ペチュニアの育て方や特徴を紹介!
ペチュニアは、初夏から晩秋に至るまで、休むことなく窓辺やベランダを彩ります。ハンギングに仕立てたり、大型のプランターに他の草花と寄せ植えにして楽しむこともできます。
いろいろな園芸品種があり、毎年育てていてもあきません。成長が早くて丈夫なので、初心者にもおすすめです。
目次
ペチュニアの特徴と育て方
南アメリカ原産のペチュニアは、ヨーロッパやアメリカで品種改良が進み、多様な品種がつくり出されました。太平洋戦争前には世界に先駆けて日本の種苗会社が八重咲き品種の商業化に成功し、注目を集めました。
1985年ごろからは、それまでタネから育てる系統(実生系)のみだったペチュニアに、さし芽でふやせる系統(栄養系)の園芸品種が誕生しました。この栄養系のペチュニアは、雨に強く大きく育つため大人気となり、ヨーロッパの窓辺を変えたと称されたこともあります。
別 名 | ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔) |
科 名 | ナス科 / ツクバネアサガオ属(ペチュニア属) |
分 類 | 一年草・多年草 |
開花期 | 5月~10月 |
草 丈 | 20㎝~30㎝ |
ペチュニア豆知識 |
1931年、各国でペチュニアの育種と改良が熱狂化し、日本でもペチュニアの改良が本格的にスタートしました。特にサカタのタネ創設者、坂田武雄氏が作出した、誰もが作れなかった、種子系100%完全八重の大輪「オールダブル」を誕生させました。これにより、世界中が日本産ペチュニアに注目し、改良の秘密を解き明かすのに夢中になりました。その後、日本産ペチュニアは第二次世界大戦の波にのまれ長期間衰退しますが、1989年サントリーと京成バラ園芸が共同で開発したペチュニアの園芸品種『サフィニア』が現れると、一気に人気が高まり、園芸各社で品種改良の競争が進みました。その結果、現在まで多くの品種が生まれています。 |
ペチュニアの種類・品種
画像出典:サントリーフラワーズ
現在ペチュニアは、非常に多くの品種があり、花色も赤・桃・白・紫・青・黄などのほか、白い覆輪や縦縞の入るもの、中心に黄のぼかしが入るものなど多彩です。
元来ペチュニアは、雨で育成不良や、枯れる事が多々あることから人気は今ひとつでした。
しかし、日本の気候に適応できるよう、品種改良した「サフィニア」を出してから、人気が高まり、園芸各社で品種改良の競争が進んでいます。
ペチュニア品種参考画像 |
企業別ペチュニアの種類 |
ペチュニア育て方のポイント
栽培置き場所
ペチュニアは、日当たりの良い場所で育てます。日照不足になると花つきが悪くなるので注意しましょう。また、雨に当たるとすぐに花びらが裂けたり、花色がはげ落ちてしまうので、あまり強く雨の当たらない場所がよいです。
【鉢植えの場合】
鉢植えは、通年、日当たりと風通しのよい場所で管理します。病気の原因となる泥はねを防ぐために、鉢を土の上に直接置くのを避けたり、少し高い場所に置いたりするとよいでしょう。
【庭植えの場合】
庭植えは、日当たりのよい場所を選びます。マルチングをしたり、レイズドベッドのような一段高くなった花壇に植えつけたりすると、泥はねを防ぐことができます。
用土・肥料・水やり
【用 土】
ペチュニアは、水はけのよい土が適しています。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土や草花用の培養土を用います。弱酸性の土を好むので、石灰などは施しません。生育がよくない場合は赤玉土を2~3割加えたり、酸度無調整のピートモスを2~3割加えたりして、酸度を弱酸性にします。
【肥 料】
ペチュニアは、鉢植え、庭植えともに元肥として緩効性肥料を忘れずに施します。茎を伸ばしながらどんどんと花を付けるので、肥料を切らすと花つきが悪くなります。生育期は緩効性肥料を定期的に追肥し、液体肥料も2週間に1回程度施してください。
夏に多湿で元気がない場合、肥料を与えても十分吸収できないので、肥料は控えてください。秋に涼しくなって、元気に芽を伸ばすようになったら再び与えるとよいでしょう。
【水やり】
