半日陰で育つ常緑低木アベリアの育て方
アベリアはガーデニング庭木としての利用は、まだ少ないのが実情ですが、病害虫が少なく丈夫で枝をよく出し、刈りこんで色々な形に仕立てられます。
この強健な性質から、生垣の他、公園や道路脇の植え込みにもよく植えられます。
【半日陰とは】
草花の栽培条件として『半日陰』という表現がありますが、『半日陰』のはっきりとした定義はなく、日照条件もいろいろな表現がされています。しかし一般的な『半日陰』の日照条件としては、午前中の3~4時間ほど日が当たる明るい場所か、日中に木漏れ日が当たっている状態 としているようです。
アベリアの特徴と育て方
アベリアの野生種は、日本、中国、ヒマラヤ、メキシコに数十種が分布する常緑、または落葉の低木で、日本にも数種が自生しています。
別名のツクバネウツギは漢字では「衝羽根空木」と書きますが、これはウツギに似た姿で、プロペラのように広がる5枚の萼が花後も残り、羽根つきの羽根のように見えることに由来しています。
アベリアの性質・特性
アベリアは、19世紀中期にイタリアで作出された交配種です。両親の長所である四季咲きといえるほど長い開花期や、半常緑でありながら寒さに強いという特徴を受け継いだ、優秀な園芸品種といえます。
【アベリア】
性 質:常緑低木
分 類:スイカズラ科ツクバネウツギ属
樹 高:50㎝~200㎝
花 色:白・桃
別 名:花衝羽根空木(ハナツクバネウツギ)
原産地:園芸品種
開花期:6月~10月
アベリア栽培方法
【アベリアの育て方ポイント】
アベリアは、株元からたくさんの枝を出して株が大きく張ります。芽吹く力も強いので全体を刈り込んで姿を整えることができます。丸く刈り込んだり、生け垣に仕立てることも可能です。
アベリアは、春の芽出し前に作業を行い、新芽が伸びてきて姿が乱れてきたら夏前に再び刈り込みを行います。こまめに刈り込みを行うことで枝葉も密に茂りきれいな姿になりますが、新しく伸びた枝に花を咲かせるので春から秋に何回も刈り込みを行うと花が見られません。花を楽しみたい場合は、11月頃に再び刈り込みしてください。
アベリアを限られたスペースで育てたい場合は、株元からでる勢いのよい枝(幹)を一本残して他の枝を全部切り取りスタンダート仕立てにするとよいでしょう。
幹が太くなってしっかりするまで倒れやすいので、必ず支柱を立ててください。
栽培場所
アベリアは、日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。ただし、あまりに日当たりが悪いと、間延びした枝が出て樹形が乱れたり、花付きが悪くなったりします。
アベリアは、関東より北の地方では冬に落葉しますが、耐寒性があるので枯れることはなく、春に再び芽を吹きます。
用土・肥料
【用 土】
アベリアを庭植えする場合、特に土質を選ばずやせ地でも良く育ちますが、水はけのよい場所が適しています。
アベリアを鉢植えにする場合、水もちと水はけがよく、腐植質に富んだ土壌でよく生育するので、赤玉土(細粒)、鹿沼土(細粒)、腐葉土を5:2:3の割合で配合した用土などが適します。
【肥 料】
アベリアは、2月から3月の間に※寒肥を、開花中盤の9月中旬に、緩効性化成肥料を施します。
※寒肥(かんごえ・かんぴ)=冬の休眠期間中に庭木などの根元に施す肥料で、春からの生育に役立てます。一般的に有機肥料を施します。
水やり
アベリアを庭植えにした場合、一度根づいてしまえば特に水ををやる必要はありませんが、
極端に乾燥する夏の高温期には朝か夕方に水やりします。
アベリアを鉢植えにした場合、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、秋から冬は水やりの回数を減らして、やや乾かし気味に管理します。
植え付け
アベリアの植えつけは、真夏(7月から9月中旬)と真冬(12月から2月)を除けば、いつでも可能です。
アベリアを庭植えする場合、根鉢の2倍の深さと幅の植え穴を掘り、植えつけます。よく広がるので複数株植える場合は株と株の間を2m程度開けて植えます。 根鉢のまわりに十分に水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませます。
アベリアを鉢植えする場合、根鉢を1/3ほどくずして一回り大きな鉢に植え、植え付け後は、たっぷり水を与えます。
【アベリアのふやし方】
さし木で増やします。6月から7月、または9月に、充実して堅くなった枝を使い、鹿沼土(細粒)や赤玉土(細粒)、さし木用の用土に挿します。
アベリアの花言葉
アベリアの花言葉=『謙虚』『謙譲』『強運』
アベリアは、比較的どんな場所でも丈夫に育つことができます。それは多分、いつでも周りの草木に条件のいい場所を譲って『謙虚』に生きようとしてきた結果、少々の悪条件でも育つことができる『強運』を得たからだと思います。
人間社会でも、楽な道を選ばず、あえて厳しい道を選んだ人のほうが『強運』を呼びこんでいるように思います。しかし、『強運』は時の運、道を誤って家族を路頭に迷わすようなことだけは、避けてくださいね!
アベリアの育て方と花言葉
【半日陰に植える常緑低木のガーデニング】のまとめ
個人的に好きな品種が、アベリア”コンフェティ”です。(上画像)葉の縁にクリームホワイトの斑が入り、美しいです。
基本的に、アベリアは育てやすく、また刈込も、好みの樹形に出来るので、ガーデニング低木として、楽しめるかと思います。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。