ブーケガルニ に使われるタイムを育ててみよう!
フランス料理にはかかせない、煮込み料理などに使われるハーブの一つです。
ヨーロッパ各地で、古くから栽培されているタイムは、小さな葉がたくさん付いた枝を次々に出し、葉には、爽やかな香りとピリッとした風味があります。
料理だけでなく薬効としても利用されるタイムは、ハーブティーにすると「消化不良」「下痢」「咳」などの改善に効果があるとされています。
(妊娠中の方は、使用を避けてください)
目次
タイムの特徴と育て方
出典:http://www5b.biglobe.ne.jp/
タイムには300種以上の多くの種類がありますが、一般的に日本でいうタイムは「コモンタイム」を指しており、和名は「タチジャコウソウ」と呼ばれています。
比較的、暑さ・寒さ・乾燥に強く、育てやすいハーブの一つですが、多湿に弱いので、葉を適宜収穫するなどして風通しに注意すれば、問題なく育ちます。
繁殖力は旺盛で、枝の節が地面に付くとそこから根を出し、こんもりと茂ります。また、開花時の春~初夏にはピンク色の小さな花を枝先にたくさん咲かせますので、料理など実用的な用途の他、株姿や花も十分楽しめるハーブです。
参考動画=タイムの種類
タイムの栽培方法
栽培置き場所
日陰でも生育に問題はありませんが、日当たりの方が葉の色つやも良くなり元気に育ちます。やや高温多湿に弱いので、風通しのよい場所を選んでください。
種まき・植え付け・収穫
【種まき:3月上旬~5月上旬】
育苗用のポットに培用土を入れ、指先で軽く窪みをつけ、1~2粒の種を蒔きます。種が小さいので、隠れる程度に薄く土をかぶせ、軽く押さえて土と種を密着させ、種蒔き後は種が浮かないように、ゆっくりとたっぷり水やりしてください。
【植えつけ:4月中旬~6月下旬】
葉が6枚以上出たら植えつけます。ポットから根鉢を崩さないように取り出し、根鉢と同じ大きさで、穴を掘って植えつけ、土と根を密着させるために、たっぷりと水やりをしてください。
【追 肥:植えつけ後1~2ヶ月に一回】
1株につき軽く一握り(10g程度)の発酵油カスや発酵鶏フンを株のまわりに、土を軽くほぐしながら、よく混ぜて施してください。(肥料のあたえすぎに注意)
【収 穫】
株の高さが10cm程度になって葉が茂りはじめたら収穫できますが、風通しがよくなるように茎が伸びるたびに収穫してください。冬に入る前は、株元から刈り取って追肥しておいてください。花は植えつけの翌年から収穫できます。
参考動画=タイムの管理・剪定方法
タイムのプランター栽培
プランターの大きさに合わせて植えつけますが、タイムは高温多湿に弱いので葉が茂り過ぎないように、あらかじめ株間を広くし、葉が茂りはじめたら風通しがよくなるように、株元から茎ごと切り取って収穫してください。
【ポイント】
- 日当たりがよく、風通しのよい場所で育ててください。
- 種を蒔く場合、株間10~15cm程度で点蒔きしてください。発芽後、葉と葉がふれ合う程度に数回間引きしてください。最終的には2~3株残すようにし、株が茂るまで、月に1~2回追肥してください。
- 苗植えの場合、株間10~15cmあけて植えつけてください。植えつけ1ヶ月後から液肥などで月に1~2回、葉が茂るまで追肥してください。
- 土の表面が乾いたら、朝にたっぷりと水やりしてください。
タイムの使い方と効能
タイムは乾燥してしも香力が衰えず保存ができるので万能な香辛料として、また薬効として、さまざまな利用法があります。
特に、肉、魚介類の臭み消し、煮込み料理のブーケガルニなど、火を通す料理に多く使われ、タイムを使った料理は、数多く紹介されています。
タイムを使った料理
【ブーケガルニ】
出典:http://matumotoolive.naganoblog.jp/
ブーケガルニは「香草の束」という意味のフランス語で、煮込み料理によく使われます。
ハーブは「タイム」・「ローズマリー」・「ローリエ」など好みのもの選び、これらを束ねて、タコ糸などでしっかりと縛り、材料と一緒に煮込みます。
風味や香りを移し、料理が完成したら取り出します。
【タイムのチーズ料理】
出典:http://blog.tokyo-gas.co.jp/
タイムの生葉を刻んだものは香りがよく、バターやクリームチーズに混ぜると風味のあるハーブバターやハーブチーズができます。
収穫したタイムの茎を、しごくようにして葉を取り出し、細かく刻んで香りを引き立て、常温で柔らかくしたクリームチーズに入れてよく混ぜ合わせれば完成です。花がある時期は花も入れて彩りを楽しめます。
【タイム ティー】
出典:https://www.sbfoods.co.jp/
乾燥させた葉5gにカップ1の熱湯を注ぎ、2~3分ほど蒸らせば完成です。
開花期に収穫した香りの強い葉を乾燥させたものが、お薦めです。また、生の茎葉を1~2本入れると消化促進を促す効果があります。
参考レシピ=とっておきのハーブ生活
タイムの効能
タイムは、ハーブの中でもナンバー1と言われるほど強い殺菌効果と抗ウイルス作用を備えていると言われています。このため、タイムから抽出されたエッセンシャルオイルは、消毒薬、歯磨き粉、うがい薬、石けんの香料などにも使われています。
タイムの強い効能は、古代エジプトでも知られていたためか、ミイラを作成する際の防腐剤としても使われていたようです。
このような、効能を持つタイムですから、のどが痛いときや風邪・インフルエンザなど感染症を予防したいときには、タイムを入れたハーブティーをうがい薬として使用すると効果的です。
≪タイムの効果・効能≫ |
抗菌・殺菌・抗ウイルス・防腐・去痰・消化不良・利尿・強壮・鎮痙・疲労回復 |
※タイムの効能については、一般的な評価を記しています。病気療養中の方など、ハーブの利用には注意してください。 特に妊娠中や高血圧の方のタイムティーなどの飲用はお薦めできません。 |
タイムの育て方や使い方と効能!
ハーブでリフレッシュのまとめ
中世、ヨーロッパではタイムを持つものには勇気をもたらすと信じられていたことから、女性は、騎士や戦士にタイムの葉を添えた贈り物をしたといわれています。
迷信でしょうが、家族や、また自分自身が正しい勇気をもたらすために、お守りとして、タイムを育ててみてはいかがでしょうか。
ハーブに関する注意事項
※注意しなくてはいけないハーブもあります。特に妊娠中、授乳中の方は大事な赤ちゃんに影響する場合がありますので、ハーブを料理等に使用する場合、あらかじめ医師にご相談されることをおすすめします。
また、紹介した植物については、個人的な見解もありますので、実際に植込み栽培する場合、事前にしっかり調べることをお薦めします。
参考=成美堂出版:香りを楽しむ やさしいハーブの育て方145種