センニチコウ(千日紅)の育て方や特徴を紹介!
センニチコウは、細い茎の先に咲く、ボンボンのような直径2㎝ほどの丸い花をつけます。
長い期間、花の色を失わないないことから千日紅と言われていますが、花期の長さだけではなくドライフラワーにしても美しい花色を保つことができます。
目次
センニチコウの特徴と育て方
センニチコウは、花そのものではなく紫やピンク、白、黄、赤に色づく※苞を観賞します。
暑さと乾燥に強く、日本の夏に適した性質で、長期間咲き続けます。
庭や花壇、鉢に植えて育てたものが、切り花としてよく仏壇に飾られます。また、フラワーアレンジメントにも欠かせない素材です。
※一見、花と思われる苞は、花柄のすぐ下にある、葉の変形したものです。花を保護する役割があり、つぼみを包んでいた葉のことをいいい、苞葉(ほうよう)ともいいます。
別 名 | センニチソウ |
科 名 | ヒユ科 / センニチコウ属(ゴンフレナ属) |
分 類 | 一年草/キバナセンニチコウは気温3℃以上であれば冬越し可能な多年草 |
開花期 | 6月~11月 |
草 丈 | 15㎝~60㎝ |
センニチコウの品種
センニチコウが属するゴンフレナ属の植物は、熱帯アメリカを中心とした熱帯各地に100種以上が知られています。その中でもセンニチコウ(一年草)とキバナセンニチコウ(多年草)の2種が主に栽培されています。
センニチコウ(一年草)
熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。
日本には江戸時代前期に渡来したとされます。草丈は50cmほどで主な開花期は夏から秋、花色は紫紅、白、ピンクなどがあります。
濃いピンク色の花を咲かせる`ローズネオン`や 草丈が30cmほどに収まる品種があります。
【ローズネオン】
画像出典:花のみどころ|デンパーク
画像のセンニチコウ‘ローズネオン’ は、熱帯アメリカ原産のグロボーサ系の高性種です。
赤く見える部分は、苞(ホウ)と呼ばれる部分で、花は小さな黄色の部分です。
夏の高温多湿にも強く、草丈は 50cm程になり、苞のローズネオン色は長期間色あせることがありません。苞は硬くパリパリしていてドライフラワーに向きます。
キバナセンニチコウ(多年草)
キバナセンニチコウは、アメリカのテキサス州からメキシコにかけて分布します。
地下に球根をつくるので、暖かい地方(気温3℃以上)であれば冬越し可能なため、本来は毎年花を咲かせる多年草です。しかし、寒さで枯れてしまうことも多く、園芸では一年草として扱います。
日本には大正時代末に入ってきました。草丈は60cm~80cmほどで、主な開花期は夏、花色は赤橙色や黄色です。また、園芸品種に鮮やかな朱色の‘ストロベリー・フィールズ’があります。センニチコウにはない花色が魅力です。
【ストロベリー・フィールズ】
画像出典:ドライフラワーの花畑鮮花
ストロベリーフィールズ(または、ストロベリーフィールド)の名前は、群生する様子がイチゴ畑のように見えることにちなんでいます。
センニチコウ育て方のポイント
栽培置き場所
センニチコウは、日当たりのよい場所が適しています。日照不足になると花付きが悪くなります。暑さには非常に強いですが、水はけが悪くじめじめした土壌は苦手なので、地植えの場合はできるだけ水はけのよい場所に植えます。
水はけの悪い場所に植える場合は、盛り土したり腐葉土を混ぜたりして、水はけをよくしてください。
日陰で湿度の高い場所は、育ちにくい上に病気にかかりやすいので避けてください。
用土・肥料
肥料は土にあらかじめゆっくりと効くタイプのものを混ぜます。
元気に育っている場合は、特に追加で肥料を与える必要はありません。葉色がやや薄い場合などは薄めた液体肥料を与えますが、肥料が多いと花付きが悪くなるのでやり過ぎないようにしましょう。
【鉢植えの場合】
赤玉土(中粒)5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土など、水はけのよい土を好みます。元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を適量混ぜて植えつけましょう。
