夏バテ防止にスイカは最適!
スイカの栄養については、あまり興味をもたない人も多いでしょう。しかし、実は結構、多くの栄養を含んでおり、特に夏バテ防止にスイカは最適です。だからといって、もちろん食べ過ぎはいけませんが、スイカのもつ栄養の特徴を知ると、“暑さ厳しい夏を乗りきる食材の一つとして最適”と、納得いただけると思います。
当サイトを一読いただき、日々の健康増進に、また家族の健康を守る食材として参考になれば幸いです。
※紹介している健康に関する内容は、多くの健康情報の中から、「なるほど!・効果がありそう!」と思われたものを参考にしています。当然ながら個人的な見解もあり、効果については、個人差があること ご了承ください。
目次
スイカの栄養と健康効果
【スイカと天ぷらの食べ合わせについて】
「スイカと天ぷらは食べ合わせが悪い」という昔からの言い伝えには理由があります。
水分の多いスイカを冷やしてたくさん食べると、胃酸が薄くなり、一時的に体温が下がって消化機能が低下します。ですから、消化能力のいる油っぽい天ぷらとスイカを同時に食べると下痢をしたり、胃腸の調子が崩れやすくなります。
夏は胃腸の働きが弱くなる時期でもあるので、スイカの食べ過ぎには注意してください。
スイカの健康効果!
スイカの約90%は水分ですが、赤い果肉には抗酸化作用のある「βカロテン」と「リコピン」が含まれています。また、利尿作用のある「カリウム」も多く含まれ、腎臓病予防や夏バテ防止に最適です。
- βカロテン=緑黄色野菜に豊富で、体内でビタミンAに変わる。強い抗酸化作用でガンを防ぎ、皮膚や目の角膜をはじめ、全身の粘膜を健康に保つ作用がある。
- リコピン=トマトやスイカの赤い成分。抗酸化力はβカロテンよりも高い。ガン細胞の成長を抑えたり、紫外線のダメージを防いで肌を守る作用がある。
スイカの皮にも栄養が!
スイカの皮と果肉の間の白い部分には、アミノ酸の一種、「シトルリン」が多く含まれています。シトルリンは腎臓の働きを助けて利尿作用を促し、体内の老廃物も一緒に排出してくれます。このシトルリン作用は、むくみをとり血流をよくするため、高血圧や動脈硬化の予防も期待できます。
スイカのカロリーと栄養素
【スイカ(赤肉腫)-主な栄養成分】(可食部100g当たり) | ||||||||||||||||||
●カロリー=37Kcal | ||||||||||||||||||
●タンパク質=0.6g | ||||||||||||||||||
●脂質=0.1g | ||||||||||||||||||
●炭水化物=9.5g | ||||||||||||||||||
●食物繊維(総量)=0.3g ・水溶性=0.1g ・不溶性=0.2g |
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※栄養素の数値は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)を参考にしています。
スイカを美味しくする食べ方
スイカの糖度は、一般的な大玉の品種で糖度(Brix)11~13度前後ですが、同じ玉の中でも、部位によって甘さが違います。ですから、切り方次第で甘さも美味しさも違ってきます。
一番糖度が高くて甘いのは、果実の中心部分です。この甘いところを均等になるように切り分けると、みんなで楽しめます。
【参考動画】:おいしいすいかの切り方おしえます
スイカの選び方/保存方法
スイカは縞模様がはっきりしていて、縞のうねりが触って感じられるものが良いです。また軸の部分が5円玉より、やや小さいものがおすすめです。
スイカを叩いて音で選ぶ方法
よくスイカを叩いて音で判断しますが、なかなか音による判断は難しいものがあります。
基本的によく完熟したスイカは叩くとボンボン(BonBon)と澄んだ音で響きます。これが未熟だとポンポン(PonPon)と高い音がします。また熟しすぎている物は低い音ですが、鈍く潰れたようなボタボタという音になります。
【参考動画】:美味しいすいかの選び方
スイカの保存方法
スイカは冷やし過ぎると甘味が半減し美味しくなくなってしまいます。スイカは10℃前後が最も美味しく感じる温度です。1玉を冷蔵庫に入れる場合、食べる直前の2時間ほど前に入れるようにしましょう。
丸のまま冷蔵庫に入らない場合、バケツや桶にスイカを入れ、スイカの上にタオルなどを被せて水道水を垂らすようにします。ただし、夏の水道は、水温が高くなっており思うように冷えない場合があります。出来れば井戸水がおすすめです。井戸水がない場合、氷を入れて冷やすとよいでしょう。
カットしたスイカはラップをして冷蔵庫で保存しますが、出来るだけ早く食べるようにしてください。
スイカの品種と歴史うんちく話
スイカは野菜か果物か?