土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。ある程度の乾燥には耐えます。水のやりすぎによる蒸れには注意してください。
タネ蒔き・植え付け
【タネ蒔き】
タネの発芽適温は、22℃前後と高めなので、4月下旬~5月上旬に蒔きます。細かいタネなので一度鉢や箱などに重ならないようにまんべんなく蒔き、発芽したら混み合っている部分を間引いて本葉が4枚くらいの頃に、一度小さな鉢に仮植えして、大きくなったら本植えします 。
【冬越しの植え付け】
冬越し用の小苗をさし芽でつくる場合や、秋にタネをまく場合、12月から4月ごろまでは、日当たりのよい室内で管理します。寒風の当たらない南向きの日だまりを選んで霜よけを行えば、戸外で冬越しさせることもできます。
【さし芽】
さし芽の適期は3月から7月と、9月から10月です。冬越し用の小苗をつくる場合は、9月から10月にさします。
※さし芽をして冬越しさせれば多年草として扱えますが、次第にウイルス病に侵されて観賞価値が下がるので、新しい苗を購入してください。
参考動画:ガーデニング 挿し芽 ペチュニアを増やすよ! 花壇 春夏秋
発生しやすい病害虫
【病気:灰色かび病】
雨が続くと発生します。花がらや枯れ葉をこまめに取り除いて予防します。
【害虫:アブラムシ】
アブラムシは、1年を通じて発生します。ウイルス病を媒介するので、よく観察し、発生したら防除しましょう。
【害虫:オオタバコガ・ハスモンヨトウ】
オオタバコガやハスモンヨトウは、夏から秋にかけて幼虫が蕾や花を食害します。発見次第取り除いてください。
お手入れ/管理
【花がら摘み】
花びらが落ちたあとはタネができるので、株の栄養を取られないように、花茎の付け根から切り落とします。花がらは、こまめに取り除くのが理想ですが、面倒なときは切り戻しを兼ねて、花がらが目立つ枝ごと切り取るとよいでしょう。
【葉の手入れ】
大きく育った葉が株元を覆うと病気が発生しやすくなるので、取り除いて風通しをよくします。切り戻して風通しがよくなると、植物全体のダメージも少なく、夏越ししやすくなります。切り戻したあとも、茎葉が混み合ってきたら、茎を間引いてもよいでしょう。下の方から葉っぱが黄色くなったり茶色く枯れてくるようなら、まず風通しが悪くないか(多湿で蒸れていないか)配慮してください。
【切り戻し】
株が大きくなってくると、根元のほうは茎が伸びずに花が付かなくなります。生育期間中に一度思い切って茎全体を切り戻すと、根元のほうから芽が出てきて、再び立派に咲くようになります。花がついている茎を切るのはなかなか思い切りがいるかもしれませんが、長期間花を楽しむため切り戻しを行った方がよいです。切り戻しの適期は梅雨前で、茎の長さ1/2を目安に切りますが、だらしなく伸びすぎた頃を見計らって、適宜切り戻せばよいでしょう。
ペチュニアの花言葉
花言葉=あなたと一緒にいると心が和む
ペチュニアは、ブラジル先住民の言語で「たばこ」の意味だそうです。
花言葉にあるように、煙草を一服することで、心が和むこともあるでしょう。しかし、煙草を吸う あなたと一緒にいると不快になる人もいます。
ペチュニアは品種改良のすえ、美しく長期間咲続ける人気の花となりました。喫煙者も心身改良し禁煙して、長期間健康に生き続けることを願います。
ペチュニアの育て方と花言葉
【夏に咲くガーデニング草花】のまとめ
花がら(咲き終わった花)や枯れた葉や枝を取ることは、見た目を美しくするばかりでなく、病気や害虫を防ぐためにも効果的です。また、咲き終わった花を摘み取ってタネができないようにすると養分が取られないので、草花は次々と花を咲かせるようになります。
草花をより楽しむためにも、日頃から、こまめにお手入れするよう心掛けてください。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
- 参考=ヤサシイエンゲイ:ペチュニアの育て方
- 参考=みんなの趣味の園芸:ペチュニア
- 参考:ペチュニアの改良史
- 参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言葉