タネ蒔き・植え付け
【タネ蒔き】
センニチコウは、気温が低いと発芽しにくいので、十分気温が上がる5月を待ってタネを蒔きます。タネは表面が綿毛に包まれており水を吸いにくいので、砂を混ぜてよくもんで綿毛をこすり切ります。市販されているタネは綿毛が取り除いてあるものが多いので、その場合は必要のない作業です。
※移植がしやすいので、箱などに蒔いてからその後プランターや庭に植え替えてもよいですし、鉢や花壇に直接蒔いて、間引きながら育ててもよいです。
【苗の植え付け】
- 植えつけは5月から8月が適期です。植えつけ時、根鉢をくずす必要はありません。深く植えると株元が過湿になって、立枯病が発生しやすくなるので注意してください。
- 枝分かれして比較的横にも広がるので、花壇に苗を植える場合は20~30cmの間隔を開けて植え付けます。ぐらつく場合は支柱を立てましょう。
- 冬越ししたキバナセンニチコウは、5月から6月に植え替えます。古土を軽く落として、新しい用土で植えつけてください。
水やり
【庭植え】
センニチコウを庭植えする場合、苗を植え付けて根付くまでは水を与えますが、それ以降は夏に極端に乾くとき以外は必要ありません。常に土が湿っているような状態では根が腐って枯れてしまうので注意してください。
【鉢植え】
センニチコウを鉢植えする場合、土の表面が乾いてきたらたっぷり水やりしましょう。やや乾燥気味を好むので、過湿にしないように注意してください。
発生しやすい病害虫
【病気:立枯病】
5月から11月、深く植えたり、過湿になったり、株元がぐらついて傷がつくなどすると、立枯病が発生します。浅く植え、乾かし気味に管理し、ぐらつく場合は支柱を立てましょう。
【害虫:ハダニ・ナメクジ】
7月から9月に高温乾燥が続くと、ハダニが発生しやすくなります。水やりの際、葉裏にも水をかけると発生を抑えることができます。
6月から7月の梅雨どきに、ナメクジの発生が多くなります。夜行性で、昼間は鉢の底や石の陰に隠れているので、探して捕殺するか、夜に這い出てきたものを捕殺してもよいでしょう。苗が小さいうちは、食べられるとダメージが大きいので、特に注意が必要です。
お手入れ/管理
【花がら摘み】
5月から11月の開花中、花がら摘みをします。苞は咲き進むと縦に長く伸びてきます。下のほうは茶色く変色するので、見苦しくなったら摘み取りましょう。
【切り戻し】
6月から10月、花がらが目立ってきたり、伸びすぎて姿が乱れたら、切り戻して姿を整え、新芽を出させましょう。短く切り戻すと枯れる可能性が大きくなるので、各枝に緑の葉を必ず残す程度の長さを目安に切ると安全です。
【支柱立て】
5月から11月、株元がぐらつくとそこに傷がついて立枯病を起こしやすくなります。適宜支柱を立てて、株を固定しましょう。
参考動画:センニチコウの育て方
センニチコウの花言葉
花言葉=変わらない愛情
花言葉は、花期の長さだけでなく、ドライフラワーにしても美しい花色を変わらず保つということが、由来となっているようです。
しかし人の心は変わるものです。特に男女の関係や夫婦関係は変わりやすいものです・・・。
たとえ、愛情が色あせ変わったとしても、変わらないふりをすることが大事かと思います。
センニチコウもドライフラワーとなって生きているふりをしているのですから・・・。
センニチコウの育て方と花言葉
【夏に咲くガーデニング草花】のまとめ
花がら(咲き終わった花)や枯れた葉や枝を取ることは、見た目を美しくするばかりでなく、病気や害虫を防ぐためにも効果的です。また、咲き終わった花を摘み取ってタネができないようにすると養分が取られないので、草花は次々と花を咲かせるようになります。
草花をより楽しむためにも、日頃から、こまめにお手入れするよう心掛けてください。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
- 参考=ヤサシイエンゲイ:センニチコウ育て方
- 参考=みんなの趣味の園芸:センニチコウ
- 参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