ナンテンの育て方と花言葉【半日陰に植える常緑低木のガーデニング】

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半日陰で育つ常緑低木ナンテンの育て方

「ナンテン」という語感が『難(ナン)を転(テン)じる』に通じるところから、縁起の良い木とされ『低木のガーデニング樹木』として親しまれています。
真っ赤な果実が美しく、さほど横に広がらないので場所を取らず、性質が丈夫と言うこともあり、縁起木として玄関先や庭によく植えられています。

【半日陰とは】

草花の栽培条件として『半日陰』という表現がありますが、『半日陰』のはっきりとした定義はなく、日照条件もいろいろな表現がされています。しかし一般的な『半日陰』の日照条件としては、午前中の3~4時間ほど日が当たる明るい場所か、日中に木漏れ日が当たっている状態 としているようです。

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南天(ナンテン)の特徴と育て方

ナンテンは、栽培歴史の古い樹木で、江戸時代から明治にかけて100種以上の園芸品種がつくられた言われ、現在でも40種ほどが栽培されています。基本種の他に、白い実を付ける『シロミナンテン』、葉が糸の様に細くなる『キンシナンテン』などがあります。また、樹高が低くやや丸みのある葉を付ける『オタフクナンテン』は紅葉も美しくて場所もとらないので、植え込みや庭木として広く植えられています。

【ナンテン】

  • 性 質:常緑低木
  • 分 類:メギ科ナンテン属
  • 樹 高:100㎝~300㎝
  • 花 色:花=白/実=赤
  • 別 名:南天燭(ナンテンショク)
  • 原産地:日本、中国、東南アジア
  • 開花期:花=6月~7月/実= 11月~2月

(南天の花)


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ナンテンの育て方

ナンテンは、本州の関東より西、四国、九州など比較的あたたかい地域の山林に自生する常緑もしくは半常緑性の低木です
丈夫な性質からか植えられたものが野生化したものもよく見られます。

ナンテンの高さは2m位、高いもので4〜5mほど。幹の先端にだけ葉が集まって付く独特の姿をしています。
初夏に小さな白い花を咲かせますが、観賞の対象は秋~冬にかけて熟す小さな赤い実です。この実は、飾り物として使われるだけでなく、漢方では咳止めの薬としても用いられます。

栽培場所

ナンテンは、午前中の光が当たるような半日陰地を好み、強い西日の当たる場所は嫌います。基本的に西日の当たる場所はひどく乾燥するので適しません。
比較的土質を選ばずよく育ちますが、通気性と水はけがよく、適度な湿度を保つ肥沃な土を好みます。

ナンテンは、暖かい地域に自生する樹木ですが、ある程度耐寒性もあるので北海道以外なら植栽可能です。

用 土

庭植えの場合、堆肥や腐葉土のたっぷり入った水はけと水もちを兼ね備えた、やや粘土質の土が適しています。
鉢植えで育てるなら、赤玉土7:腐葉土3:黒土3 の割合で混ぜた土に植え付けてください。

肥 料

基本的に肥料を必要としません。肥料が多過ぎると枝葉が茂るばかりで、花は付きにくくなります。ナンテンは、肥料が不足気味の方が花付き、実付き共に良くなります。
ただし、特に生育が悪いようであれば、2月頃、株の周りに穴を掘って、寒肥として油粕と腐葉土や鶏糞、堆肥などを与え、9月頃に化成肥料を株元に一握り与えてみましょう。
鉢植えの場合、植え替え時にカリ、リン酸を多めに含む肥料を用土に混ぜてください。

※ナンテンは、よほどのやせ地だと肥料不足で実付きが悪くなることはありますが、実付きが悪くなる原因の多くは開花時期の長雨や日照不足です。

水やり

庭植えの場合、雨が当たる環境で極端に乾燥しない場所であれば、基本的に水やりは不要ですが、晴天が続くようなら、水やりしてください。
鉢植えの場合、夏期に水切れを起こさないように注意し、適宜水やりをします。

植え付け

ナンテンは、基本的には暖かい地域の植物なので、植え付けは春3月~4月か秋9月~10月が適期です。

ナンテンは土質を選ばない丈夫な木ですが、庭植えの場合、植え穴には完熟の腐葉土や、牛糞など堆肥を十分に鋤き込み、水捌け良く、浅めに植え込んでください。
鉢植えの場合、根詰まりすると極端に生育が悪くなるので、2~3年に1回の割で、春か秋に植え替えをしてください。

ふやし方

【さし木】
ナンテンの「さし木」の適期は3月中~下旬です。前年の枝、或いはそれ以前の枝を15㎝前後の長さに切って、水に1時間程度つけておき、赤玉土や鹿沼土に挿します。
日当たりの良い場所で乾燥させないように管理すると2~3ヶ月で根が出て生長を始めます。根がしっかり伸びてきたら、鉢や庭に植え付けましょう。


