き、クラウン咲きなどの花姿があり、花色と花姿の組み合わせで実に多彩な品種があります。
草丈は20㎝程度に収まるものから2mを超すものまで様々です。
マリーゴールドの育て方ポイント
- 日陰では、花つきが悪くなるので、十分に日の当たる場所に置きます。
- 鉢土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 花期が長いので、10日に1回窒素分の少ない液肥を水やり代わりに施します。
(窒素過多は花つきを悪くします。むやみに追肥を行わないこと。) - 花ガラは、こまめに摘み取ります。
- 夏になって花の数が少なくなってきたら、草丈の半分ほど切り戻して追肥を施すと、晩秋まで花を楽しむことができます。
夏から秋に咲く一年草ガーデニング花16選のまとめ
植物には、様々な特徴から いろいろなグループに分類されますが、花や葉、果実などを鑑賞する目的で栽培する場合は園芸的な分類をしています。これは、植物的な分類とは異なり、栽培上のポイントに基づいた分類で、生存期間の長さと栽培の共通性から「一年草・二年草」と「多年草・樹木」に大別されるほか、多肉植物、観葉植物、ラン類など用途による分類もあります。こうした分類から、植物のライフサイクルや生長のパターンを知り、計画的に草花を育てることが大事です。
栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
【記事参考】
- 成美堂出版:はじめてのコンテナガーデン
- 主婦の友社:「園芸店で買った花」をすぐ枯らさない知恵とコツ
- 株式会社西東社:これだけは知っておきたい園芸の基礎知識
- NHK出版:みんなの趣味の園芸https://www.shuminoengei.jp/