ダリアは夏~秋の園芸花の代表!
ダリアは、花の形や色、大きさのバリエーションが豊富で、その多彩ぶりは、他の花を圧倒しています。開花期が長く、比較的育てやすいので、夏~秋のガーデニング草花としておすすめです。
目次
ダリアの特徴と育て方
ダリアは豪華で力強く咲く大輪種から、優雅な中輪種や可憐な小輪種、シンプルな一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。
栽培も比較的容易で開花期も長く、特に花色が鮮明で花数の多くなる秋には、花壇の主役になります。
※ダリアは地中に根が肥大した球根があり、春植え球根として扱われますが、一年草のようにタネから育てられるミニタイプの品種も多数育成されています。
性 質 | キク科 テンジクボタン属 |
分 類 | 球根/多年草(一年草のようにタネから育てられる品種も多数育成されています) |
別 名 | テンジクボタン(天竺牡丹) |
草 丈 | 極高性=150cm以上・高性=120cm~150cm・中高性100cm~120cm・中性=70cm~100cm・中矮性=50cm~70cm・矮性=50cm以下 |
開花期 | 6月中旬~11月(真夏は咲きにくい) |
原産地 | メキシコ・グアテマラ |
ダリアの育て方
球根の植え方
- ダリアの球根は、小さなさつまいものような形をしており、細い首になっている方に芽があります。植え付け適期は3月下旬~4月が適期です。
- 土にはあらかじめ肥料を混ぜ込んでおきます。球根は寝かすような感じで、芽の方を上にして、やや斜めにして植えます。
- 植え付けと同時に支柱を立てておき、茎が伸びてきたら、ひもで緩く固定していきます。
- 庭植えの場合、植え付ける深さは5cm~10cmにします。
- 鉢植えの場合、下に根が伸びるスペースを確保するために、やや浅めの3cm~5cmの深さに植え付けます。巨大・大輪種で7~8号鉢(直径21cm~24cm)、中・小輪種で5~6号鉢(直径15cm~18cm)に1球が目安です。
【参考動画】:ダリアの植え方・育て方・日常管理
タネ蒔き
- タネまきの適期は3月下旬~5月上旬頃が適期です。
- タネは箱まきか9㎝ポットに2~3粒まき、タネが隠れる程度に丁寧に覆土します。
- 本葉が2~3枚の頃、約12㎝間隔で仮植えます。
- 本葉が7~8枚になったら、日当たりと水はけの良い場所に、30㎝~40㎝間隔で植え替えます。
- 土がよく乾いた時に水やりします。
栽培置き場所
生育中は、できるだけ半日以上は日の当たるところで育てます。ただし、最近の日本の夏は、高温となるため、強い西日は、日よけなどして出来るだけ高温にならないよう配慮をしてください。
特に鉢植えのものは、夏の高温を避けるために、日陰へ移動させるのが安全です。
※真夏は高温となるため、葉は茂っても花が咲きにくく、秋に多く咲きます。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。春と秋の生育旺盛な時期は、極端な乾燥に気をつけて、しっかりと水やりをしてください。
庭植えは、球根を植え付けた際にたっぷりと水を与えますが、それ以降はひどく乾燥する場合を除いて、特に必要ありません。
※球根植物は、基本的に乾燥には耐え、滞水は球根を腐らせます。庭植えでは極端に乾く場合以外は、ほとんど水やりの必要ありません。
用土/肥料
【用 土】
- 水はけのよい用土が適しています。赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土や市販の草花培養土を使います。
- 鉢植えの場合、水はけをよくするために、鉢底に大粒の軽石や鹿沼土などを入れておくとよいでしょう。
- 庭植えの場合、あらかじめ堆肥や腐葉土などを混ぜて深く耕しておきます。
【肥 料】
- 花を咲かせるには肥料分を必要とします。元肥のほか、5月と9月ごろに追肥をします。
- 鉢植えは、真夏を除いて定期的に月3回ぐらい液体肥料を施すか、月1回の置き肥を施します。
- 黒葉(銅葉)系は肥料が多いと葉色がぼけることがあるので、具合を見ながら加減しましょう。
発生しやすい病害虫
【病 気】=ウイルス病・うどんこ病・灰色かび病など
花色に異常が生じるウイルス病は回復しないので、ほかの株に伝染しないよう処分します。生育中は葉の表面に白い粉をふいたようなカビが生える「うどんこ病」、花がらや枯れ葉などにカビが生える「灰色かび病」に注意し、早期に防除します。
【害 虫】=アブラムシ・ハダニ・フキノメイガ(幼虫)
生育初期から夏にかけて発生するアブラムシやハダニは日ごろから観察し、早期発見、早期駆除が大切です。フキノメイガは茎内に進入して内部を食い荒らす害虫です。定期的な薬剤散布で予防します。
お手入れ/管理
≪ダリアの管理ポイント≫
- タネから育てるときは、春に直まきにして、日当たりのよいところで管理します。
- 花がらは、そのつど摘み取ります。
- 初夏の花が一段落したら切り戻しをして新しい芽を伸ばすようにすると、秋には数多くの花が美しく咲くようになります。(秋花を楽しむには、7月中旬~8月中旬に茎を短く切り戻し、わき芽を発生させます。)