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【タネ蒔き】
タネ蒔きは11月頃、赤く熟した果実の果肉の部分を取り除き、水で果肉を充分に洗い流して、そのまま直ぐに蒔きます。果肉には発芽抑制物質があるので、果肉が残っていると発芽しないことが多いですから注意します。
発芽するのは翌春で、開花して実を付けるまでに4~5年かかります。直ぐに蒔けない場合は、乾かさないように日陰で貯蔵し、翌春に蒔きます。

剪定方法

ナンテンは、木が若いうちは放任で枝を伸ばしても特に問題ないのですが、樹が生長して幹の数が多くなると枝葉が混み合って茂り、雑多で冴えない姿になりがちです。
スペースに応じて間引いて幹の本数5~7本に整理し、すっきりとした姿に整えるようにしてください。

剪定するときの枝は、先端に花芽の付いていない間延びした枝や実の付いている枝を選んで地際で間引き(切り落とし)ます。同時に、枯れた枝や細くて弱い枝も枝分かれしている付け根から切り落としてください。

※実の付いた枝は翌年~3年ぐらい花芽を付けません。

ナンテンの樹高が高くなりすぎた場合は、比較的低い幹だけを残して、高くなった幹を地際で間引くか、幹を適当な高さで切り戻します。芽吹く力はそれなりにあるので、切り戻すとそこから1~3本の枝が出てきます。

実付きが悪くなる原因

ナンテンの実付きが悪くなる原因の多くは開花時期の長雨や日照不足といわれます。

ナンテンの花の咲く時期が梅雨と重なり、雨の多い年は受粉が充分に行われないことがあります。雨が続くときは花穂をビニール袋やテントなどで覆って雨を遮ってみましょう。ただし、完全に覆ってしまうと昆虫などが来なくなり、受粉に支障が出るので気を付けてください。

肥料の与え過ぎも、実付きを悪くする要因になります。特に油粕のような窒素肥料を多く与えると葉ばかり茂り花付きが悪くなるので注意しましょう。余程の痩せ地でない限り、肥料不足で花付きが悪くなるようなことはありません。

ナンテンは『自家受粉』しにくいので、どうにも実付きが悪いというときは、近くに別種を植えてみてください。それでもダメなら、幹の周囲にシャベルを入れて、根切りする方法もあります。栽培環境にもよりますが、根を切り戻すと、株の成長が抑制され、その分、花実の付きが良くなる場合もあります。

発生しやすい病害虫

【害虫:カイガラムシ

初夏から秋にかけてカイガラムシが発生しやすくなります。カイガラムシは、植物の汁を吸って弱らせる害虫で、枝や葉の付け根に寄生します。綿のようなものが木にへばりついていたら、ブラシなどでこすり落としましょう。
放置しておくと「すす病」を併発して、被害が拡大します。

【病気:すす病

カイガラムシの排泄物にひかれて、『すす病菌』が集まってくることで発症します。
すす病にかかると、葉っぱの表面が黒いすすで覆われたようになり、光合成ができずに枯れていきます。
病変を見つけたら、その部分を切り取って処分し、殺虫剤を散布しましょう。

ナンテンの花言葉

ナンテンの花言葉=『私の愛は増すばかり』『良い家庭』

ナンテンは「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木 として親しまれていますが、福寿草とセットで、「災い転じて福となす」ともいわれているようです。もともと、災いという『難』が無ければ、『転じる』必要もないのですが、ナンテンが多くの人に親しまれているということは、人生難儀なことが多いのでしょう。
実際のところ、私も難儀なことばかりなので、玄関先に、『ナンテン』『福寿草』を植えてはいるのですが、今のところ効果がないような・・・あるような・・・です。

ナンテンの育て方と花言葉
【半日陰に植える常緑低木のガーデニング】のまとめ

ナンテンは、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。こういった話は、迷信として捉えられますが、縁起の良い木だということを知ると、自宅に欲しくなりますね。庭のチョットしたスペースに、「厄よけ」「魔よけ」としてナンテンの木を植えてみてはいかがでしょうか。

※栽培方法、植物の生態については、環境により異なります。また、個人的な見解・解釈もありますので、栽培方法や生態については事前によく調べる必要があります。

※花言葉や花名の由来はさまざまに表現され、紹介されています。また、個人的な解釈もありますので、他で紹介する花言葉の由来や意味と異なる場合もあります。

参考=ヤサシイエンゲイ:ナンテンの育て方

参考=みんなの趣味の園芸:ナンテン

参考=南天の育て方!‐horti~ホルティ~

参考=12月の花 ナンテン


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