園芸関係の学会や報告文では、1年生及び多年生の草本になる実は野菜、永年生の樹木になる実は果物と決められています。つまり、スイカは1年生の草本になる実なので野菜に分類されます。しかし、青果市場では果物として扱われ、食品成分表においても果実類として果物に分類されています。市場の分け方は消費者の側にたって、消費される形態に合わせて分類しており、スーパーマーケットでも、スイカは果物売場に並びます。
スイカの品種と特徴を紹介
ペイズリー
画像出典:【楽天市場】熊本すいか
- 時 期=8月初旬
- 特 徴=食感は大玉スイカに近く、香りもよい。冷蔵庫に丸ごと収納しやすい。
夏花火
画像出典:夏花火(スイカです)‐gooブログ
- 時 期=6月上旬~中旬
- 特 徴=皮は黄色く果肉は赤い。果肉はきめ細かく糖度も高め。品種名は「ゴールド小町」。
ダイナマイト
- 時 期=6月中旬~8月中旬
- 特 徴=北海道月形町で栽培されている黒皮のスイカ。シャリシャリと軽い口当たりで、爽やかな甘味。
黒美人
画像出典:高知県JA土佐市 黒皮スイカ
- 時 期=7月~8月
- 特 徴=皮の色がとても濃く、黒みがかって見える。小ぶりでシャリ感のある肉質。
紅こだま
画像出典:紅小玉すいか|桜川市観光協会
- 時 期=3月~7月
- 特 徴=小さいが果皮が薄いため、可食部が見た目よりもたっぷり。保存スペースも廃棄部も少なくてすむ。
スイカの歴史
スイカの原産地は、はるか遠くのアフリカ中部の砂漠地帯といわれています。中国を経由して17世紀には日本に伝わったとの説がありますが、スイカが日本に伝わった経緯は諸説がいくつかあって、どれが本当か分かっていません。
ポルトガル人が天正7年(1579年)に、長崎にカボチャと一緒にスイカの種を持ち込んだとする説や、隠元禅師が慶安年間(1648年~1651年)に、中国から日本に伝えたとも言われています。しかし、実はもっと古い時代にスイカは伝わっており、平安朝後期(1068年~1185年)には、スイカはすでに日本で作られていたのではという見方もあります。
ただ、赤い果肉が気味悪がられ敬遠されていたようで、一般庶民がスイカ食べ始めたのは江戸時代後期のようです。現在多く見られる緑の地に黒いギザギザの縞模様のスイカは昭和初期以降の品種です。
スイカ品種改良の歴史
江戸時代後期から、一般庶民になじみのあったスイカは、明治以降、人々の生活に合わせ様々な品種が誕生しました。昭和10年には、すでに種なしスイカが誕生しており、昭和34年には家庭用冷蔵庫の普及にともない小玉スイカが生まれています。
現在でも味と見映えを追及した贈答用高級大玉品種、形や色に変化を持たせた品種など、毎年のように新種が世に出続けています。
スイカの栄養と夏に食べる健康効果!
【美味しく頂くポイントや品種を紹介】のまとめ
暑いときに冷たいものばかり摂っていると、体が疲れてしまい、夏バテするとよく言われます。そんな夏バテの食欲不振の時は、疲労回復の効果もあるスイカがおすすめです。
是非とも、家族全員でスイカを食べて、暑い夏を乗りきってください。
一読いただきありがとうございました。
≪記事作成にあたり参考にした書籍≫
- からだにおいしいフルーツの便利帳/発行所:高橋書店
- 七訂 食品成分表 2016