秋植えのスイセン球根で翌春のガーデニング準備!
スイセンの開花期は12月~4月と品種によって幅がありますので、開花期や花色を分けて植え込めば花が長く楽しめます。まだ、寒い冬のさなかから咲き始めるスイセンの花姿は、凛として他の球根草花とは、ひと味違った気品を感じさせます。
目次
スイセン(水仙)の特徴と育て方
スイセンは栽培の歴史が古く、膨大な数の園芸品種があります。特に3月~4月に咲く西洋スイセンと呼ばれる種は多く、花形で分類すると、『ラッパズイセン』『大杯ズイセン』『小杯ズイセン』『口紅ズイセン』などがあります。
【スイセンの毒に注意】
スイセンはに毒性があり、嘔吐や皮膚炎の症状が知られています。葉っぱがニラ、球根がタマネギと間違えられて食中毒を起こすケースがよく見られます。畑などややこしい場所に植えないようにしましょう。
【水仙(スイセン)】
性 質:球根植物/多年草
分 類:ヒガンバナ科スイセン属
花 色:白・黄・橙など
原産地:地中海沿岸・北アフリカ・西アジア など
スイセン栽培方法
【スイセンの栽培ポイント】
スイセンの鉢花を購入する場合、葉が伸び過ぎて垂れ下がっているものは避け、葉が締まって蕾が伸び出しているものを選びます。
スイセンの球根を秋に選ぶときは、形が扁平で小さな球根は花が咲かないことがあるので、大きくて丸く充実した重たい球根を選びます。芽の出る上部を押してみて柔らかいものや、カビが生えていたり傷があるものは避けます。
スイセンの球根を鉢植えするときは、根が深くまで伸びるので、深鉢が適します。
栽培置き場所
【庭植えの場合】
スイセンは日当たりのよい場所で育てます。
粘土質の土壌よりも砂質土壌を好むので、水はけが悪い場合は、パーライトや軽石などを加えて土壌改良します。
【鉢植えの場合】
スイセンの球根を植え付けた後は、なるべくよく日の当たる場所に置きます。寒さに強いので、冬でも戸外に置いてかまいません。
室内に取り入れて早く咲かせたときも、12月までは戸外に置き、寒さに十分当ててから、室内の日のよく当たる場所に移します。
用土・肥料
【鉢植えの用土】
スイセンは、水はけがよく通気性に富み、適度な保水性のある土が適しています。市販の草花用培養土6、腐葉土3、牛ふん堆肥1の割合で配合するとよいでしょう。
【肥 料】
スイセンに与える肥料は、用土にはあらかじめ緩効性化成肥料を元肥として混ぜておき、その後は芽が出たら、リン酸分の多い液体肥料を施します。
窒素分の多い肥料を与えると、葉ばかり茂って肝心の花が咲かないこともありますので注意してください。
花後に※お礼肥として、カリ分の多い液体肥料か、※三要素等量の肥料を置き肥します。
※肥料三要素=N窒素(葉肥)・Pリン酸(花、実肥)・Kカリ(根肥)
※お礼肥=花が咲いた後に、開花や結実で消耗したエネルギーを回復し、株を再び元気にするための肥料
水やり
スイセンの球根を植え付けてから暫くは、あまり生長しているように感じられません。しかし、根の活動は早く、地上に芽が出ていなくても、土中では根がよく伸びているので、土が乾いたら水を与えてください。冬の水やりは、忘れがちになるので注意してください。
植え付け
スイセンの球根は、早咲きの品種(ニホンズイセン等)の場合、9月下旬~10上旬月に植え付けます。
遅咲きの品種(ラッパズイセン等)は、遅くても11月中旬までに植え付けます。霜が来る前に充分に地中で根を張らせると、暖かくなったときの生育の勢いが格段に違います。
【庭植えの場合】
スイセンの球根を庭に植える場合、球根の高さ2つ分の深さに植えます。間隔は、大きな球根の場合は約20㎝、中~小球根の場合は約10~15㎝にします。
スイセンの庭植えの場合は、3年くらいは植えっぱなしでも大丈夫です。
【鉢植えの場合】
スイセンの球根を鉢に植える場合、球根の頭が隠れるくらいの浅植えにします。間隔は、大きな球根の場合は6号鉢(直径18㎝)に3球程度・中~小球根の場合は6号鉢(直径18㎝)に5球程度が目安になります。
参考動画:球根の植え付け方法 スイセン
花後の手入れと増やし方
スイセンは花が終わったら花茎のつけ根から切り取ります。葉はだらしなく伸びていますが、完全に枯れるまで切ってはいけません。花の終わった後に、葉っぱから光合成をおこない、その栄養を球根に貯蔵するので、葉っぱを切ってしまうと球根に栄養がたくわえられず、翌年の開花は期待できなくなります。
夏に掘り上げて、球根がいくつもくっついていたら、手で割って分けます。
球根は大きくなるまで開花しませんが、大きめの子球なら、1年後くらいから花を咲かせます。小さくてもあきらめずに養生しましょう。
画像出典:さっぽろ花劇場
発生しやすい病害虫
【モザイク病】
スイセンがウイルスによるモザイク病にかかると、葉に黄色いすじ状の斑が入ったり、葉が奇妙なかたちに曲がったりします。ウイルス病の治療はできないので、他に感染する前に球根は処分します。
主にアブラムシが媒介するので、アブラムシの防除に努めてください。
参考動画:水仙の育て方
スイセンの主な品種
ニホンズイセン |
画像出典:シジュウカラの訪問とニホンズイセンの開花 |
ラッパズイセン |
画像出典:楽天BLOG:1月13日の誕生花「ラッパズイセン」 |
大杯ズイセン |
画像出典:大杯水仙(第二区分) |
小杯ズイセン |
画像出典:水仙の花:カズジイのブログ |
口紅ズイセン |
画像出典:水仙の種類:Happy Day |
スイセン(水仙)の花言葉
スイセンの花言葉=『うぬぼれ』『自己愛』
スイセンにとっては、なんだか気の毒な花言葉ですが、もともとギリシャ神話に登場する、うぬぼれ屋の「ナルキッソス」という人物を、神が戒める為に一本のスイセンに変えたという話からきているようです。
自己陶酔型の人を「ナルシスト」と言いますが、このギリシャ神話に登場する、うぬぼれ屋の「ナルキッソ」が語源となっているようです。
花言葉の由来
ギリシャ神話に登場するナルキッソスは、池に映る自らの美貌に見とれるばかり。
彼に恋した森の精エコーは、届かない思いに悲嘆して洞窟に閉じこもり、いつしか声だけとなって消えてしまいました。
これを哀れに思った女神メネシスが、自己愛が過ぎるナルキッソスを戒めるために、彼を一本のスイセンに変えたといわれています。
スイセン(水仙)の育て方と品種や花言葉
【春に咲く秋植え球根ガーデニング草花】のまとめ
春の梅や桜は当然ながら、美しいのですが、多くの品種のあるスイセンは、鑑賞していて飽きません。
花言葉は、春の門出には不向きですが、春のガーデニングには、欠かせない草花です。
春は、気候と共に浮かれやすくなります。順調な時ほど、スイセンを見て、花言葉を思い出し、うぬぼれていないか、自分自身を戒めるのもいいのでは・・・。
※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。
※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。
参考=株式会社ナツメ社:想いを贈る 花言