- 冬期は球根が凍らないよう、盛り土やマルチングをしておくか、掘り上げて、おがくずやピートモスなどに埋めて乾燥貯蔵します。
- 開花中も肥料切れしないように追肥します。
ダリアの切り戻し
夏になると暑さで株全体が弱り、花がつぼみのまま枯れる場合があります。また、咲いても花色が悪くなったり、咲き休むことがあります。夏バテした株は、株元から30cm~40cmの位置ですべての茎を思い切って切り戻します。秋に涼しくなると、わき芽が伸びてきて再び花を咲かせます。
【切り戻しの注意点】
ダリアは太い茎を切ると中空が筒状になっています。空洞に水がたまるとそこから腐ってくることがあるので、節のぎりぎりの位置で切るか、切り口にアルミホイルをかぶせて水の侵入を防ぎます。水がたまってしまった場合は側面に穴を開けて水を抜きます。
ダリアの仕立て方
ダリアの中輪・小輪種は一度にたくさんの花を咲かせるために、球根から芽が出て、主茎の大きさが3~4節の丈になったら先端の芽を摘み取ってしまいます。すると、下の方からわき芽が伸びて来ます。わき芽が2~3節の長さになったら先端の芽を摘みます。こうして枝数を増やすことで咲く花の数も多くなります。
ただし、この「摘心仕立て」は、1輪ずつが小振りになるので、大輪種には適しません。
ダリアの品種
ダリアは、花形のタイプによって分類されています。
代表的な「デコラティブ咲き」、弁先が細長くなる「カクタス咲き」など、10数種程度に分類されてます。そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ皇帝ダリア、またチョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。
ダリア花形による分類
シングル咲き | |
一重咲きのダリアで、通常は8つの花弁からなっています。シンプルな中に美しさがあり、花壇での栽培に好まれます。 | |
画像出典:http://blogs.yahoo.co.jp/mennkuimenmen/ |
オーキッド咲き | |
花びらの端っこがくるりと内側に巻き込み半管状になる。一つひとつの花弁が内側に巻いて、ヒトデのような個性的な出で立ちに特徴があります。 | |
画像出典:http://blog.goo.ne.jp/kotarou-titi/e/ |
コラレット咲き | |
8つの花弁からなる一重咲きですが、内側に副弁があるのが特徴です。花弁と副弁が互いに違う色、模様で引き立て合う中に華やかさがあります。 | |
画像出典:http://hottime.sakura.ne.jp/hanakako10.html |
アネモネ咲き | |
中心部にある筒状花が発達して、キクの丁字咲きのような形に。まわりの舌状花は通常は一重ですが、二重、三重咲きのものもあります。 | |
画像出典:http://www.engei.net/Browse.asp?ID=65182 |
ピオニー咲き | |
花びらが2~5重に付く八重咲きで、幅の広い花弁が大きく波打つ。デコラ咲きと違って花芯が出ています。 | |
画像出典:http://blog.goo.ne.jp/pea2005/e/ |
ボール咲き | |
文字通り花全体がボール型をしているのもの。花の径が2インチ(約52ミリ)以上の大型のものをボール咲きと呼んでいます。 | |
画像出典:http://samidare.jp/dahlia/sp/note?p |
ポンポン咲き | |
ボール咲きと同じ球形ですが、こちらは花の径が2インチ(約52ミリ)以下の小型のものを指します。 | |
画像出典:http://hiougi.blog93.fc2.com/blog-entry-1363.html |
デコラティブ咲き | |
八重咲きの平たい花びらが中心まで整然と並びます。 | |
画像出典:http://blog.livedoor.jp/camcamcamc/tag/ |
カクタス咲き | |
カクタス咲きは、花びらが外側に巻いてまっすぐになる「ストレートカクタス」、花びらが内側に巻く「インカーブドカクタス」、きっちりと巻かずにやや幅広の「セミカクタス」に分けられます。 | |
画像出典:http://blog.hangame.co.jp/B0001366994/ |
ダリアの花言葉!-まとめ-
花言葉=華麗・移り気・不安定
花言葉の「華麗」は、花を見れば誰もが納得できますが、「移り気」「不安定」は、この花がフランス革命後の不安定な時代に流行したのが由来となっているようです。
フランス革命といえば、王妃マリーアントワネットのギロチン台による処刑が、印象的です。最後まで、王妃として優雅に気品を失わず、断頭台に上っていったと言われています。その姿は、まさにダリアのように「華麗」だったのでは・・・と、個人的には、思っています。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
- 参考=ヤサシイエンゲイ:ダリアの育て方
- 参考=みんなの趣味の園芸:ダリアの育て方
- 参考:主婦の友社 「園芸店で買った花」をすぐ枯らさない知恵とコツ